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プロ野球の最年長プレイヤー・中日ドラゴンズの山本昌投手が11月5日、名古屋市内にて会見を行い、推定年俸4000万円の現状維持で、来季の契約を更改したことを明らかにした。



昨年の更改時に落合GMから「50歳までがんばれ。給料は変えない」と言われていた山本は、来季について引退を覚悟している旨のコメントも行ったが、このまま順調に来季を迎えれば、ついに50歳での登板が実現する見通しだ。

そんな山本投手は、入団以来、中日一筋で来季が32年目のシーズン。そこで今回は、この32年間を振り返り、その道のりがいかに長いものであっ たかを改めて確認してみたい。

<1983~2014年>
山本昌の歴史と世の中の変遷

■入団~1990年
・1983年(18歳):
【山本】ドラフト5位で中日に入団。この年、中日が1位指名したのは藤王康晴。
【世間】東京ディズニーランド開業、ファミコン発売、漫画『美味しんぼ』連載開始。戸塚ヨットスクール事件発生。寺原隼人(ソ)ら生まれる。

・1984年(19歳):
【山本】一軍登板なし。
【世間】グリコ森永事件発生。エリマキトカゲやコアラがブーム。「チケットぴあ」サービス開始。西岡剛(神)・長野久義(巨)生まれる。

・1985年(20歳):
【山本】一軍登板なし。
【世間】阪神タイガースが初の日本一。日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故。ビックリマンチョコ発売 。関越自動車道全線開通。『さんまのまんま』『アッコにおまかせ!』『ニュースステーション』が放送開始。坂克彦(神)ら生まれる。

・1986年(21歳):
【山本】初出場。
【世間】阪神・バースとロッテ・落合がW三冠王に。新人王は西武の清原。ドラゴンクエスト発売。ボディコンやハイレグ水着が話題に。涌井秀章(ロ)・福井優也(広)ら生まれる。

・1987年(22歳):
【山本】開幕一軍入りを果たすも骨折。
【世間】国鉄民営化、JR発足。石原裕次郎死去。テレビ番組の24時間放送やパソコン通信・ニフティサーブがスタート。平田良介(中)ら生まれる。鉄人・衣笠祥雄(広)、江川卓(巨)ら有名選手が多数引退。

・1988年(23歳):
【山本】野球交換留学でアメリカへ。
【世間】瀬戸大橋開通。村 上春樹『ノルウェイの森』がヒット。ソウル五輪開催。ゲームボーイ発売。斎藤佑樹(日)・田中将大(ヤ軍)ら生まれる。南海ホークスが買収によりダイエーホークスに。同じく、買収により阪急ブレーブスがオリックス・ブレーブスに。

・1989年(24歳):
【山本】初勝利。
【世間】昭和天皇崩御、平成に。鉄骨飲料やクリスマスエクスプレスが話題に。中田翔(日)ら生まれる。

・1990年(25歳):
【山本】初の二桁勝利。
【世間】礼宮・紀子様ご成婚。『ちびまる子ちゃん』が視聴率39.9%を記録、空前のブームに。『渡る世間は鬼ばかり』放送開始。東浜巨(ソ)ら生まれる。


■1991~2000年
・1991年(26歳):
【山本】リリーフでも登板し、1Sを記録。
【世間】ソ連邦解体。OWOWが有料放送開始。 堂林翔太(広)、菊池雄星(西)、筒香嘉智(横)ら生まれる。鈴木一朗(後のイチロー)がドラフト4位でオリックスに入団。

・1992年(27歳):
【山本】再下位になるも孤軍奮闘で13勝。
【世間】バルセロナ五輪。風船おじさん騒動。タピオカ・もつ鍋などがブームに。山田哲人(ヤ)ら生まれる。

・1993年(28歳):
【山本】防御率2.05で最優秀防御率
【世間】レインボーブリッジ開通。プロ野球FA制導入。サッカーJリーグ開幕。釜田佳直(楽)ら生まれる。

・1994年(29歳):
【山本】19勝8敗で沢村賞。
【世間】リレハンメル冬季五輪。プレイステーション発売。『進め!電波少年』放送開始。大谷翔平(日)ら生まれる。

・1995年(30歳):
【山本】負傷などの影響から2勝に終わる。リハビリをキッカケに ラジコンに興味を持つ。
【世間】阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が発生。『新世紀エヴァンゲリオン』放映開始。森友哉(西)ら生まれる。野茂英雄、米・ドジャースに入団。

・1996年(31歳):
【山本】2年ぶりに規定投球回をクリア。登録名を山本昌に。
【世間】アトランタ五輪開催。国内ではO-157騒動が発生。スターバックス銀座1号店開店。

・1997年(32歳):
【山本】最多勝(18勝)と最多奪三振。
【世間】消費税5%に。拓銀・山一などの大型倒産が目立つ。失楽園、たまごっち、ポケモンなどがブームに。

・1998年(33歳):
【山本】2年連続開幕投手になるも大野豊との投げあいで敗北。
【世間】長野オリンピック。和歌山毒入りカレー事件。鈴木その子ブーム。ナンバーズ発売開始。 落合博満が引退。川上憲伸(中)が最優秀新人に。

・1999年(34歳):
【山本】防御率2.96でリーグ3位。
【世間】欧州で「ユーロ」が誕生。カリスマ美容師ブーム。松坂大輔が最優秀新人に。

・2000年(35歳):
【山本】3年ぶりの二桁となる11勝をマーク。
【世間】プレイステーション2発売。都営大江戸線全線開通。イチロー、野手としては日本人初のメジャーリーガーに。

■2001~現在
・2001年(36歳):
【山本】10勝13敗。
【世間】米国同時多発テロ事件。サッカーくじ「toto」発売。赤星憲広(神)が最優秀新人。

・2002年(37歳):
【山本】7勝6敗。ラジコンの全日本選手権のEPツーリングカースポーツクラスで4位に入賞。
【世間】ふたご座流星群観測。「ムネオハウス」「疑惑の総合商社 」など政治関連の流行語が続出。伊良部秀輝が日本球界復帰。

・2003年(38歳):
【山本】チームトップタイの9勝。
【世間】阪神18年ぶりセリーグ優勝。東海道新幹線品川駅開業。落合博満、中日の監督就任。

・2004年(39歳):
【山本】13勝を挙げリーグ制覇に貢献。
【世間】アテネ五輪。『ニュースステーション』終了。マツケンサンバがブームに。日本プロ野球史上初のスト。イチロー最多安打262。大阪近鉄がオリックスに吸収合併、東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生。

・2005年(40歳):
【山本】7勝8敗。
【世間】平成の大合併。つくばエクスプレス開業。ダイエーホークスが買収によりソフトバンクホークスに。

・2006年(41歳):
【山本】ノーヒットノーランを達成。
【世間 】トリノ冬季五輪。ナンバーポータビリティ、ワンセグ放送開始。ライブドア事件。

・2007年(42歳):
【山本】41歳8か月でセ・リーグ最年長完封勝利を記録。
【世間】郵政民営化。『おしりかじり虫』がブームに。

・2008年(43歳):
【山本】通算3000投球回、200勝を達成。
【世間】北京五輪。野茂英雄現役引退。「年越し派遣村」が話題に。

・2009年(44歳):
【山本】22年連続勝利を記録。
【世間】裁判員制度スタート。酒井法子、覚せい剤取締法違反で逮捕。

・2010年(45歳):
【山本】セ・リーグ23年連続勝利を達成。
【世間】横綱・朝青龍引退。バンクーバー冬季五輪。たばこ大幅値上げ。

・2011年(46歳):
【山本】故障から実戦登板なし。NPB現役最年長選手に。前夫人と離 婚。
【世間】東日本大震災。『水戸黄門』放送終了。

・2012年(47歳):
【山本】球団最多勝となる通算212勝目を記録。
【世間】東京スカイツリー開業。松井秀喜が現役引退。

・2013年(48歳):
【山本】打者としてもセ・リーグ最年長安打・打点記録。新妻と披露宴を開催(再婚)
【世間】ヤクルトのバレンティンがプロ野球新記録の60号本塁打。半沢直樹ブーム。

・2014年(49歳):
【山本】NPB史上最年長勝利投手の記録を更新。
【世間】消費税8%に。エボラ出血熱の感染拡大。

...と、このようにザックリと眺めるだけでも、この32年の間に、世の中が大きく様変わりしているかがよくわかる。そうした歳月を経ても変わることなく、マウンドに立ち続ける山本昌の活躍に、野球ファンな らずとも末永く期待したいところだ。

【動画】http://youtu.be/Mkyrgs-TA4M


文・藤本秀太

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