人間のせいでアフリカの離島に独りぼっちで生息していたチンパンジーが、久しぶりに出会った人間に抱きついたというニュース話題になっている。
'World's loneliest chimp' hugs conservation worker after spending years in isolation #news pic.twitter.com/aGWqZiExao
- freshnews (@freshnews247) 2016年2月18日
チンパンジーのポンソ(40歳)は、アフリカの離島で孤独に生息している。そこに<チンパンジー保護センター>の理事エステル・ラバランドさんが訪問したところ、久しぶりに人間を見たポンソは声をあげ、強く抱きついてきたそうだ。
30年前、<ニューヨーク血液センター>では、野生のチンパンジーが肝炎の研究実験のために飼育されていた。鎖で繋がれ、生検が行われ、麻酔を打たれたチンパンジーたち。そして動物実験が終わると、65匹のチンパンジーがアフリカの離島に置き去りにされたという。
ポンソも、その中の1匹だった。ポンソの群れには7歳から11歳までのチンパンジーが20匹いたが、9ヶ月以内に11匹が死亡。ペアの相手や2匹の子どもも次々と亡くなり、ついに2013年にポンソは離島で独りぼっちになってしまった。
食料に乏しい離島だったこともあり、<ニューヨーク血液センター>は時々食料を提供することで、実験後もチンパンジーのサポートを続けていた。しかし、膨大な費用がかかるという理由や、リベリア政府との間に動物への責任に関する問題などから、2015年5月にはサポート活動の打ち切りを発表してしまった。
ポンソを哀れに思った近隣の村に住むジャーメインさんは、これまでにも時々バナナやパンを与えてきた。過去に血液センターで受けた動物実験の関係もあり、おそらく二度と離島から出ることができないうえ、仲間と暮らすこともできないポンソにとって、彼は唯一の頼れる存在だったはずだ。
https://www.youtube.com/watch?v=zs4JYmXR3TA
現在<アメリカ動物愛護協会>は、アフリカの離島に残されたチンパンジーのために寄付金を集めている。また、ポンソをサポートするチャリティー団体<SOS Ponso>は、クラウドファンディングサービスを通じて目標額だった2万ユーロ(約249万円)以上の寄付金を集めることに成功。この寄付金を利用しながら、ポンソに食料や動物病院での治療などを提供していく予定だという。
【参照リンク】
http://www.odditycentral.com/
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