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【ディスクレビュー】UGX undergroundextra
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【ディスクレビュー】UGX undergroundextra

2017-07-14 17:09

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    UGX undergroundextra (GFL9905 500枚限定 2800円)



    6月17・18日の同名イベントにて先行発売されたコンピレーション・アルバムである。
    現在は参加バンドそれぞれのライヴ会場のみでの販売だが、近々CDショップなどでの販売も予定されているそうだ。全7組中dipのみがスタジオ・トラックの新曲で、他はすべてライヴ音源となっている。
    冒頭から鋭利なフィードバック・ギターが空間を切り裂く割礼の「リボンの騎士」。
    クラスティーな金属質感に覆い尽くされながらもダンサブルにビートを刻むBACTERIAの「HATE ALL」。
    トラッドな哀感からハードコアな激情へとドラマティックに感情が隆起するASYLUMの「Silent Moon / run rabbit run」。
    ノイズの帳からメロウな官能性がすうっと立ち昇り、ヘヴィ・ブーストへの急転を飲み込みながらビッグ・スケールの歌心が広がりわたるBorisの「雨-Heavy Rain-」。
    さびしい闇夜につぶやきながら暗がりに迷い込んだらいつの間にか薄日が差し込んで行き先がくっきりと見えてきた――そんな歌の血と雫の「パトス」。
    とてもスタジオ・トラックとは思えぬ荒々しさとスピードがヤマジの声をいつもよりサイケに響かせるdipの3年ぶりのニュー・トラックともなった「slan」。
    ラストは血と雫の森川、BACTERIAのカワグチ、BorisのTakeshiとAtsuoによるO.N.Iの「AMERIKA」。サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」の原型はYBO2によってカオティックに改変され、
    それをさらにO.N.Iはマキシマム・ヘヴィな長尺の一大地獄巡りとなさしめた。それにしても歌声は北村さんに似ている。
    あまりにも個性的なバンドたちだが、ほとんど曲間無しに繰り出される様は、80年代に置き去りにしてきたものが知らず知らずに成熟と変体を遂げ、絶滅危惧種なのか新種なのかもはや判別不能な王国を確立しているかのようだ、と言ったらやはり無責任だろうか。(石井孝浩)


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