アジアサッカー連盟が12月4日、AFC U-23選手権2016予選の組み合わせ抽選会を行い、日本はグループIのマレーシア、ベトナム、マカオと来年3月に対戦することが決定した。
2016年のリオ五輪出場予選となるこの大会、特に注目すべきは発展著しいサッカー新興国ベトナム。率いるのはA代表を兼務する日本人の三浦俊也監督だ。
現在、東南アジアの各国で争う選手権「AFFスズキカップ2014」でステージ首位通過を決め波に乗る若き代表と、日本人監督三浦はベトナムでの人気は急上昇、準決勝突破を前に俄然注目度は上がっている。
JFL時代の仙台を皮切りにJ1甲府まで過去日本のクラブ6チームを率いて来た三浦は、今年5月にオリンピック代表も含む兼任としてベトナム代表監督に就任。前述のスズキカップのグループステージでも、3試合で19人と、レギュラーからサブまで幅広く使った起用法でチームを勝利に導いて来た。
あるベトナム人サポーターは「今の誰がスターでもなく誰が控えでもない代表が好きだ」「日本のプロフェッショナルなスタイルをベトナムは長い間望んでいたものだ」「三浦の指導能力はとても高い。短期間でベトナムサッカーの根本的な問題、フィジカル、フィニッシュの能力、メンタル、連携を克服した」とコメントしているように、この半年間で三浦は、この代表チームはモダンな戦術とチーム全体で戦う姿勢を植えつけた。
日本のクラブを率いてきた時から4-4-2のシステムを採用する事が多かった三浦監督だが、ベトナムでもこのシステムを踏襲。高い位置からのプレッシングからのカウンターによる速攻は徐々に浸透し、このスタイルをベースに3-5-2など適時変更など柔軟な変更など国際試合を重ねる毎に力をつけている印象だ。
また三浦監督の謙虚な姿勢もベトナム人の心を掴んでいる。難敵フィリピンを撃破した12月2日の試合後も「この試合でさらに修正点は多い、守りへの集中や、簡単にボールを失う場面での反省も必要」と気を緩めることはない。サポーターも「三浦の考え方を歓迎するよ。勝利で思い上がることもなく、敗戦で失望することもない。今まで我々に欠けていたことだ」と語る。
謙虚さと勤勉さ、日本人とベトナム人はそのような意味では非常に共感できるものも多いようだ。勝利後、サポーターから次々と感謝の言葉がネット上に溢れた。
「常に可能な限り最高の結果を成し遂げようとする。勝利しても、ミスで失点したので三浦は満足していない。ただ彼は観客の応援への感謝も忘れなかった。ありがとう、三浦。彼らが引き続きサポーターを楽しませてくれることを心から願っている」
「今のカップ戦の期間、俺たちのミーディン国立競技場の空で、一番輝いている星は三浦監督だ。彼には本当に感謝している」
東南アジアで旋風を巻き起こしているベトナム代表、日本を苦しめるライバルに成長する日もそう遠くないかもしれない。
【動画】http://youtu.be/gMFk8udCAEo
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