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脂こってりの味付けに具がたっぷりと盛り付けられた、ラーメン二郎。二郎を愛する者は「ジロリアン」と呼ばれ、一般のラーメンファンにとどまらず、芸能界、スポーツ界など各界に熱烈な信奉者が存在する......そんなジロリアン達を揺るがす衝撃のニュースが、9月に日本中を駆け抜けたことをご存知だろうか?


世界中のアントレプレナー(起業家)たちが憧れる男、イーロン・マスクがなんと二郎を訪れたのだ! マスクといえば、高級EV(電気自動車)を生産する「テスラモーターズ」や、NASAからも宇宙輸送機の注文を受ける「スペースX」のCEO。彼は来日中の9月7日、ラーメン二郎・歌舞伎町店の画像とともに「Noodles in Shinjuku」とツイート。さらに、日本のジロリアンからの反響に「It was exactly what I was looking for(これこそ、まさに俺が探していたものだ)」と返信ツイートしている。

資産家ランキングを発表することでも知られるアメリカの雑誌『フォーブス』によると、マスクの保有資産はおよそ90億ドル......って、1兆円近くもあるのかよ! 先ほどのツイートからは、マスクが二郎に魅了されたことも読み取れるから、世界一セレブなジロリアン(筆者推定)が誕生したといって良いだろう。

と、今でこそ二郎に行っただけでニュースになる一流起業家のマスクだが、そんな彼にも不遇の時代はあった。

もともと、マスクは金持ちの家の出身ではない。だから、最初の会社を立ち上げたときは家賃を惜しんでオフィスに寝泊まりし、近くの青少年向け施設でシャワーを浴びていたという。

また、天国から地獄へ落とされるような経験もしている。自身がつくり上げたオンライン決済サービス「Xドットコム」が軌道に乗り、同業の「コンフィニティ」と合併。「ペイパル」という社名になり、マスクは会長に収まった。だが、同業同士の合併にありがちな話で、旧組織間の対立が始まってしまう。経営陣の入れ替えによってCEOとなったマスクだが、当然のことながら、旧コンフィニティの役員は反発。彼が休暇をとり、オーストラリア行きの飛行機に乗ったと同時に緊急取締役会が開催され、クーデター的にマスクはCEOから解任されてしまったのだ。

後になってマスクは、解任劇を振り返り、こう呟いたそうだ。

「だから、休暇って厄介なんだ......」

まさに、この言葉こそ、彼が"社畜"であることの一番の証拠である。

役員ではないわれわれサラリーマンだって、休暇中に同僚から出し抜かれることは十分あり得る話。そんな仕事に打ち込む男の悲哀を表したエピソードといえるのではないだろうか。

そういえば、首都圏で働くサラリーマンには、ボリュームの多い二郎のラーメンを「栄養源」とまで言い切る人も。マスクが二郎に魅了されたのは、そんな働く者としての共感もあったのかもしれない。

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