全員主役級の超豪華キャストが集った映画『星ガ丘ワンダーランド』は、20年という歳月が深めた謎を紐解いていく極上のミステリーだ。20年前雪の中に姿を消した母が、今は閉園してしまった遊園地、星ガ丘ワンダーランドで自殺したということを聞いた温人(ハルト)が、離れ離れになっていた兄、そして義理の姉弟と出会うことで過去がつまびらかに。その温人役を好演した中村倫也に映画のこと、俳優という仕事のことなどについて聞いた。
――本作のどこに惹かれ、撮影に臨みましたか?
最初に監督の短編やCM作品などを拝見して、温かい映像を作る方だなって思いました。その後に脚本をいただいて、人間の矛盾や弱い点などを美化せずに描いてあって、一気に惹かれました。健気に母親を追い求めている、ささやかな青年の主人公にも好感を抱いて。僕はふたり兄弟の家庭で育って、少しだけですがシンパシーを感じる要素もありました。
――そして、完成した作品を観て、いかがでしたか?
ロケ地がすごくファンタジックだったので、ちょっと絵本のような画作りをされていたんです。だから完成した後に観ようと思って、撮影中はモニターを一切観なかったんですね。これが思っていた以上に、ファンタジック! 光の使い方とか空気の透明感とか、オープニングの雪景色など、一気に心奪われました。
――その美しい景色と対照的だった要素が、個性的な登場人物でしたね。
反面、出てくる登場人物が全員人間臭いんですよね。皆ダメな奴らばっかりで、そういうギャップも面白かったですね。残酷なまでのコントラストというか、映画的な表現としてとても面白いなと思いました。そして、ストーリーもジャンルや一言で説明しにくい。インタビューを受ける際、気をつけなくちゃいけないと思っていました。
――さて、最近さまざまな役柄に挑戦されていますが、俳優という仕事のモチベーションはどこにありますか???
わがままだと言われるかもしれないですが、いつもわくわくしていたんです。僕がやっていることで、わくわくする人がいても僕自身もわくわくする。だから、たまたま俳優という仕事が当てはまっていて、原動力としてはそこになりますね。面白い人と面白いモノを笑いながら作って、それが世に流れて行く時に達成感を感じるというか。
――それはデビューの頃からですか?
いえ。最初はそれこそ「モテたい! 売れたい!」という野心だけ。そういう若さゆえの頭でっかちなところはそうそうに鼻を折られ、やがて社会で生きて行く意味を学び、今に至っています。ただ、わくわくしたい、わくわくさせたい気持ちは今でも変わらない。20代の頃、自問自答している時期がありましたが、そういう時期がなければ、今の自分もなかった気がします。
――20代最後の歳になるんですよね。30代を迎えるにあたって何か意識しますか?
こうして主演として、作品を背負っている立場にもなりますからね。周囲が自分を観ている目も、変わっている気がします。自分が好き放題やってきたものと、また違うものを背負う機会が増えているような気がするので、大げさかもしれないですが、しっかりしなきゃなって思いますよね(笑)。
映画『星ガ丘ワンダーランド』は、大ヒット公開中!
■参照リンク
映画『星ガ丘ワンダーランド』公式サイト
hoshigaoka-movie.com
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