大ヒットアニメの実写化として話題を呼んだスペシャルドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)が9月21日に放送された。視聴率は9.1%とイマイチで、原作アニメのファンの賛否両輪は当然あったが、ヒロインの"めんま"こと本間芽衣子を演じた浜辺美波に関しては、ネットで「美少女すぎる」「問い合わせ殺到だろう」などと称賛が相次いだ。
小学生のときに事故死して、7年後に高校生になった幼なじみのもとに成長した"幽霊"として現れる役どころ。主人公以外には姿が見えない。アニメだから成立するファンタジックな存在ながら、浜辺のピュアなたたずまいや瑞々しい透明感は、まさにアニメから飛び出してきたようだった。
ところで浜辺のめんま役について、制作サイドが最後まで迷ったのが、髪の色だったという。アニメのめんまの髪は白。ロシア人の血を引くという裏設定があったようだが、アニメではキャラクターの髪が説明なく青や赤でも違和感はない。ドラマ版『あの花』のめんまは、最終的に「黒にすることで、より実写化する意味が出ると判断しました」(浅野澄美プロデューサー)とのこと。
この点も原作ファンの賛否は出たが、浜辺のめんまを称賛する声が多いことから、彼女の清廉な美少女性は生かされたと言える。アニメを観てない視聴者にも受け入れられやすく、やはり黒髪で正解だったように思う。アニメやマンガ原作の実写化でキャラクターを忠実に再現しようとすると、ともすれば"コスプレ"になりがち。
一方、10月10日スタートの連ドラ『掟上今日子の備忘録』(日本テレビ系)は、西尾維新のミステリー小説が原作。主人公の"寝ると記憶が1日ごとにリセットされてしまう"探偵を新垣結衣が演じるが、その髪は原作のイラストと同じ白髪のウィッグ。加えてメガネをかけていて、パッと見では新垣と気づかないほど。
本人は「想像より馴染んでいた」とコメントしているが、写真や予告動画が公開されると、ネットでは「似合わない」「コスプレっぽい」といった声が多く挙がった。彼女自身の問題というより、若い日本人女性の白髪姿が自然に見えないのは当然だろう。
とはいえ、まだ放送前。新垣が掟上今日子ぶりを演技で発揮してくれれば、逆に白髪も馴染んで見えてくるかもしれない。逆に、やっぱりコスプレに見えてしまうかもしれない。2次元キャラクターの外見を、3次元での実写化でどこまで反映すべきか。新垣クラスの人気女優が演じる分、ひとつの試金石になりそうだ。
また、めんまを演じた浜辺も今クール、『無痛〜診える眼〜』(フジテレビ系)にレギュラー出演する。精神障害を抱えた、教師一家殺害事件の容疑者という役で、今回は金髪に染めた。めんまと一転、清純派イメージを覆すチャレンジ。髪の色問題はやはり大きい。
文・斉藤貴志
https://youtu.be/wvI649OzQqE
https://youtu.be/FFXoFhHTcMM
https://youtu.be/gfhGicL1VU0
■参照リンク
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/anohana-drama/
『掟上今日子の備忘録』公式サイト(10月10日土曜よる9時スタート)
http://www.ntv.co.jp/okitegami/
『無痛〜診える眼〜』公式サイト(10月7日水曜よる9時57分スタート)
http://blog.fujitv.co.jp/mutsu/index.html