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ニューヨーク・ヤンキースからFAで移籍先を探していたイチローと1年の契約を合意したことが報じられているマイアミ・マーリンズ。日本人選手が在籍したことの無い最後の2球団の1つ(残るはシンシナティ・レッズのみ)ということもあり、日本人ファンにはあまり馴染みの無い球団という意見も多いが、現在のオフシーズン時点でのマイアミ・マーリンズの戦力と、第4外野手と言われているイチローの今シーズンの出場機会は一体どうなるのだろうか?


マーリンズといえば金満チームではなく、下から数えたほうが早い程のケチな戦略的経営でも知られる。「ファイヤーセール」という代名詞があるように、数年に一度、主力レベルの戦力を容赦なく売りに出すことでも悪名高い。ワールドシリーズを制した翌年にレギュラー殆どを売り飛ばすという極端な経営方針が度々話題になるが、その一方で、昨年はジャンカルロ・スタントンと13年総額3億2500万ドルという史上最高額で再契約したことが大きな話題となった。

今シーズンはそのスタントンを筆頭に、マーセル・オズナ、クリスチャン・イエリチという現状メジャー屈指といわれる不動の外野陣が固定されている。イチローの4番目の外野手というポジションは、途中出場もままならないくらい厳しいものと予想されているが、安定した控え選手が不在だったマーリンズにとっては、イチローのような経験豊かな外野手の存在は、長いシーズンとなると必要になってくる時が必ず来る筈だ。

また育成面で強いチームという側面もマーリンズは持っている。若手を一流に育てては売り出すという球団カラーが定着しているが、そんな中、若手揃いのチーム内にベテランのイチローを招いたのは、チームとしても教育面意図など別の狙いもあるのではないかと勘ぐってしまう。

一方のイチローの希望は、メジャー通産3000安打までの現役続行と思われるが、残り156安打というノルマは、今回のチームで代打なども含めた出場機会などを考慮すると2年越しで到達するのもかなり難しいと予想される。

とはいえ、それまでの過程でメジャー通産500盗塁(あと13盗塁)、メジャー通産350二塁打(あと14安打)など、今年達成されそうな記録も目白押しだ。また米国での3000安打の過程で、日米通産記録として残り134安打まで迫っている4256安打の世界最多安打という偉大な記録も待ち構えている。

前述のように出場機会の問題は抱えているが、後押しするマーリンズのファンの「イチローを見たい」という熱意、現状ではファンの間での来期の新戦力で期待する選手のトップという大きな歓迎ぶりなだけに、その声が大きければ記録へ近づくために必要な出場機会は自ずと増えていく筈だ。

すでにイチローは殿堂入りに相応しい選手という意見がMLB内でも一致しているが、同時に彼がそれに相応しい晩年のキャリアを送ることも多くのMLBのファンが望んでいることだ。マーリンズとの契約は、これから待ち構える記録更新や、昨年のデレク・ジーターのようなセレモニー・ロードなども含め、イチローというレジェンドを比較的格安で獲得できるビジネス的な皮算用が全く無かったかといえば嘘になるだろう。しかしヤンキースでも何度もポジションは無いと言われながらも出続けたイチローのこと、新天地マイアミでも何らかのインパクトを残してくれることを信じてやまない。

■参照リンク
The Official Site of The Miami Marlins
http://miami.marlins.mlb.com/index.jsp?c_id=mia

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