中国のある億万長者が、一転して僧侶になるための修行中だという。いったい彼に何が起こったのだろうか?
https://www.youtube.com/watch?v=eZ9ZOsC21qU
39歳のリュー・ジンチョンさんは"元"実業家/億万長者で、これまで順調なビジネス、そして何不自由のない暮らしを送っていた。ところが現在、一転して僧侶を目指して厳しい修行の最中である。あらゆる富を手にした彼が、全てを捨てて新たな道を歩み始めたのには、どんな理由があったのだろうか?
「実際かなり儲けていたし、正直言って人生を楽しんでいました。ですがある日、友人たちと中国北部の田舎を車で走っていた時に交通事故を起こしたんです。移動を続けるには新しい車が必要でしたし、友人の中には怪我を負ってすぐには動けない者もいたので、軽傷だった私は仕方なくホテルに滞在することになりました。そこでは、仏教に関する本を読むことくらいしかすることがありませんでしたが、その数日間の体験が私の全てを変えてしまいました」
思うところのあった彼は休暇を取り、北部の山間部で極力小規模な、質素な暮らしを試みた。その2年間の生活の間に7台の車、豪華な邸宅、別荘を手放し、最終的には自身が経営していた衣服製造業も譲ってしまった。そして、中国東部にある寺院の門戸を叩き、住み込みで働きながら修行に励むことにしたのだ。物質的な欲望には際限がなく、より良い暮らし、より良い仕事、あるいは高級車などを欲することを、人は止めない...と実感したことが、彼の決断につながったという。
当然、生活環境はとても快適とは言えない。硬いレンガの上に藁を敷いただけの寝床、寒い冬場にもかかわらず電気もままならないなど、かつての彼の生活とは正反対だ。それでもくじけず生き延びられたのは「以前の暮らしより、よほど充実していたから」というジンチョンさん。現在は別の寺院に移り、厨房で働きながら仏道を歩み続けていて、「大金を転がすよりも、寺で食事を作っている方がよほど充実した気持ちになれる」とも語っている。
そんな彼が「そもそもお金を使う必要すらないのですから」と言うように、確かに使う必要がないのなら、必要以上に稼ぐ必要もない。あまりにもシンプルな理だが、一度サクセスした彼だからこそ、いち早く悟ったのかもしれない。
【参照リンク】
・ http://www.odditycentral.com/
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