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150円の贅沢! 昭和の『いちご新聞』をオトナ目線で再読したらサンリオ人気の理由が見えた件
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150円の贅沢! 昭和の『いちご新聞』をオトナ目線で再読したらサンリオ人気の理由が見えた件

2016-03-21 15:30
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    部屋を片付けていたら押入れからたくさんの『いちご新聞』が出てきた。昭和50年代~昭和60年代中心のものだ。1980年代の人気投票第一位は? 創刊号ではどんなキャラクターが表紙を飾ったのか? これは今見たらお宝では? と広げてみた。
    再読してみると幼い頃にはわからなかった『いちご新聞』の魅力が見えてきた。今回は『いちご新聞』から昔のファンシーを懐かしみつつ当時のサンリオブームを支えていた精神を読み解いていきたいと思う。
    イベント大事

    まず目立ったのが季節に応じた行事の特集だ。春ならばお花見、二月ならバレンタインといった具合に少女心をくすぐる楽しげなイベントにあわせてキャラクターを紙面で惜しみなく活躍させている。特にわかりやすい例として『ハロウィーン』をあげてみよう。こちらのタキシードサムやハローキティをごらん頂きたい。最初のページからハロウィンについて解説をしており、いかにも楽しげな仮装をしている。
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    まだ1980年代だ。ハロウィーンといってもピンとこない人たちの方が多かった。これ以上ないほどにわかりやすくドラキュラの仮装やかぼちゃのジャックオランタン、トリックオアトリートの仕掛けを用いてる。実際に筆者はこの紙面で『ハロウィーン』を覚えたといっても過言ではないだろう。こうしたイベント性を押し出すのが『いちご新聞』の定番であり、自然それにあわせたグッズを仕掛けてくる。ではただ売りつけてくるだけか? といえばそうではないのだ。

    アイデア Do It

    赤丸がついている部分を参照されたい。アイデアいっぱい、アイデア Do It、などと記されている。何がアイデア Do Itなのか? アイデア Do Itとは何なのか? 
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    紙面を注視してみよう。
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    ふでばこ・下じき・ハンカチ・けしゴム…
    あなたがなに気なくつかっている小物たちも、
    ちょっとしたアイデアでキラリと光ってきちゃう。

    何だって? そんなことがあるはずはない。たかがふでばこ、たかが下じきにそんな力が?
    しかし驚くなかれ、確かにどんな小物もアイデアでキラリと光っちゃうさまが掲載されている。
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    これはつまりDo It Yourself、すなわちDIYの精神そのものだ。
    いちご新聞にはこのように手芸工作や簡単な料理など「手作り」のページが満載だ。
    何もキャラクター商品を売りつけるだけではなく、自分で手を加えることで楽しくなるという開拓精神を『いちごメイト』即ち読者に与えている。
    果てには「キャラクターてづくりマスコット大会」なるものまで開催されている。おそらくこのマスコット大会、常勝必勝の猛者がいて他のいちごメイトを制圧するなどの熾烈なバトルが水面下で繰り広げられていたに相違ない。心憎い戦略ではないか。こんなことをされたら誰だって作ったキャラクターに愛着がわいてしまうというものだ。
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    キャラクター多様性

    『いちご新聞』では読者参加型の精神が培われることは先述の通りだ。その参加型の最たるものが今で言う「総選挙」であるところのキャラクター人気投票である。しかし当時と現在ではかなり人気キャラクターに違いがあるようだ。
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    87年の読者投票開催にあたり昨年のチャンピオンが紹介されている。
    どうやら86年にはザシキブタが一位を獲得していたようだ。
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    87年にはマロンクリームが一位を獲得している。
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    現在では見られなくなってしまったキャラクターもいるが新しいキャラクターが登場すると『いちご新聞』には大きく紹介される。定番のマイメロディよりもハローキティよりも人気のキャラクターがいたのだ。現在でもそういった変動は珍しくないようだが、それにしてもこのツートップがぶっちぎりという雰囲気ではなかったようだ。
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    そして読者参加型ここに極まれりという一例を発見してしまった。
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    なんと、キャラクターのネーミングライツを読者に無償提供しているではないか! なんという大胆な戦略。もしも自分が応募した名前がキャラクターの名に選ばれれば一生忘れられない思い出になるであろう。

    見える化

    当時サンリオの社長は『いちごの王様』というキャラとして紙面に登場しており、また『サンリオいちごのお家』というイチゴを模した直営店が世田谷に存在していた。紙面でも社内を紹介している記事が見出された。
    これがサンリオ本社の入り口か。どうやらさまざまな仕掛けがあるようだが…
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    こんなユニコは見たことがない。
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    企画部の人まで引っ張り出されている。
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    また当時の事業内容もつまびらかにされており、新店舗の情報や『サンリオピューロランド』の仮称であろう『コミュニケーションワールド』なるアミューズメントパークの登場がほのめかされている。
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    これを見る限り昭和の『いちご新聞』はただの売り物カタログではない。季節にあわせて時にはアクティブに働きかけてくるキャラクターたちと『いちごメイト』の交流の場であったことが伺えてきた。深い。深いぞ、『いちご新聞』! 
    また機会があれば平成の『いちご新聞』との比較研究もしてみたいものである。

    気になる初号の表紙は?

    古い巻を広げてみると『いちご新聞』バックナンバーも扱っていた。なんと初号はスヌーピーが表紙を飾っていたようだ。このPR号など、今持っている人がいたら値打ちものであろう。
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    ちなみに筆者が好きだったのは『ザ・ブラウニーズストーリー』と青山みるく先生のキャラクターだった。昨年、あるイベントで先生とお会いできた様を記事にしているので『みるく・びすけっと・たいむ』ファンは併せてご参照いただければ幸いだ。

    いちごメイト感涙! 個展『クリスマスのお茶会展』で青山みるく先生にお会いしてきました
    http://getnews.jp/archives/1315395 [リンク]

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