アイドルマスターシンデレラガールズ 23話感想「Glass Slippers.」
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アイドルマスターシンデレラガールズ 23話感想「Glass Slippers.」

2016-03-23 03:21
    見返しててぼろ泣きした。
    ああ、こういうお話だったんだなぁ、と。新たな魅力を感じられる見返し視聴、皆さんもBD等で是非体験して頂きたい。
    では、23話感想開始です。

    とは言え、このお話はあまり語ることがありません(笑)。今までの詰まったお話しとは違ってシンプルで時間を贅沢につかった回だからです。
    ラストの三人の会話、そこが今回の全て。そこに至る過程を自然に感じられるよう、丁寧に、濃密に描いています。
    今回はいつもにまして表情、仕草や会話の流れ、違和感、空気感で語っている所が多く、流し見していると多くのものを見逃してしまう回になっています。

    難易度が高いお話だと思うので自分も読み取れているかは自身が無いのですが、とにかく自分的に違和感があったのは「卯月がニュージェネを拒む」という所。
    前回、前々回のお話でも卯月はニュージェネで仕事が出来ないことに不安の表情を浮かべることはあっても拒む素振りはありませんでした。それは今回序盤でもそうで、徐々に拒むようになってしまっていました。
    それは養成所でのレッスンによるものなのでしょう。今回鏡が印象的に使われるシーンが多く、直接卯月の(本当の)表情を描いているというのは最後のシーンだけで後は表情を隠していたり、鏡越しに映すという表現が多かったと思います。(レッスンシーンの表情の移り変わりが特に印象的) 鏡を使った表現は「自分を見つめ直す」という意味であるかと。原点に戻り自分を見つめるという行為は第二シーズンでプロジェクトメンバーや係わったアイドル達が輝きを取り戻したり、さらに飛躍するために取っていた行動。それがあったからこそ卯月の退行とも取れる動きにプロデユーサーはGOサインを出したのでしょうが、それが今回は違う結果を生んでしまいました。卯月は自分を見つめ直すことによってより周りとの差を感じてしまったのですよね。それが自信の無さを生み、完全に同期のアイドルである「ニュージェネレーションズ」の中でも自分が輝く未来を思い描けないでいる。

    これは島村卯月というキャラクターのそもそもの設定が「普通の女の子」である点によることも大きなポイントでしょう。ポジション的には本家765の天海春香、ミリオンの春日未来という所謂アイマスセンターのキャラ付け、「普通の女の子が輝いてアイドルになる」という宿命を背負って生まれたのでしょうがないとは言えますが、「アイドルマスターシンデレラガールズ」という個性の塊のような集団(笑)の中ではその普通さが一際目立つのですよね。これをしっかり描いてくれた今回は「アイドルマスター」というものの中での「シンデレラガールズのセンターポジション」という意味を描いた回だったんじゃないかな、と思うのです。
    なのでそう簡単に解決はしないのですよね(笑)。そもそも卯月の原点は本当にこのレッスンスタジオなのか?という問題もありますし。

    周りの輝きに捕らわれて動けなくなってしまった卯月を(自身の)闇から引っ張り出したのはやはりずっと一緒に行動してきた「ニュージェネレーションズ」未央と凛。
    思えば陣中見舞のプロデューサーの差し入れは常に四つだったんですよね、いつ三人(+自分)がそろっても良いように。

    切り込んだのは凛。クールなフェイスに隠れているのですが凛は実は直情な所があると思っています。気になることがあるとレッスンに集中できないし、言いたいことは相手が誰であろうと言っちゃうし(7話とか)、素敵なことにすぐ目を奪われちゃう(笑)。後先考えないで行動している若さが見える凛ですが、そんな凛だからこそ素直な言葉が届けられる。
    嘘や建前、そんな余分なものには一切目もくれず純粋な想いだけで飛び掛かって来るその姿勢は今の卯月に思いっきり刺さったことでしょう。福原さんの演技もド直球、微塵の手加減もありませんでした(笑)。

    未央はそんな凛や卯月をしっかりフォロー、しっかりと行く末を見て行動しています。凛が直情的に動いているので(笑)その見守る者としての立ち位置が凄く頼もしく見えます。(これは前回、そして次回でも発揮されています) この「見守る」ポジションは美波であったり杏であったりきらり、そしてプロデユーサーが取っていたポジションなのですよね、未央もしっかりとリーダーしています

    この一連の流れは画の力、演技の力、音楽背景全てが真に迫っていて本当に素晴らしい。凛が切り込んで崩れていく卯月の「嘘」が目に見えるかのようで見ていて辛い。裸になった卯月の本当の気持ちが等身大の少女の姿で描かれています。不安や葛藤、そしてそんな中でも「何とかしたい」ともがいている姿が健気で、そして輝けなくて一人ぼっちだと思ってしまっている背中が何とも言えない気持ちにさせられます。
    大橋さんの演技も神懸っていますね、完全に卯月の声で今までの卯月には見られないような声を出してくれています。「笑顔なんて、笑うなんて誰でも出来るもん」「何にもない、私には何にも・・・」の台詞は今まで溜まっていたもの、気付いていたのに気付かないふりをしてきたもの、我慢してきたものが一気に噴き出したようで素晴らしい演技でした。凛に促される形ではありましたがここで卯月は自分に嘘を付かず、本当の意味で自分に向き合ったのではないかと思います。

    未央の包み込む優しさも尊い、お互いにぶつかって互いに心を痛めている凛と卯月を未央が形にしてくれた、「もう一度友達になろう」という言葉は仲間に入れていないと思ってしまっている卯月を「認める」という行動だったのではないでしょうか、今までのアイドルとして、とかニュージェネレーションズとかそういうものとは関係なしに。ここは原さんの素直な声がとても良いですよね。


    この「もう一度友達になろう」は物語の上でも重要な台詞だと思います。それはリセット、リスタートの意味を含んでいるから。今回の物語上の最大のテーマは「卯月を一人の女の子に戻す」という事だったかと思います。スタート地点に戻り、仲間達から離れ、ニュージェネレーションズからも切り離す。考えて見るとアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」での「アイドル島村卯月」は序盤から「ニュージェネレーションズの島村卯月」でした。これを切り離す、卯月として、一人のアイドルとして、島村卯月というキャラクターとして、本当の意味で独り立ちをした瞬間ではないでしょうか。自分だけの輝き、それを探し始めた瞬間からこの時間は始まっていたのかもしれません。そう考えて過去のお話を見返した時、その繋がりが色々と見えてくるような気がします。改めて最初っから本気で緻密に作られている物語なのだなぁと思わされます。

    そして卯月を「一人の普通の女の子」として描いたのはとてもアイマス的だな、とも思いました。「アイドルマスター」が、天海春香がずっと背負ってきたその瞬間にも卯月が向き合うのだなぁ、と。 それを描くための今回(と次回)、かなり厳しい物語になっているのはこの作品が「アイドルマスター」であり「シンデレラガールズ」でもあろうとした欲張りの結果なのかもしれません。スタッフがアイマスを好きすぎるが故に手を抜けなかった、とういのも多分にあるような気もしますが(笑)。

    今回はテーマ的に「アニメアイドルマスター」の23話、24話を彷彿とさせ、演出は劇場版の後半パートを思い起こさせるものとなっていました。(これは製作者の癖のようなものもあるのでしょうが(笑)) どちらも「アイドルマスター」というものの中心を描いたようなお話でしたので次回、24話では卯月もその課題に挑まなくてはなりません。その準備会としての今回、というか今回も一連の流れの中から生まれたお話であるので、お話の全てを使って次回に連なって行きます。数々のエピソードから答えは既に明示してあるように思うのですが、後は卯月がそこにどう向き合うのか。そして「シンデレラガールズ」としてどう描かれるのかが次回のポイントだと思います。その辺りも心して感想を書ければ、と思っております。


    かなりのスローペースになってしまっていますが、お付き合い有難うございます。なんとか最後まで描き切りたいと思いますので次回も宜しければお願いしますね。

    では、また次回記事にてお会いしましょう。
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    ↑のコンプリートアニメファンブックはカテゴリがDVDですがディスクは入っておらず書籍三点のセット、とのこと。DVD扱いなのは流通の関係なのでしょう、本業の方のお株を奪うような仕上がりらしいので楽しみですよね(笑)。お値段以上の価値があると良いなぁ….
    それまでに本記事の完走を目指したいのですが・・・。
    今回いつもに増して遅れたのは体調を崩したからなので少しは戻るかと思うのですが。


    さて、今回このスペースで語ることはほぼありません。強いて言うならばゲーム内「フライデーナイトフィーバーキャンペーン」内のサイドストーリー「NO MAKE」にて今回の裏側の補足があるので是非そちらも見て欲しいな、と思うくらいですね。
    それにしてもこの「NO MAKE」は全編通して良い補足であったりキャラや物語の掘り下げに貢献していたりするので何かの形でしっかりと残して欲しいものです。アニメファンブックとかサウンドトラックに特典として付かないかしらん?

    後は物語とは全く関係ないですが画面が全体的に暗かったので細かい光の表現が良かったな、と。夕日や黄昏時の光とかは勿論、PCの放つ光だったり窓から見える高層ビルの赤く点滅する光だったりがくっきりと映えるよなぁ、と。
    PCと言えばデスクトップの壁紙が何気に綺麗(笑)。封筒の装飾とか書き文字だったり小道具一つ一つにも丁寧な仕事が感じられます。「神は細部に宿る」と言いますが間違いなくこの丁寧な仕事がこの美しい世界と物語を支えているのだと思います。

    それでは今回はこの辺りで。 お付き合い有難うございました。

                                           了
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