第四回:セレブの愛人から"極妻"へ。ダコタ・ジョンソンが魅せるオンナ道!

ジョニー・デップが実在するギャング、ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーを演じ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチと三つ巴の演技バトルを披露する、実話を基にした『ブラック・スキャンダル』が、2016年1月30日(土)から全国ロードショーとなる。

AOL Newsでは、『ブラック・スキャンダル』の首謀者"バルジャー"特別捜査班を編成、"アメリカ史上最大の汚職事件"を描いた本作を9週にわたって検証していく。

【第一回】全員ワル!FBIも恐れたバルジャー率いる地獄のギャング集団「ウィンターヒル"ギャング」

【第二回】実録!米史上最大の汚職を招いたFBI捜査官とギャングの「秘密の協定」

【第三回】ベネディクト・カンバーバッチ、史上最悪の犯罪王の弟で若き政治家を熱演「俳優としてやりがいがあった」

第四回は、ダコタ・ジョンソンが演じるギャングの愛人リンジー・シルを追う。衝撃のベストセラーを映画化した『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で秘めた顔を持つセレブの愛人となる女子大生を演じたダコタが魅せる"極妻"とは...。


ボストン南部、サウシーと呼ばれるエリアにある"トリプル・オー"が、バルジャー率いるウィンターヒル・ギャングたちの秘密アジトであることは既に紹介した。用心棒がガードするこの店で、バルジャーたちは夜が明けるまでビジネス会議を行っていた。仕事が終わり朝を迎えたギャングのボスは、公営住宅の一角にある愛人の家に向かう。気まぐれな彼は、時には深夜に愛人宅に現れることもあった。家に到着すると最初に「息子はどうしている」と尋ねるのが常だ。裏切り者や敵対するマフィアには情け容赦ない男だが、自分の血を分けた一粒種の息子ダグラスへの愛情は、世の中の父親と寸分変わらなかった。

1956年、銀行強盗の容疑で連邦刑務所に収監されたバルジャーは、脱獄関与の容疑で難攻不落のアルカトラズ刑務所に移送される。簡単に他人を信用しない。証拠は徹底して消す。邪魔者は黙らせる。刑務所は、悪の処世術の宝庫だった。1965年に出所、ウィンターヒル・ギャングに合流、複数の愛人と関係を持ったが、生涯独身を貫いた。

『ブラック・スキャンダル』では、バルジャーの生涯に大きな、黒い影をもたらす愛人、息子との関係が描かれている。

ある夜、ふらりと愛人宅に姿を現したギャングは、熟睡している息子を起こせと命ずる。眠ったばかりなのよと応えるリンジーに構わず、寝室へと向かう。夜を過ごした翌朝、朝の食卓ではこんな会話が交わされる。


「そのオレンジジュースは、お母さんが絞ってくれたものだ。だから最後まで飲み干すんだ」と、母のジュースを飲み残すことを許さない。学校での出来事を尋ねられたダグラスは、「友達と喧嘩になって、思わず殴りかかった」と告白する。間髪入れずに「ねじ伏せたのか」と問いかけると、喧嘩には勝ったが、「先生に叱られた」とポツリ。ここでバルジャーのギャング道を象徴する言葉が放たれる。

「いいか肝に銘じておけ。何かするときは周りに気をつけろ。仲間は注意深く選ぶことだ。誰も見てなければ、何もないと同じ」だと教え込む。 6歳の息子に教えることではないと心配するリンジーだが、バルジャーはウィンクひとつで、彼女をあきれかえらせる有様だ。

やがて、運命の日が訪れる。

弟ビリーの家で催されたクリスマススディナーの最中、突然電話が鳴る。受話器を取ったビリーは、兄に電話をつなぐ。病院にいるリンジーからの連絡は、ダグラス危篤の報せだった。風邪だと思って医者に言われるままにアスピリンを与えた所、息子の体が硬直し始めた。慌てて病院に向かったバルジャーを待っていたのは、自ら動くことが叶わなくなった、変わり果てた息子の姿だった。

そして、ギャングと愛人は病院の待合室で対峙する。ダグラスを連れて家に帰ろうと言う父と、もう希望はないと現実を見据えようとする母。


別れを決意したオンナの強さは凄まじい。「なんてことを!ダグラスは俺の息子だ。決してこの病院にはおいていかない。今すぐ連れて帰る」と叫ぶギャングに、「なんて酷い奴なの、あんたはケダモノよ」と罵声を浴びせかけ席を立つ。一人残されたバルジャーは、待合室でテーブルをひっくり返すのだが、待合室には虚しさだけが漂う。愛人リンジーと別れ、最愛の息子を失って歯止めが利かなくなったバルジャーは、この別れをきっかけに、凶暴な犯罪行為を更にエスカレートさせていく。

ダコタ・ジョンソンは、「リンジーは、多少なりともバルジャーの人間らしさを引き出す。特に息子を愛する父親としての顔をね。それで彼の残忍さが和らぐわけではないけれど、違う一面がのぞけることは確かよ」と語っている。キュートな大学生の愛人から、極道の愛人へ。裏の顔を持つ男たちとのタイマン演技が続くダコタ・ジョンソンに期待しようではないか。

次回の特捜班レポートは、バルジャーを決して認めなかったFBIのチャールズ・マグワイア(ケビン・ベーコン)と、ギャングとの協定に加わったコノリーの相棒ジョン・モリス(デイビッド・ハーパー)、二人のFBI捜査官にフォーカスします。ご期待下さい。

映画『ブラック・スキャンダル』は、2016年1月30日(土)より、全国ロードショー!

■公式サイト:www.black-scandal.jp

■ハッシュタグ:#ブラックスキャンダル

https://youtu.be/jaHqN1eBs-M


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