Hulu/J:COMにて全6話配信中の連続ドラマ『フジコ』は、タイトルロールを務めた尾野真千子が当初、オファーを断ろうと思ったほどの衝撃作だった。一家惨殺事件の生き残りの少女フジコはトラウマを負い、狂い始めた人生の中で殺害を繰り返してゆく。彼女はなぜ人を殺すのか? 幸せだけを追い求めて殺人鬼となっていくフジコについて尾野に聞いた。



――最初、出演を辞退しようと思ったそうですね?
 
はい、そうなんです。本当のことです。正直、やりたくないなあと思いました。悪役は経験として悪くはないので、それはそれで惹かれはしますが、この「フジコ」はリアルなことと近い気がして。今の世の中のリアルのことです。作品に出る以上は期待に応えなくてはとか、意味があるかなとか、いろいろと思うもので、とても葛藤したことは確かですね。

――評判を聞くと、出てよかったですね?
 
そうですね。今思うと出てよかったと思いますが、最初はネガティヴなことばかり考えてしまって。完成するまでは、すごく不安でしたね。



――それはフジコという女性を理解できないからですか?
 
いえ、物語上での理解はしますが、本当に殺人をするわけじゃないウソを演技としてやるわけで、ウソをつくぞという理解はしているけれど、そこに踏み切るまでが大変というか、拠り所が難しい役柄だったので不安でした。

――作品を拝見していて残虐な連続殺人の恐怖描写というよりも、人間のはてしない業、満たされない欲望という、人間の心が怖いと思いました。
 
怖いですよね。こういうドラマの場合、たいてい救いがあるもので、皆救いを求めて観ていますよね。途中に残虐なことが起こるけれども、最後にはほっこりして終わるとか。よかった、安心して終わることが多い気がしていますが、「フジコ」にはそれほど救いがなくて、最後の最後まですごい話だなって。

――たとえばホラー映画の場合、呪いが終わっていない、まだまだ続くぞという恐怖演出がありますが。
 
ホラー映画だったら、ありだと思うんです。皆、そういうものだと思って観るじゃないですか。たとえば、幽霊が出てくるんだみたいな。本当かウソかわからない狭間のものなので、ちょっとエンタメ的なものを観るようなイメージ。これは別にそうでもなくて、リアルに胸にグァ! とくる。だから、ちょっと悩みましたね。



――観終わって主題を投げかける作品のほうが「観た!」って満足度も高いと思います。
 
そういう意味では、たっぷりでしたね(笑)。全エピソードで、7時間くらいありますから。huluオリジナル連続ドラマなので、加入すれば何度でも観られて、何回でもグァ! ときてほしいです。一方、女優としては新しい配信という形式に参加できたことは、経験としてよかったと思います。「フジコ」という違うジャンルを切り拓いてくれたと思うので、撮影中は辛かったですが、楽しかったです。

――読者の方々も、とても楽しみにしていると思います! メッセージをお願いします。
 
とりあえず観てください。無理な共感や、無理に観たいと思わなくていいのですが、でも、ちょっと観てみませんか、とお願いしたいです(笑)。わたし自身は面白いと思ったんです。でも一言で面白いと言うと、この物語なので誤解を与えそうで言いにくいとも思います。観ていて辛いと想うシーンがたくさんある作品ですが、最近では珍しい思い切った作品ですのでトライしてほしいですね。



『フジコ』はHulu/J:COMにて全6話一挙独占配信!

https://youtu.be/KzRLr_TDht0


■参照リンク
『フジコ』公式サイト
drama-fujiko.com

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