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Filed under: TV, 国内, カルチャー, 連載, チームブルー
悩み事を相談されて、親身になって「こうしたほうがいい」などと答えたあまり、逆に怒らせてしまうという話がよくあります。相談している人は、実は悩みをただ聞いてもらい同調して欲しいだけで、「正しい」解決法を知りたいのではない、と。そこには論理的な「正しさ」などは必要ないのです。
タモリが芸能界に入る前、サラリーマンであったことは有名です。
最初に務めたのはある保険会社でした。親族の紹介で半ば強制的に入れられたのです。ちなみに後に結婚する春子夫人はこの会社で知り合い、タモリに仕事を教えてくれた先輩でもあります。
約4年間、保険の営業マンとして勤務しましたが「ベラベラしゃべるから信用されずダメだった」と本人は振り返っています。
たとえば高校の教師に勧誘に行った時のこと。
その人は「俺の質問に全部答えられたら保険に入る」というのです。当時から博識で理論派のタモリ。それらの質問にとくとくと答えて打ち負かしました。
すると「まいった。まいったけど保険に入るのだけは絶対いやだ」と拗ねてしまったのです。
そのときタモリは「人間って、理論で押しまくられると、感情で反発するもの」と悟ったのです。
タモリは営業技術を盗むため、その支社で一番営業成績の良い営業マンに二日間随行しました。
すると、その営業マン、お客さんになにを聞かれても、なにも答えられません。保険の詳しい内容は何も知らないのです。
代わりに彼が言っていたのはただ一言だけだったそうです。
「私にまかせてください」
文/てれびのスキマ
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