• 2015年の東方動画9つ

    2016-01-10 02:20
    こんばんは、ふみ切です。2015年も素敵な東方動画が沢山ありましたね。
    というわけで、今年も東方動画Best⑨企画に参加させていただきたいと思います。(遅刻)

    例によって、言えるほど沢山の動画を視聴できているわけでもなく、

    また視聴できた作品を全て記憶できているわけでもないので、
    「Best」ではなく「ふみ切と縁のあった動画9つ」ということで
    受け取って頂けると有り難いです。

    番号は再生時間の順です。


    アリスは素麺をすすれない(にむさん)

    もぐもぐアリスがとてもキュート。
    ふみ切ももぐもぐ派なので共感してしまいます。ラストのなによ、もやっぱりかわいい。

    ②【第15回MMD杯本選】さとりん工場【東方MMD】(いろべシノンさん)

    さとり様お一人くださいな。この無機質感不条理感たまりません。
    それにしてもMMDさとり様がシュール系動画にこうも似合うのは何故なんでしょう。

    ③【東方手書き】姫と姫と姫(中村刹牙さん)

    シンプルにストレートに可愛さを引き立てる画面と音楽がとても素敵。
    わかさぎ姫の二枚目の静止画が特に好きです。お姫様です。

    ④【東方PV】 everywhere We look 【完成版】【第7回東方ニコ童祭Ex】(PERRY STREETさん)

    現実と幻想の境目がわからなくなるこの眩暈が、驚くほど心地よいのです。
    ああ、あるんだなあ、いるんだなあ、っていう気持ち。

    ⑤【東方MMD】ちいさな大妖精と(LVがたりないけど物理で殴るさん)

    小さな生き物のサイズから見る世界のダイナミックさ。わくわくが止まりません。
    大ちゃんのモデルがこれまた世界観にベストマッチで可愛いのです。こいシープさとリープもいい味出してます。

    ⑥【手描東方】易者の見た夢(天地ハルさん)

    あしらわれ感最高ですね……実を言うと易者さん大好きでして……
    易者合同(易者オンリー)楽しみにしております。

    ⑦【第7回東方ニコ童祭】 東方×みんなのリズム天国で10thリミックス(へき(癖)さん)

    とにかく盛りだくさん!赤蛮奇のネジ締めとスカーレット時計が特に好きです。
    特に感動要素ないのですが、最後は何故か感動してしまいました。オールスター好きです。

    ⑧【東方MMD】柿食えば(ニクムニさん)

    「変わるもの」と「変わらないもの」が共存している、優しくて暖かで、たしかな世界。
    ニクムニさんの響子さんの犬っ子感めちゃ好きです

    ⑨幻想郷ファイティングチャンピオンシップ(K16さん)

    一年の最後を飾るに相応しい名作中の名作。
    動きに表情に解説に、そして展開に。全てに引きこまれ目が離せませんでした。お見事。


    以上です。例によって縁の在る方・シリーズ物等は省かせていただきました。
    2015年は例年にもまして、幻想郷の息吹を感じられる作品と出会えたなあ、と思います。
    作者さん方には本当に感謝しきりです。ありがとうございます。

    2016年も素敵な動画と出会えますように。 ふみ切
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  • 蓮メリ小話

    2015-09-13 18:505

     メリーと通話をしているとついつい時間を忘れてしまう。というよりも、「時間を守ることが大事である」ということを忘れてしまうのだ。もうとっくに明日の授業に影響する時間であるということは理解しているのだけれど、価値観がすっかり麻痺してしまっている。まあそれもいいか、みたいな。きっとメリーもそうなんだろう――と。
    『そういえば、蓮子は明日一限あるんじゃないの?』
     思いきや、メリーはきっちり自分の時間割を把握していた。友人と同じだけ遊んだのに、自分だけ夏休みの宿題を済ませていなかったような気持ちになる。まあ良いや、ここまで来たらメリーの二限に影響が出るレベルまで夜更かししてやれ、などと詮ないことを考えたりする。しないけど。
    「平気よ。メリーとの時間の方が大事だから」
    『なんか格好いい感じに言ってるけど、学年変わると一緒に過ごせる時間減るからね』
    「気をつけます」
     流石に単位を落とすような怠け方はしていない。そもそも私は講義が嫌いではないのだ。科目にかかわらず、面白い教授の喋ることは何であれ面白いし、面白くない教授に「どうつついたら面白いことを話してくれるか」と考えながら質問をするのも面白い。学問とモラトリアムは両立しうるのだ。
    「で、どこまで話したかな」
    『オカルティズムとスピリチュアリズムの差異について』
    「そうそう」
     メリーとの会話で一番楽しいのは、嘘を本当らしく、本当を嘘らしく語ること。私達の間では、真実味とは真実であり、かつ真実とは欺瞞である。その辺りの波長が、私とメリーは奇跡的に合致している。そこに合理的な思想、建設的な思想は何一つない。あらゆる学問は結局のところ、こうした他愛ない会話の為に在るのではないかと思う。
    「メリーは運命論を信じる?」
    『信じないかなあ』
    「じゃ、運命は信じる?」
     それは信じる、とメリーは言う。そこも私と同じだ。メリーと喋っていると、簡単な問題集の答え合わせをしているような気分になる。私の出す答えは、彼女の出す答えとほぼ一致する。私がミスをしなければ――或いは、出題にミスがなければ。
     私は長いこと、私という存在に囚われていた。そういう自覚がある。誰を見ても、自分と比較して考えてしまう癖。どんな場所に居ても、「その場所」ではなく「その場所にいる自分」だけがクローズアップして認識されてしまい、自画像から離れることが出来なかった。時間と場所を把握する能力を得てから、一層その傾向は強まったように思う。小中高とそんな風に過ごし、いつしかそれが当たり前なのだと諦め、悲観することすら忘れていた。大学に入って、漸く私は、私という存在を緩和してくれる鏡を見つけた。それが彼女、マエリベリー・ハーンだ。
    『それじゃ、私からも一つ質問』
    「何?」
    『蓮子にとって、運命は、自分で掴むもの?それとも、向こうから来るもの?』
    「ふむ」
     メリーはメリーで、自分の存在が希薄であることを常々感じていたという。他者との関わりの中で、自分という存在を定義できない。自分らしき影を捉えた気がしても、掴んだのはいつも虚空であった。結界を覗く能力が発達していくにつれ益々自我は薄れてゆき、望んでいない形に自己が変容していくことが、たまらなく不安だった――と、メリーは語った。自分を繋ぎ止める相手が欲しかった。そして、大学に入って、漸くその柱を見つけた。それが私、宇佐見蓮子だ。
    「そうだね。私は、自分で掴む方」
    『そっか。私は、向こうから来る方』
    「だと思った」
     私とメリーの回答がずれる時、漸く私は思い出す。私と彼女が、別の生命であったことを。催眠が解けるような感覚は、しかし決して不愉快でない。その事実は得てして、喜ばしい形で思い出されるからだ。
    『意見の相違ね。部活動に支障を来すかしら?』
    「ううん。問題ないよ。私がメリーの手を、強引に掴めばいいだけだから」
    『ふふっ』
     鼓膜をくすぐる笑い声に、まるでメリーの手がここに在るような、今まさに触れているような、そんな心地がした。ここに彼女は居ないのに、そのことが却って、彼女の手の形を鮮明に思い出させてくれるようだった。ひょっとして、メリーもそんな風に感じてくれてやしないだろうか。そうだったら嬉しい。
    『素敵な答えも聞けたし、そろそろ切るわね』
    「あっさりしてるね」
    『べったりして欲しい?』
    「寂しい、くらい聞きたいな」
    『平気よ。夢で逢えるから』
     それじゃあね、と言って通話は切れた。その素敵な返答は、しかし私が夢の世界へと旅立つ時間を、少しばかり遅らせそうだった。何しろ私は胸が高鳴って、簡単には寝付けそうになかったから。果たして貴女は知っているだろうか。私がもう数えきれないほどの回数、貴女と夢で出会っていることを。……夢の中のメリーは、色んな顔をしている。幼い日のメリー、社会人になったメリー、お婆ちゃんになったメリー、生まれたばかりのメリー……今日出会う貴女は、どの貴女だろう。
     全ての生き物が見る夢は、実は根底部分で繋がっている――とは、何の台詞だったか。場所を超え、時間すらも超えて、全ての貴女と本当に夢で繋がることが出来るなら……。それは突拍子もない理屈でありながら、どこか真実味のある幻想だった。そしてそれ故に、私にとってはまごうことなき真実なのである。


    ・・・・・・


    作品数が100本となりましたので、小話は今日で一区切りになります。
    ご愛顧頂きありがとうございました。
  • レミパチェ小話

    2015-09-12 18:502

     パチェと共にお茶を飲むのは、大分久々な気がする。ちょっかいを出したり、弾幕ごっこをしたりというのはしばしばあったけれど。パチェはお茶を一杯飲むのが驚くほど遅く、話題を十分に用意出来ていないと、すぐに間が持たなくなってしまうのだ。小悪魔の淹れるお茶は少し香りが強く、味は薄めだった。読書をしながら飲むのには、きっと向いているのだろう。会話をしながら飲むのには、少しばかり煩いかもしれないと感じた。
    「今回は割と保った方ね」
    「褒めて」
    「えらいえらい」
     パチェは笑いもせず言う。普段なら乗ってもくれないだろうから、一応分かってはくれているのだ。私が今、辛い時期だということは。
    「毎度のことながら、疎くて申し訳ないのだけれどね」
    「いいんだよ」
    「アリスや魔理沙の方が、私よりずっと詳しいと思うわよ?」
     私は苦笑して手を振る。詳しく分析されたりしたら、それこそ私は耐えられない。解決策が聞きたいのではない。ただ、この時期が過ぎるまで、暇つぶしをさせて欲しいだけなのだ。
    「そう。それなら、何も言わないわ」
     単刀直入に言って。レミリア・スカーレットは、十六夜咲夜に恋をしている。自覚するのに、今更躊躇ったりしない。好きで好きで、どれだけ触れても全然足りない。舌を沿わせ、血液を吸って、或いは身体を味わって。物理的に一つになろうとも、たぶん全然満ち足りない。欲望には果てがないのに、その勢いで近づけば、距離は早々に0になってしまう。その事実に耐えられない。そういう時期が、長く生きていると何度か在る。10年の内でも、片手で数えるほどだけれど。
    「恋ってなんだろうね?パチェ」
    「答えが解っているのに、質問ばかりすること、かしらね」
    「良い答えだなぁ」
     まさに、パチェの回答の通りだ。私は答えがほしいのではない。質問によって作られる猶予期間に、意図的に逃げ込んでいるのだ。この手の質問は何度もしているのだけれど、毎度新しい答えを編み出してくれるパチェには大いに敬意を抱くばかりである(確か以前は、『先に立つ後悔』とかいう答えだった気がする)。ひょっとしたら、パチェもこういうことを普段から考えているのかもしれない。疎い、などと言いながら。
    「レミィは、過程しか選択できないものね」
     好きな相手のことは何でも知りたくなるもの。私は運命に干渉できるわけだから、咲夜の運命のことは一通り知っている。なんて美しい運命の中に生きる少女だろうと思った。生い立ちから死までを、彼女は迷いなく、あくまでしなやかに歩みきる運命である。何よりも美しいと感じたのは、彼女が喫した幾つもの敗北が、最終的に全て彼女を祝福する形に収まることだ。失意も屈辱も、全てが伏線として用意されていたかのように。運命を一つでも弄ったら、この奇跡的なバランスはたやすく壊れてしまいそうだった。私は今の咲夜にだけ恋をしたのではない。彼女の運命全体に恋をしたのだ。
    「それで、十分満足なはずだったんだけれどね――」
     喉が渇いて、カップに口をつける。慣れない味のせいだろうか、どんなに飲んでも乾きが収まる気配はなかった。
     私と恋人になれ、と命令したら、咲夜はその通りに動くだろう。わざわざ能力を使って運命を弄らなくても、命じれば済むこと。彼女は器用だから、きっと上手に恋人役を演じてくれるだろう。そんな悲しいことがあるだろうか。心から愛する相手に、台本に書かれた愛を囁いて貰うなんて。……仮に咲夜が私と同じ気持ちで居てくれたとしても、やっぱり、告げた段階でその思いには一定のバイアスがかかってしまう。咲夜の想いを純粋な形で育てるならば、こちらからは何一つ伝えず、彼女の時が満ちるのを待つしかない。焦ってはいけない。……その前に、彼女の時が終わってしまうのだとしても。
    「そうね、私も」
     パチェはカップを弄びながら言う。もう熱くはないはずの紅茶に、ふう、と息を吹きかけながら。
    「内容が同じでも、装丁が変更されてしまったら……それはもう、同じ本とは思えないわ」
     一瞬、何のことかと思った。運命に干渉する気になれない、という私の心情を、パチェなりに表してくれたらしい。本を扱う感覚は、私にはよく解らないけれど。自分の中で納得できる点を探して、落とし込んでくれたのだな、と思うと、やはり理解者は有り難いものだと感じた。
    「ねぇレミィ。咲夜の話を聞かせてよ」
    「散々話したからなあ。もうパチェの知ってることしか残ってないよ」
    「構やしないわ。好きな本は、何度だって読みたいの」
     私も、少しは貴女達の運命に参加させて――とパチェは言う。そんな風に言われたら、話さない訳にはいかない。十六夜咲夜のどこに惹かれたのか、という話から、いつごろ疼きを感じ始めたのか、というような話まで。最早私の口が、その一連の話に慣れてしまったような気さえする。無為に時間を過ごすことにはパチェは抵抗がないらしいから、私の話もそんな風に聞いてもらえると良いのだけれど。……例によって例のごとく、咲夜の首筋がどんなに魅力的な形をしていたか、というところから話を始めるとしよう。私の乾きを潤してくれない、永久に齧ることのできない果実の話を。