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ベネディクト・カンバーバッチ、史上最悪の犯罪王の弟で若き政治家を熱演「俳優としてやりがいがあった」 【映画『ブラック・スキャンダル』集中連載③】
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ベネディクト・カンバーバッチ、史上最悪の犯罪王の弟で若き政治家を熱演「俳優としてやりがいがあった」 【映画『ブラック・スキャンダル』集中連載③】

2015-12-15 21:00

    第三回:カンバーバッチ×ジョニデ 初共演。悪を極めた仁義なきバルジャー兄弟!!

    ジョニー・デップが実話を基に伝説のギャング、ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーを演じ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチと三つ巴の演技バトルを披露する、『ブラック・スキャンダル』が、2016年1月30日(土)から全国ロードショーとなる。

    AOL Newsでは、『ブラック・スキャンダル』の首謀者"バルジャー"特別捜査班を編成、"アメリカ史上最大の汚職事件"を描いた本作を9週にわたって検証していく。
    第三回は、英国の名優ベネディクト・カンバーバッチのコメントを交えて、バルジャーの弟ビリーを追う。

    【第一回】全員ワル!FBIも恐れたバルジャー率いる地獄のギャング集団「ウィンターヒル"ギャング」
    【第二回】実録!米史上最大の汚職を招いたFBI捜査官とギャングの「秘密の協定」



    ジミーとビリー、バルジャー兄弟は、アイルランド系の人々が多いサウシー(ボストン南部)の低所得者向けの公営住宅で生まれ育った。
    ジョニー・デップ扮する闇社会でギャングのボスとなった犯罪王の兄バルジャーは、複数の愛人と関係を持ったが生涯独身を貫いた。政界へ進出した弟ビリーは、地元の名士として9人の子に恵まれ大家族の家長となる。陰と陽、社会的な立場も異なる人生を歩んだかのように見える2人だが、彼らには紛れもなく同じ血が流れ、それぞれの道で頂点を目指した。その旺盛な支配欲こそ、アイリッシュ魂で破天荒な半生を生きたバルジャー・ブラザースの原動力となった。

    バルジャー兄弟には、アイルランド系移民の血を引く共通した気質がある。何よりもまず家族を大事にすること。ここで紹介する一枚の写真にご注目いただきたい。



    この場面は、ある朝のバルジャー家のリビングルームの光景だ。年老いた母とのカードゲームにつきあう朝帰りの兄、家族のために議員宿舎に向かう前に実家に立ち寄り朝食の用意をする弟の背中は、なんとも微笑ましい。2人の権力者も家に帰ればただの息子、母親には頭が上がらないのだ。

    もうひとつ注目すべきはサウシー育ちの地縁、同胞意識だ。
    スコット・クーパー監督は、「似ても似つかぬ兄弟と2人を崇めるFBI捜査官のコノリー(ジョエル・エドガートン)の因縁に惹かれた」という。彼らの同胞意識、隣人愛は半端ない。コノリーは、バルジャーを密告者にすることに反対する上司のチャールズ・マグワイア(ケビン・ベーコン)に「信用できる情報を流すとなぜ分かる?」と問われ、「幼なじみです。ジミー、弟のビリー、そして俺。大人になってもサウシーの絆は変わらない」と応じた。コノリーが憧れるバルジャーは、近隣住民からはロビンフッドのようなヒーローとして愛されていたという逸話もある。

    公の場所で顔を揃えることは殆どなかった兄弟だが、母の家では別。ビリーがコノリーのボストン着任を兄に耳打ちしたのは実はこの家だった。

    やがて、バルジャーとコノリーの地縁がほどけぬ結び目となり、家族以上に強い関係で結ばれていく。FBIを手玉に取ったバルジャーは、ありとあらゆる犯罪に手を染め、史上最悪の犯罪王として君臨。逮捕を目前に姿を消し、2011年に逮捕されるまで、ウサマ・ビンラディンに次ぐ最重要指名手配者となった。



    一方、闇社会の支配者となった兄とは異なり、弟は政界へと歩を進めた。
    アイルランド系アメリカ人として初の大統領となったジョン・F・ケネディの後を追うように、1970年にマサチューセッツ州議会議員に初当選。78年には州議会議長に登り詰める。
    「ビリーが世の中に存在した人という事実を肝に銘じた」というベネディクト・カンバーバッチは、「昔気質で一徹。アイルランド系アメリカ人が政界進出を果たした時代を象徴する人物。インテリで博識。権勢を振るっているけれど、実は公私の板ばさみに苦しんでいる。兄のバルジャーを慕いながら、一方で公僕としての務めを大切にしている」とビリーを分析する。俳優として「その葛藤を表現する役柄はやりがいがあった。2人が強い兄弟愛で結ばれていることだけを示し、後は観客の想像に任せることにした」と役作りを振り返っている。
    映画では描かれないが、支配的な政治家であったビリーは、州議会議長として補助金を自由に操ったと言われている。また、ボストンの街中に人々が繰り出す聖パトリック祭の恒例行事である朝食会で演説すると、自信に満ちた堂々たる姿で街路を闊歩した。威風堂々たるビリーが敬礼する、その先には、兄のバルジャーの姿が見て取れる。

    「ジミーが何をしようと、私に関係ない」
    公人であるビリーは、兄のビジネスについて語ることはなかった。有無を言わせぬこの沈黙がもたらす周囲への影響を知り抜いていたのは、言うまでもなく彼自身である。表の顔と内に秘めた本心を見事に使い分けるビリーには、紛れもなくギャングとなった兄と同じ血が流れている。

    次回の特捜班レポートは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のダコタ・ジョンソン扮する愛人リンジーとバルジャー最愛の息子ダグラスに迫ります。ご期待下さい。

    映画『ブラック・スキャンダル』は、2016年1月30日(土)より、全国ロードショー!

    ■公式サイト:www.black-scandal.jp

    ■ハッシュタグ:#ブラックスキャンダル



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