七年を戦い、五年の復興を経てなお、手にした勝利と癒えぬ傷跡が共存する『帝国』。

 魔族侵略の標的とされつつも、複数国家の連携結託が間に合った数少ない連合体である『帝国』は、だが急造ゆえに名を持つこともできぬまま、属した国々の思惑と解体、責任転嫁と再統合を経て、その枠組みだけが今も辛うじて残されていた。

 名を冠するには、あまりにも継ぎはぎで、あまりにも脆く、あまりにも曖昧なまま、しかしここにしか拠り所を持たぬ人々はそれを『帝国』と呼び、今日を生き明日を求めている。私も、そんな一人だ。

 戦時下、各国混成兵士大隊が駆け抜けていった城下町は、今やそれ以上の民衆や荷車が行き交っている。舗装し直された石畳には屋台や店が所狭しと並び、当時を知らぬ子どもの笑い声も増えた。守り切れなかったものも多いが、少なくとも終わらずには済んだ場所だ。偽りの休暇とはいえ、活気に満ちる町を眺めながら歩くのも悪