Filed under: カルチャー, 映画, チームブルー
<悩み>
今の部署の上司がとにかく性格が悪いです。
仕事に関係ない嫌がらせのような命令も多いし、やる気がなくなりそうです。
営業職・31歳(男性)


<橋Pの回答>
「嫌な上司の方が己の潜在能力が引き出される事実。映画『セッション』を観て学ぼう」

「理想の上司ランキング」の上位に入る有名人とその理由を聞くと、「優しい」「指示が的確」などなど、とてもポジティブなものが多い。

しかし、本当に部下の潜在能力を引き出すには、嫌な上司の方がいい場合もある。

いろんなところで話題沸騰の映画「セッション」は、鬼教官と教え子の激しいやりとりが見どころの一つだが、このフレッチャー先生のあまりに悪質なシゴキ。この手の物語だと「厳しいトレーニングも、実は教え子の力を引き出すためにあえてやっていたんだ」的な事実が後で明らかになって感動したりするものだが、本作はやや違う。
「先生、集合時間を僕にだけ2時間早く伝えたのは何かの愛情だったのかな?」「僕にだけ物を激しく投げたりするのは期待されてるからなのかな?」と思わせておいて、「あれ?生徒のためじゃなくてただの嫌がらせなんじゃ...ただのクソ野郎なんじゃ...」と思える展開になるのだ(その真相は映画本編を参照)。

映画『セッション』 https://youtu.be/v7jEDQlR9BY


なんて上司だ! 最悪だ! こんなんじゃやってられない! と思うクソ上司はたくさんいると思うが、映画の中では、教え子のニーマン君がその上司への怒りや復讐心に突き動かされ猛練習を積み、骨太な男になっていく。
上司が優しく指示が的確だとこうはいかない。とくに疑問を持たずに仕事をしてしまうので、嫌な気持ちは抱かないが、その分トレーニングとしては甘くなる。

だからこそ、「上司はクソな方が良い」とあえて言いたい。

かつて、あるラジオADが、鬼ディレクターに、「30分以内に指定のCD50枚出してこい」と言われ「そんな急に言われても無理だよ!」と裏で怒っていた。そして「もっと事前に言ってくれれば200枚でも300枚でも出しますよ!」と逆ギレしたところ、その鬼ディレクターは「じゃあ明日までに指定のCD300枚出しといて」と後でメールを送っていたというのだ(どう考えても使わなそうなものだったらしく明らかな嫌がらせ)。
しかしそのADは程なくして、CDを早く出す能力やライブラリーのシステムを完全に把握し、たくましくなっていた。

かといって上司に「ダメなままでいいです」というつもりはないが、部下側も「上司がダメだから俺はいつまでたっても...」と人のせいにしているばかりだと何の成長もない。

「こいつ殺してえ(命令がきついから)」「早く超えてえ(命令されたくないから)」という動機でスキルアップに励むことが事実ある。かくいう自分がそうだった。もちろん荒療治ではあるが、上司にお悩みの貴殿、発想を変えてみるのもいいと思う。

文/橋本吉史

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