【動画に歴史あり】 39, 初音ミクで時計をつくってみた
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【動画に歴史あり】 39, 初音ミクで時計をつくってみた

2013-10-19 17:40

    初音ミクを使っての活動を電子工作に広げるテスト。
    前回がマイコン工作だったので、それの延長の様に見えますが、あんまり関係なく自分の得意な分野で模索をしようといった別の流れになります。

    夢見ていたのはシェアードキャラクター

    私は元々オープンソースの世界に憧れていてその界隈をウロウロしていた人間なのですが、それ故にあらゆる知識と情報をオープンソース的に共有し世界を広げることができないかということを真っ先に考えるクセがあります。
    まだゲーム業界の端っこに居たとき、ブームになり始めた Linux の世界でゲームというコンテンツ業務を乗っけるにはどうすれば良いのか、またコンテンツをオープンソース的に扱うことはできるのかといったことを割と本気で考えて居た頃があります。
    しかしま、考えるだけではなんも分からないので取りあえず動いて見てオープンソースの良いところ悪いところ、そしてコンテンツのオープン化について考えるため「Linux萌え萌え大作戦」というサイトを作って活動をしてみました。
    「Linux萌え萌え大作戦」を作成した本当のきっかけは、オープンソースをWEB経由で販売してお金になるのかといった調査であったのですが、お金の部分はあまり躍起になって追いかけずに「コンテンツをオープンソース化できるのか」といった課題の方に傾倒する結果となりました。

    オープンソースでゲームを作るとことはできるのかといった検討については「Linux と Game とその使用権」(http://www.limo.fumi2kick.com/forum/lm_forum01.html)でというコラム連載で書き起こしています。文章そのものは青臭くかつまとまっていないものなのですが、このとき私の中で得た考えは現在もほとんど変わっていません。
    特に「ゲームがオープンであること」(http://www.limo.fumi2kick.com/forum/column03.html)は現在でもそのまま通用しているのではないかと思います。
    ビデオゲームという映像・音楽・プログラムの複合体をオープンにして「開発をシェア」するメリットはあまりないのですが、ゲームを楽しむという定義をもっと大義として捉え二次創作をしたり友人にプレイを勧めたりという行為をもゲームとして含めるとそこは存分にオープンワークスになるわけです。
    「オープンソースなゲーム」でオープンなところはソースコードとかではなく、キャラクターであったり設定であったり、ゲームのプレイスタイルであるわけなのですよね。
    なので「オープンソースなゲーム」を作るために必要なのは「シェアドキャラクター」であり「シェアドワールド」そして「オープンコミュニティ」であると考えています。

    以来、この「シェアドキャラクター」や「シェアドワールド」を作る事はできないものかと考え続けています。

    初音ミクはシェアードキャラクターになれるのか

    2007年10月頃のニコニコ動画は十分に「シェアドプレイス」になっていましたし、その上で「オープンコミュニティ」も形成されていました。
    そこに登場した「初音ミク」というアプリケーション発祥のキャラクターはニコニコ動画という特殊な場所にはぐくまれ「バーチャルアイドル」として形成されつつあります。
    キャラクターとして確立し、アイドルとして確立することができた「初音ミク」はその次の段階「シェアードキャラクター」になれるのかという事が私の興味の的でした。このあたりのスタンスは過去のBlog記事「VOCALOIDファン、そして初音ミクファンが目指すべき高み」(http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/883)でちらりとこぼしていますね。

    「初音ミクのねぎ回しを実際に作ってみた」という時計を改造した動画が投稿されたわけですが、この動画ではBGMとしてロイツマをお借りしているものの音楽に全く関係無い工作動画だし、描いてみたというわけでもないわけです。けれども「初音ミク(はちゅね)」というキャラクターを広げるものであったし、動画の外でミクを表現しようというものでした。
    こうなると好奇心がぞわりとわき上がってきます。
    『初音ミクというキャラクターを扱う範囲としてどこまでがセーフでどこからかアウトなのか』
    明らかにアウトという用法は避けつつ、ギリギリセーフの範囲内で初音ミクのファン活動を広げるといったあたりを模索したくなるわけですね。

    初音ミクを使って歌唱させるのが目的ではなく、音声を他の創作のパーツとして利用する線はセーフかどうかといったところを探ることにしました。
    「初音ミクの歌唱を使った音声時計アプリ」となっているのはその利用方法がギリセーフあたりだろうということで選択しています。
    一応、音素として切り出しにくい形にするとか、音声を他の人が二次利用することができないようにソースコードは公開しないなどここまではOK、ここからはダメという予防線は考えつつ進行しています。

    音声時計アプリをつくるよー

    音声時計を作るといって、真っ先に作成したのが Windows アプリ版でした。
    Delphi を使ってざっくり作成しただけですが。
    ソフトウェアの開発は画にならないのでキャラクター画を描くところを動画にしています。

    しかし、Windowsアプリでは当たり前すぎて本当に面白くないなあと思いました。
    おそらくこのままでは面白い動画にならないので、もうひと味加えるために電子工作版を作成することにしたのです。
    V850 を使ってるのは「自作ハードでインベーダーゲームを作ってみた」の時に作った音声ドライバがあるので、それを使い回せばすぐに作れそうだったからです。実際ほとんど使い回しでできましたし、電子回路も電源とスイッチの引き回しくらいしかしていないので本当に1日作業で作り上げました。

    BGMは初音ミクオリジナルソングであるところは相変わらずのこだわりです。
    といっても普通に歌をのせる以外の形を模索したかったので、時計作成のために切り出した音声を使ってデジタルラップ風に切り貼りしています。
    BGMそのものはループを繋いだだけというのがタグで指摘されていますが、実際そうなんだからしょうがない。

    使い方として本当にセーフだったのか

    おかげさまで動画の方は好評でした。

    で、もうひとつのチャレンジとして Windows アプリ版を自分の Blog にて配布することにしました。
    「初音ミクはツールか、キャラクターか」(http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/878)
    最初の頃はつつがなく進行していたのですが、2007年10月18日に窓の杜で取り上げられてからは権利について厳格に考える方々が多く寄せられてちょっとした嵐が巻き起こります。このへんコメントが今でも残っているので振り返ることが可能でしょう。
    「初音ミクの利用方法としてセーフな領域の境界を探る」というのが目的でしたので、この展開は個人的に大成功な流れでした。ダメだろと思った人は何をもってそう思ったのか、そういった「皆の目から見た境界線」がなんとなくわかります。(やりとりしている間は苛ついたけれどもね)

    その後一時的にソフトウェアのダウンロードを中断していましたが、これは権利について厳格に考える方々の影響とかではありません。
    ピアプロの創立とともに「キャラクター利用のガイドライン」が定められました。初期のガイドラインではソフトウェアやゲームへの利用が禁止されていたのです。なのでそれに従ってソフトウェアの配布を停止した形となります。
    のちにピアプロの「キャラクター利用のガイドライン」が改訂されソフトウェアやゲームおよび立体物であっても個人趣味の範囲で無償配布である場合可であるとされたため、配布を再開しています。

    2007年の10月から12月にかけては本当に「初音ミク」というキャラクターが立ち上がる時期であり混沌とした状態でした。この間にみんながいろんな事を試していたと思います。
    そういった中で「初音ミクはシェアードキャラクターになり得るか」という命題については「否である、初音ミクというキャラクターは企業が持つ意匠であり自由かつ共有されるものではない」と自分の中で結論みたいなものがでました。
    なので私個人は2007年11月以降積極的に初音ミクをプッシュしなくなるのですが、それはまた別のお話。

    今振り返ってみて、初音ミクはシェアードキャラクター化したかというとしている気がします。
    ただそれは、「商品としての初音ミク」から分離したミーム的なものがエンドユーザーの中で勝手に育っていき「みんなの初音ミク」という別物になった上でシェアされている状態なんだろうなと思うのです。

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