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特異なキャラクターとバラエティセンスの高さにより、アイドルという枠を飛び越えてお茶の間でもその名を知られるももちこと嗣永桃子。そんな彼女が所属するBerryz工房の無期限活動停止を受けて、新たに加入したグループがカントリー・ガールズだ。他の5人のメンバーと比べて突出して年齢が高くキャリアもある嗣永桃子はプレイングマネージャーという役職を任されているわけだが、早くもそもマネージメント術が尋常ではなくスゴいと大きな話題を呼んでいるようだ。

https://youtu.be/g1tj7Q1UxXY


カントリー・ガールズは3月25日にデビューシングルとなる『愛おしくってごめんね/恋泥棒』をリリース。全国各地で発売記念イベントを行ったのが、そのトークの内容がいちいちスゴい。ほかの5人のメンバーが若々しいフレッシュな魅力を放つ中、ひとり年上であるももちはプレイング・マネージャーとしてトークの大黒柱として大活躍。これまでのBerryz工房での活動でつちかったテクニックとアイドル論を存分に発揮しているのだ。

そこで本日はカントリー・ガールズのプレイングマネージャー、ももちこと嗣永桃子がいかにスゴいかを、全国各地のイベントの内容から5つに分けて紹介しよう。

(1)早くもカントリー・ガールズ用にモデルチェンジしててスゴい

嗣永桃子のトレードマークといえば"ももち結び"。その独特のツインテールは彼女を象徴するヘアスタイルだったわけだが、カントリー・ガールズとしての活動を本格的に開始するにあたって、その"ももち結び"を封印することを決意した。複雑な気持ちになってしまう古くからのファンも少なくないかもしれないが、その理由が本人いわく「ももち結びを作る魔法が使えなくなった」というのだから、それを言われたら納得せざるを得ない。

確かに6人のメンバーで一人あのヘアスタイルという状況は、客観的に見てバランスが悪いのではという意見も一部にはあった。そこで嗣永桃子は自分が"ももち結び"をしていると他のメンバーが「霞んで見えちゃう」と言い切る。これまでのように自分が目立つことよりも、他のメンバーの魅力を発見してもらうことを自ら決断しているわけで、このマネージメント術はやはりさすがという他ないだろう。

(2)一人だけ年上というキャラのイジらせ方がスゴい

嗣永桃子はカントリー・ガールズの中で一人突出して年上のため、ともすれば壁を作られたり、妙な距離感が出来てしまってもおかしくない。そこで彼女は、一人だけ年上であることをアピールし、それを他メンバーにイジらせるという手法を取る。たとえばイベントで「『許してにゃん』は本当に流行っているのか?」という問いに対して彼女は「レッスンゴレライの次に流行っている」と答える。もちろん正しくは「ラッスンゴレライ」である。実におばさんっぽい言葉の間違いであり、このスキのある発言によって、他メンバーからイジらせているのだ。

さらにイベントのトークの中では、LINEのグループから一人だけ外されていることが判明。自分を含めた6人のグループのほかに自分だけを除いた5人のグループで他メンバーがやり取りをしていることが明らかになった。普通の人間なら傷ついて家から出られなくなるところだが、そこは嗣永桃子。翌日6人のグループに体験加入するが、やっぱり大量の通知音がうるさいから5人のグループで勝手にやってほしいと伝え、ファンの心を落ち着かせる。この距離のつめ方と距離の置き方の絶妙さは、あまりにも見事だ。

(3)ファン心理を理解した他メンバーへのイジり方がスゴい

プレイングマネージャーである嗣永桃子は、トークの際に回しの役割をつとめることが当然多くなる。その際にファンの心理を的確に理解したうえでそれを行動に移すのだった。たとえばジェスチャーゲームの際には島村嬉唄というメンバーに何度も可愛い動きをさせて、ファンに歓声を上げさせる。また国の話になったとき「うたちゃん(=島村嬉唄)はハワイしか知らないもんね?」と挑発し、島村嬉唄から「知ってます! イタリアとか!」と可愛くプンプンする様子を引き出すのであった。

バラエティの立ち位置によって自分が自分がというイメージが強いかもしれない嗣永桃子だが、実はBerryz工房のころから周囲を見渡しほかのメンバーの魅力を引き出すという術には非常に長けている。この能力により、ほぼ新人と言える他のメンバーのキャラクターが日々引き出されているのはまさに嗣永桃子ならでは。通常のアイドルグループが5年はかかるところを1年で到達することは間違いないところであり、カントリー・ガールズはデビュー早々、目の離せない存在になっているのだ。

(4)アイドルとしての立ち位置を崩さない発言がスゴい

だが嗣永桃子はプレイングマネージャーであるから、マネージャーでありながらプレイヤーでなくてはならない。そこでアイドルとしての立ち位置を決して崩すことはないのであった。本人不在の他メンバーのトークで「(許してにゃんなどについて)私なら23歳で絶対にあんなことしない」と言わしめるほどであり、それはもちろん、彼女への尊敬の気持ちの込められたものだ。

またイベントで他のメンバーがセリフを言いよどんだ際には「タンなんて絡んでないよ。アイドルにはタンないから」と即座にフォローする瞬発力。まあアイドルが「タン」という言葉を使うことはどうなのかという疑問はあるが、そこは忘れておく。最終的に嗣永桃子は「喉に妖精さんがいるのかな?」というキラーワードをぶっ込んでくるわけで、この言語センスは驚愕の一言。まさにアイドル11年やってきた嗣永桃子ならではの発言だと言えるだろう。

(5)後輩メンバーたちへの教育方針がスゴい

嗣永桃子はアイドル活動と並行して大学にも通い、小学校の教員免許まで取得した、言わば本当の教育者である。彼女が教育者として他のメンバーたちに何を教えるのかは興味の尽きないところだ。そんな彼女はインタビューで、自分が考えるアイドル論を押し付けるのはあまり良くないのではと語る。それでは嗣永桃子はどういった教育方針で後輩メンバーに接するのか? 彼女はこう答えている。

「自分の頭で考えるということは最初から徹底していきたいと思っています」

全ての職業に通じる、金言ではないだろうか。この言葉だけを忘れなければ、カントリー・ガールズの飛躍は間違いない。デビューしたばかりのカントリー・ガールズではあるが、早くもいま最も目の離せないグループの一つになったと言えるだろう。

<結論>
なお今後さらに注目していきたい点として、嗣永桃子と同じBerryz工房で活動していた徳永千奈美の存在も挙げておきたい。Berryz工房の無期限活動停止を受けて、彼女はハロー!プロジェクト・アドバイザーに就任。これまで多くの伝説を作ってきた嗣永桃子と徳永千奈美がどんな物語を紡いでいくのか。徳永千奈美がしゃしゃり出てきて嗣永桃子とケンカになったりしないか。どう転んでも面白い展開になるのは間違いないので、いまから注目しておきたいところだ。

文・相沢直

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