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3月18日より公開される映画『リリーのすべて』。『英国王のスピーチ』でアカデミー賞4部門を受賞し、『レ・ミゼラブル』で世界中の観客を涙させた巨匠トム・フーパーが監督を務め、車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士を演じた『博士と彼女のセオリー』で英米のアカデミー賞を制覇したエディ・レッドメインが主演を演じた話題作だ。
本作は、今から80年以上も前に、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人リリー・エルベの実話に基づく勇気と愛の物語。命の危険を冒してでも自分らしく生きることを望んだ主人公と、その一番の理解者であり続けた妻が織りなす魂の触れ合いのドラマを、心揺さぶる演技と演出で綴りあげた感動作である。
特に本作で話題を集めているのが、本年度アカデミー賞で主演男優賞のノミネートされているエディ・レッドメインだ。まだ34歳という若さながら、アカデミー賞を受賞したホーキング博士に続く難役に挑戦。あることがきっかけで自身の内側に潜む女性の存在を意識し、次第に心と身体が一致しない現実に苦しみ、葛藤を抱えていく・・・。華奢な外見だけでなく、些細な仕草や微笑みひとつとっても女性そのものになりきったエディ、彼の高い演技力がなければ映画として成立しないのでは、と思わせるほどの名演ぶりを見せている。
ハリウッドでは俳優・女優が異性を演じることも多く、また最近は本作のようなテーマを扱った作品も増えているが、性別を超えた役柄は高い演技力があってこそ成り立つもの。ここではそんな難役を見事に演じ、作品を支えた俳優・女優たちを紹介してみたい。
『ボーイズ・ドント・クライ』ヒラリー・スワンク
ネブラスカ州で殺害された実際に起こった事件をもとに映画化。身体的には女性ながら男性の心を持つ少年をヒラリー・スワンクが熱演している。髪型や姿勢、言葉使いにいたるまで、まるで男性と見紛ような強烈な演技が話題を呼び、ゴールデングローブ賞主演女優賞他アカデミー主演女優賞受賞など、数々の女優賞を席巻した。
『アバウト・レイ』エル・ファニング
若手女優エル・ファニングが心と体の性別違和に悩む主人公レイを熱演。愛らしい顔立ちが特徴のエル・ファニングが金髪のロングヘアを封印し赤毛の短髪ヘアに、声色まで男の子になりきる演技に高い評価が集まっている。(ちなみに本作は本国で公開無期延期に伴い、日本でも現段階での公開は未定)
『トランス・アメリカ』フェリシティ・ハフマン
性別違和に悩む父親と、まだ見ぬ実の父親との出会いを望む息子とのロードムービー。主演のフェリシティ・ハフマンは"女性になろうとする男性"という複雑な役どころを演じ、ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得、アカデミー主演女優賞にノミネートされた。
『アイム・ノット・ゼア』ケイト・ブランシェット
様々な顔も持つ伝説のアーティスト、ボブ・ディランを6人の豪華キャストで描いた本作で、ブランシェットは紅一点のディラン役に抜擢。声色を完全に変化させ、確かな演技力でディランを魂で演じ切り、その年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。
彼らの演じるキャラクターたちが人々の心を動かすのは、その演技力あっての事。『リリーのすべて』で女性リリーを演じたエディは彼女を演じるためにその内面を深る知る必要があったと語る。「リリー・エルベは勇気ある女性だ。僕は彼女の世界に入り込んで、彼女の内面を洞察した。トランスジェンダーの物語は、それぞれが固有で個人のものだ。ひとつの決まったトランスジェンダー経験がある訳ではない。ただ、僕が会ったトランスジェンダーの方たちは皆、若い頃に与えられた性別は自分のアイデンティティーとは違うと知っていたと話してくれた」
エディが魂を込めたリリーの物語。映画『リリーのすべて』は3月18日より公開
■参照リンク
『リリーのすべて』公式サイト
http://lili-movie.jp/
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RSSブログ情報:http://news.aol.jp/2016/02/16/lili/