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1974年、当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センターの間をワイヤーロープ一本でつなぎ、高さ411メートルの道なき空間に足を踏み入れる命綱なしの空中闊歩に、名もなき男フィリップ・プティが挑んだ。誰もが不可能と思う夢を実現し歴史を変えた男の姿を、『フォレスト・ガンプ/一期一会』を手がけたロバート・ゼメキス監督が圧倒的3Dで描く『ザ・ウォーク』が1月23日(土)より日本公開となる。
この度、そんな本作の世界を疑似体験できるという機会を得た。どんなハイテクな場所でやるのだろうとドキドキした気持ちで案内されると、そこには一台のTVモニターと本作の主人公が劇中で渡る綱に見立てた綱が床に張りつけてあるという手作り感に溢れたもの。
ポツンと佇む一台のTVモニター。
しかし、「こんな場所で疑似体験ができるのかよ!」と疑いの気持ちが生まれたのも束の間、登場したのは「PlayStation(R)VR」という代物だ。この「PlayStation(R)VR」は、360度動いたままに映像がついてくることで、ゲームの仮想世界の中に入り込んだかのような、没入感を超えたまったく新しい体験をプレイステーションで体験できるというものだそう。装着した姿はまるで『マトリックス』や『トロン:レガシー』の主人公たちのようではないか!
これが、「PlayStation(R)VRだ!!
しかし、所詮バーチャルでしょ?という考えは捨てきれず、余裕シャクシャクといった気持ちでいざ装着、自分の頭に合わせて密着度を調整してもらう。そしていよいよ緊迫感溢れるサウンドが流れる...すると突如目の前に広がったのは、映画の中でみたワールド・トレード・センターの屋上!!上を見上げれば一面に空が広がり、鳥が羽ばたく姿、下を見下ろせばマンハッタンの街並みが広がり、車が走る様子やハドソン川も確認できるという、まさしく360℃超絶リアルな世界。急に自分がフィリップ・プティになったような気持ちになり、全身から汗が吹き出してくる...
思わず挙動不審に...
スタートの合図でいざその一歩を踏み出す。が、しかし恐い。なんだこの恐さは!足の裏に感じるモノホンの綱がよりリアルさを増しているようだ。また一歩踏み出すと、自分の動作に合わせて綱も揺れる!恐い。宣伝担当者から、「下を見ろ」との指示により恐る恐る下をみると、411メートルは想像以上に高いところだと実感(注:バーチャルでだけど)、お恥ずかしながら大の大人が思わず「ごえーーー!!」と奇声まであげてしまった。
思わずよろける!現実世界であれば即死。
なんとか勇気の限りを尽くして渡り切り、無事体験は終了した。
感想:カイジはこんな気持ちだったんだね!!
『ザ・ウォーク』を観たときに真っ先に思い出したのが、漫画『賭博黙示録カイジ』の鉄鋼渡りの回。主人公カイジが、借金をチャラにするため、高さ74メートルに設置した長い鉄鋼を渡るという内容だ。漫画の中ではあまりの恐怖に挑戦者が錯覚に襲われるなどして落ちていく描写に、「恐いな~」と感じていたものだが、今回自分が挑戦したのは411メートル。フィリップ・プティは現実世界でこれを成功させたというのだから正気の沙汰じゃなかっただろうし、本当に尊敬に値する挑戦だったことを改めて思い知らされた。
今回はすごい体験をさせてもらったが、映画でも411メートルのワールド・トレード・センターの間を、まるで自分が渡っているかのような感覚を覚えた。また、映像だけでなく、本作で描かれるプティの夢に対する熱き情熱は、自分の中の忘れた何かを思い出させてくれたし、仲間との絆に熱くなること必至だ。さすが、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を生み出した"映像の魔術師"ロバート・ゼメキス監督。この作品は絶対に映画館で、3D映像で鑑賞することをオススメする!
『ザ・ウォーク』は1月23日(土)より公開
■参照リンク
『ザ・ウォーク』公式サイト
www.thewalk-movie.jp
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