低金利が長期化する中、注目を浴びているのがマンション投資です。マンション投資を専門とし、コンサルティング業務をおこなう不動産会社も多くなり、サラリーマンや定年後の人たちにとって、身近な投資となってきています。

マンション投資の中でも、1棟売りのマンションやアパート投資と比較して、ワンルームマンション投資は比較的リスクの少ない運用ができるといわれています。そこで、ワンルームマンション投資について、知っておきたいポイントを紹介していきましょう。

ワンルーム投資のメリット

ワンルーム投資の最大のメリットは、「少ない自己資金で投資が始められる」ということでしょう。金融機関のローンが活用でき、価格も1棟マンションやアパートなどの不動産投資に比べると、安価なものとなります。サラリーマンや定年退職後の資産活用には、ハードルの低い金額で投資をスタートすることができます。現在のマイナス金利政策により、ローンの金利が安いこともメリットといえるでしょう。

第2のメリットは、「投資物件の選定が容易」だということです。ワンルームマンションということで、ユーザーである賃借人は、一人暮らしの人がターゲットとなります。さらに、大学生・女子学生・独身OL・独身サラリーマン・単身赴任族などと細かく明確に設定し、ターゲット層に応じた立地や間取り・内装などを、予算に応じて戦略的に検討することが可能になります。ターゲット層に応じた物件選定は、継続的に安定した家賃収入を得ることを可能にし、物件の資産価値の減少を防ぐことにもつながります。

その他にも、相続税・所得税などの節税効果がある、経済変動の大きな波にあまり影響されない、などがメリットとして挙げられるでしょう。

デメリットやリスクもしっかり知っておく

ワンルーム投資の最大のリスクは「資産価値の減少」です。ローンを利用することが多いため、長期保有を前提としたワンルーム投資は、利回りのみに注目しがちですが、投資である以上は「出口」を意識しなければなりません。不動産の中でも土地の評価は比較的安定していますが、ワンルームマンションは区分所有の土地面積も小さく、売却時に資産価値が大きく下がることもないわけではありません。いくら期間利回りが高いものであっても、売却時に大きな売却損が出てしまえば、水の泡となってしまいます。新築のマンションは、入居率も家賃も相場より高いことが期待できますが、一方で販売された瞬間に資産価値は7割に減るとまでいわれています。急に現金化が必要な場合でも、すぐに売却ができるとは限らない、という流動性の低さもリスクとなります。

「空き室や家賃の低下」も、賃貸運営においては無視できないリスクです。新築マンションが周囲に多くできると、相対的に既存のマンションは空き室や家賃の低下が発生しやすくなるため、周囲の状況の把握が必要です。

リスクの低減方法について

ワンルームマンションへの投資も株式への投資と同様に、リスクの低減方法の代表は「投資対象の分散」と「定期チェック」です。

ターゲット層や立地の異なる投資対象を計画的に増やしていくことで、リスクを分散できます。同時に、投資対象の収支状況や資産評価を定期的にチェックし、必要に応じてリフォームや買い替えなどによる、資産の置き換えを実施していくことが、リスクの低減につながります。

ワンルームマンション運営のメリットとデメリットを、まずはしっかり理解すること。そして、プランニング・投資先選定・資金調達・賃貸運営・売却といったプロセスを、リスクとリターンのバランスを取りながら、計画的に実施していくこと。この2つがワンルームマンション投資の成功の秘訣といえるでしょう。