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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン監督にヒットの裏側を直撃
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン監督にヒットの裏側を直撃

2014-09-12 19:30
    Filed under: カルチャー, 映画, 連載

    全世界で、(いや全宇宙で?)大ヒット街道驀進中!今年のNo.1映画に推す人も多い、我らが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』!この素晴らしすぎる宇宙活劇を作り上げたジェームズ・ガン監督と、8月9日にスカイプでインタビューをしました!とってもいい方で、ノリノリのインタビューでした!


    Q.大ヒットおめでとうございます!いまのお気持ちは?

    A.もちろん嬉しいですし、でも、それ以上にほっとしています(笑)。2年間かけて心血注いで作った映画が観客に受け入れられて、興行収入的にもいい成績を出しているということで、失敗にならずに本当によかったという気持ちで、ほっとしています。

    Q.この物語のどこにひかれて監督を引き受けたのでしょうか?

    A.なんといってもキャラクターですね。特に自分のことをろくでもない奴だと思っていたはみ出し者達が、仲間と出会って、旅路の中で、自分の中の善の心も捨てたもんじゃないなと思い出す。そして自分のことしか考えていなかったのが、他人のことを気遣う、思いやりを身につけていく。そういうストーリーが自分にはグッときました。

    Q. 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、ファンが注目するマーベルの超大作だったわけですが、この映画の監督に抜擢された時の感想は?

    A.「アメリカンアイドル」で優勝したような気分でした(笑)。
    ※編集部注:「アメリカンアイドル」とはアメリカのアイドルオーディション番組

    Q.マーベル映画のキーマン ケヴィン・ファイギ氏から、どんなアドバイスをうけたのでしょうか?

    A.彼にはこの映画の過程でいろんなアドバイスをもらいましたが、一番助けられたのは、編集の段階でしっかり管理してくれたこと。撮影が始まる段階で、僕はかなり妙で風変わりなアイデアをバンバンぶつけたんです。例えば、70年代のポップスをBGMに使うとか、お馬鹿コメディ色を強くするとか、単に自分の大親友だからといって、マイケル・ルーカーを起用して、ヨンドゥ役を大々的にフィーチャーするとか(笑)、そういったアイデアを、軒並み受け入れてくれた。そして、編集、つまり仕上げの段階で、ケヴィンは、ストーリーとしてきちんと機能するように、キャラクターを含め、こうした要素をしっかり練り上げていくことを教えてくれたんです。ケヴィンはユニークな視点と天才的なセンスを持っているプロデューサーで、なによりも理想の共同パートナーでした。

    Q.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が、今までのマーベル映画と違う点はどこだと思いますか?

    A.マーベルならではのテイストはしっかり残していますが、それ以外はあらゆる面で他の作品と違う。
    まず主人公たちがスーパーヒーローではなく、はみ出し者や悪党の集まりだったり。ビジュアル的にも独特の色使いをしているのでまったく違う見た目になっている。そして地球ではなく宇宙が舞台という時点で設定が違う。また他の作品よりもコメディ色が強く、ユーモアがたくさん詰め込まれている。それからアクションよりもキャラクター同士のやりとりや関係に重きを置いており、そういったシーンが多い点が、これまでとの違いだと思います。

    Q.確かにビジュアル的に、独特の色使いですね。なぜカラフルな宇宙にしたのですか?

    A.70年代後半から80年代にかけて、『ブレードランナー』を筆頭に、非常にダークで暗いタイプのビジュアルっていうのがSF映画のお決まりになっていたと思うんだけど、自分は逆にそこから離脱して、50年代から60年代のSF映画のような、ポップでレトロな色使いというのに戻ってみたかったんですね。幸い今回はそれがストーリーと重なりあって、非常にいい効果を出していて、観客もそれに対して反応しているので、使って大正解かなと思っています。

    Q.撮影中苦労したことはありますか?

    A.序盤ですべてのストーリー設定やキャラクター紹介を一斉に伝えなければいけないという点において、いろんな名前やキャラクターや惑星が次々と出てくるので、それらを整理するのが大変でした。また何を間違ったかロンドンでロケ撮影をすることにしてしまったがゆえに、雨が降り通しで、屋外での撮影の日は100%雨でして、非常に苦労させられた。個人的には2年間この映画にかかりっきりで、家族と過ごす時間や他のことに一切手をつけられないことが結構辛かったですね。

    Q.逆に撮影中の面白いエピソードはありますか?

    A.クリス・プラット、ゾーイ・サルダナをはじめ、キャストが全員面白い面々だったので、とにかく愉快な撮影現場でした。またドラックスを演じたデイヴ・バウティスタがくそ真面目な男なので、奴をからかうというのが、我々の長きにおける撮影の目的の1つでもあり、何かにつけて、事あるごとに彼をからかっていたんですね。特にクライマックスのあとに、デイヴにだけ内緒でピーターが「ダンスバトルだ!」と言った時に、他のキャストや200人のエキストラが全員踊りだして彼だけがポカーンみたいな、最後は彼もつられて踊ったんですけど、あれは1番笑える出来事でした。

    Q.セリフのバリエーションが一言しかないグルートを演じたヴィン・ディーゼルにどんな演技を指導したのですか?

    A.ヴィン・ディーゼルだけに特別な脚本を用意しました。彼には「アイ・アム・グルート(私はグルート)」というセリフしかないのですが、セリフの横にその場面での「アイ・アム・グルート(私はグルート)」が何を意味しているのかという翻訳のようなものを書いた脚本を用意したんですね。そしてそれを見ながら一緒にやっていったのですが、自分が予想していた以上に幅広い感情をたった3言で、彼は見事に表現してくれたと思います。はっきり言って字幕がなくても、観客はその場面場面で彼の言い方を聞いただけで、なんて言っているのか自動的にわかってしまうぐらい表現力豊かな素晴らしい演技だったと思います。

    Q.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、宇宙SF映画としても、マーベル・ヒーロー映画としても傑作だと思うのですが、監督自身、この作品のライバルは、『スター・ウォーズ』ですか?それとも『アベンジャーズ』ですか?

    A.まぁね。映画市場は広いので、どれがライバルということは言いたくないですが(笑)、幸いすべてディズニー傘下の会社なので、競合は問題ないかなと(笑)。それこそ『アベンジャーズ』に関して言えば、ジョス・ウィードンはハリウッドでの一番最初の仕事をくれた恩師で、長い付き合いでサポートしてくれている友人ですし、『スター・ウォーズ』を今回手がけるJ.J.エイブラムスに関しては、ガーディアンズを公開初日に観に行ってくれて、わざわざ個人的にEメールをくれたぐらい、非常に熱心にサポートしてくれているので、全然そういう敵対心とかはないですし、全部ヒットしてくれればうれしいです。自分はフィルムメーカー・クリエーターとして、最高のストーリー・最高の映画を自分のため、そしてもちろんファンのため、観客を喜ばせるに造りつづけたいと思います。

    Q.早くもパート2が決まりましたね。続編は、どういう映画にしようと思ってますか?

    A.今、まさに取りかかっているので、まだわかりません(笑)。

    Q.最後に日本のファンに一言お願いします。

    A.とにかく日本のファンは、僕の今までの風変わりで奇妙な映画も含めて、昔からすごく熱心にサポートしてくれて、とても感謝していますし、大好きです。是非この映画も楽しんでほしいと思います。自分自身も黒澤明をはじめとして、日本の映画というのに非常に影響を受けて育っていますから、素晴らしい映画をたくさん自分に観せてくれた日本の皆さんにお返しするような気持ちで、是非日本の皆さんにも楽しんでもらえればと思っています。



    監督の素敵な人柄が出る、楽しいインタビューでした。彼のこういうオーラが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を 本当に楽しい映画に仕上げてくれたんだでしょうね。

    さて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、すごいことになっていて、すでに2億3900万ドルを楽勝で突破、公開1ケ月足らずで、『アメイジング・スパイダーマン2』『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』『X-MEN:フューチャー&パスト』も超え、全米興行史上100位内に入っています。このままいくと『アイアンマン』シリーズに次ぐ、マーベルのドル箱映画になります!宇宙冒険映画としても『アバター』『スター・ウォーズ』シリーズ、『スター・トレック』シリーズに並ぶ成功作となりまし。

    『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、日本では9月13日(土)いよいよ公開です。このとんでもなく素敵な奴らに是非会いに行ってあげてください!傑作です!

    【参照リンク】
    ・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』公式サイト
    http://studio.marvel-japan.com/blog/movie/category/gog 

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