日本でも大ヒットを記録した『オーシャンズ』のジャック・ペラン×ジャック・クルーゾ監督コンビが、新たなるネイチャードキュメンタリーの扉を開く映画『シーズンズ 2万年の地球旅行』。
これは地球の主人公、野生生物の目線でとらえた2万年の物語で、総製作費40億、構想4年、400人のスタッフが最新の撮影機材を駆使し、歴史学、動物行動学、人類学、哲学、民俗学、植物学ら多くのスペシャリストと共に時空を超えた感動的なストーリーを紡ぎだした作品だ。
その中で話題となっているのはオオカミだ。群れで行うオオカミの狩りは、計算尽くされた戦術のもとに行われ、そのすべてをリーダーが仕切っているという。そんなオオカミのもつリーダーシップは働く者にとって学ぶべきものが多くあるようにも思える。そこで、このオオカミのもつリーダーシップとはどのようなものなのか。オオカミ先生から学ぶ、リーダーシップを紐解いていきたい。
①自分の背中をみせる
オオカミの狩りはとても洗練されている。例えば、どの獲物をターゲットにするか決めたら、群れの間に入って、ターゲット1頭だけをはぐれさせる。群れの中で役割分担もちゃんと決まっており、風上に行ってわざと自分の匂いを出す者もいれば、その匂いに気づいて逃げてきた獲物を待ち伏せする者もいる。見事なチームワーク!リーダーが頼りないとチームは締まらない・・・。しかし、このような華麗なる戦術を披露、成功させることで「この人についていこう!」という気持ちにさせるはず。リーダーの背中をみて、部下は育っていくのだ。
②抜群のコミュニケーション能力
動物たちは喉の構造上、複雑な音声を出すことができないため、人間のような複雑な言葉は話せないが、それに代わって表情や姿勢、うなり声などを組みあわせて、様々な感情を相手に伝えている。群れで行動するオオカミは、いつもお互いがとても近い距離にいるので、気持ちを正確に伝えて、争いが無いようにし、誤解が生じれば謝るという。考え方の違いや誤解から生まれる些細な衝突はコミュニケーション不足であることも原因のひとつ・・・。頻繁にコミュニケーションをとり、自分に非がある際はすぐに謝る。この人間力ならぬオオカミ力により、信頼関係を築き、同じ目指すべき目標に向かい、手を取り合っていくことができるのだ。
③厳格なヒエラルキーをつくることでいい緊張感を生み出す
オオカミには日頃から順位があり、挨拶や獲物を食べる順番も厳格に決まっている。順位争いに負けた者は、たったひとりで群れを去って、新しい家族を作るために旅に出るの。下手な馴れ合いは中途半端な結果しか生まれない・・・。このような絶対的なヒエラルキーにより、チームに緊張感が生まれ、質の良い仕事を生み出すのだ。
④家族を大切にする元祖イクメン
オオカミは、オスメスペアとその血縁者を中心に4~8頭の群れをつくる。また狩りと育児は夫婦交代で行うといい、離乳が終わった頃、母親は一度肉を食べて軟らかくして吐き戻して与えるが、それは母親だけでなく父親も同様に行うといいう。まさに元祖イクメン。このように育児も率先して行い家族を大切にする姿はオトコの鏡。憧れることができる存在だからこそ、人もオオカミもついていくではないだろうか。
世界初の無音電動バギーの開発により、動物目線の臨場感ある映像で動物たちを捉えている本作。映画では動物目線でこのオオカミたちの勇姿を見られるとのことで、その強いリーダーシップを感じることができそうだ。
(C)2015 Galatée Films - Pathé Production - France 2 Cinéma - Pandora Film - Invest Image 3 - Rhône-Alpes Cinéma - Winds - Pierre et Vacances
2016年1月15日(金)、TOHOシネマズ 日劇他 全国拡大ロードショー
■参照リンク
『シーズンズ 2万年の地球旅行』公式サイト
http://gaga.ne.jp/seasons/
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