2016年3月31日、大貫晋也(おおぬきしんや)選手が、株式会社サイバーエージェントの連結子会社である株式会社CyberZのスポンサードを受け、プロゲーマー・オオヌキとして活動していくことが発表された。
“ヌキ”の愛称で親しまれ、数多くのゲームでトッププレイヤーとして活躍してきたオオヌキ選手。格闘ゲームで初めてプロゲーマーとなったウメハラ選手のライバル的存在と知られており、格闘ゲームの才能は、ウメハラ選手より上とまで言われていたレジェンドプレイヤー。海外でも高い知名度を誇っている。長らく格闘ゲームの最前線から離れていたものの『ストリートファイターV』の発売と同時に復活し、オンラインランキングの上位に名を連ねている。
プレイだけでなくトークも人気で、生放送ではゲームを扱った内容以外でも多くのファンを獲得している。4月より株式会社CyberZの運営するゲーム動画配信プラットフォーム『OPENREC.tv』で、オオヌキ選手による配信が行われていくとのこと。(動画配信URL:https://www.openrec.tv/live/nuki777)
今回は発表会見場所にもなったOPENRECにお邪魔し、オオヌキ選手にインタビューを実施した。
プロゲーマーオオヌキ誕生
--今まで個人で放送されていた内容と比べて、何か変化はあるのでしょうか?
オオヌキ選手(以下、オオヌキ):変わらないです。ゲームしながら教えてもらったりアドバイスしたり、今までどおりですね。雑談配信もそのまま続けていく予定です。ガジェット通信さんの人狼放送とか、格ゲー配信者の『こくじん』と一緒にやってる『こくヌキ王国リターンズ』とか他のプラットフォームの番組も続けさせてもらいます。色々な人に知ってもらえるチャンスだと思うので。
--プロゲーマーになる前と後で、心構えや練習方法に変化はありそうですか?
オオヌキ:今まではプロと対戦しに行くことが一切なかったんですけど、これからはオフ対戦も積極的にしていきたいと考えてます。日本勢のレベルアップに貢献して盛り上げていきたいですね。
--カプコンカッププロツアー予選のプレミア大会が既に現在2回開催されましたが、オオヌキさんはどんな印象を受けましたか?
オオヌキ:ときど選手、インフィルトレーション選手、ハイタニ選手の実力の抜け方が凄ったという印象です。プレミア大会を勝つには、日本人の2人には良い勝負出来るようにならないと話にならないので、2人にガンガン挑んでレベルアップを計りたいです。
現状インフィルを倒さないと予選通過出来ないと思うので、インフィルが使用してるナッシュ戦は特に練習します。18年前に『ストリートファイターZERO3』で対ウメハラ用にV豪鬼戦に特化して練習していたみたいに、今はナッシュ戦に特化してやる必要があるなと、今回のプレミア大会を見て思いました。
--これからの目標は?
オオヌキ:まずは予選通過だけど最後の目標はカプコンカップ優勝です。
--強豪プレイヤーに勝って予選を通過する自信はありますか?
オオヌキ:次の大会で勝てるって言ったら難しいと思うけど、最終的には絶対勝てると思う……って言いたい(笑)。
--海外に一人で行ったことありますか?
オオヌキ:ないので、昨日かずのこに一緒に行こうって言いに行きました(笑)。
--他のプレイヤーの動画やリプレイを観て研究したりする予定はありますか?
オオヌキ:もちろんしますけど、まずはその人のパターンを突くというより、相手が何をしてきても完封できるように自分を高めて臨みたいです。
――:『ストリートファイターV』のゲーム性は自分に合ってると思いますか?
オオヌキ:合ってると思います。ゲーム性も好みなので、文句なしです。帰宅した時に、凄く疲れていてもトレーニングモードしたくなっちゃうことは今までなかったですから。
『ストV』始めるにあたって、最初からフレームを調べてトレーニングモードをして、初めてこういうスタイルでゲームやってるから、今回自分がどこまでやれるのか、自分自身楽しみです。
--オオヌキさんが好きなゲームを楽しくプレイしてきた事を知っているファンは、天才が努力をしたらどうなってしまうのか? という期待と、好きでやってきたものが仕事になると嫌になってしまうのではないか? という不安もあると思うのですが、ご本人としてはそういった不安はありますか?
オオヌキ:『ストV』に関して言えば、プロ契約のお話をいただく前からもの凄くやり込もうと決めていたので、楽しい気持ちのままサポートしてもらえて大会とかにワクワクした気持ちで出られるので、本当に最高です。
--これから海外に行くことが増えると思いますが、インフィルトレーション選手以外で対戦したい海外のプレイヤーはいますか?
オオヌキ:ジャスティン、リッキー、アレックス、ジョンチョイ。この4人が自分の中での海外のライバルだから、また対戦したい。中でもリッキーは同じ春麗を使ってるのでいっぱい話したい。英語しゃべれないんだけど(笑)。
--『OPENREC.tv』で放送する企画などは考えていますか?
オオヌキ:オフ会みたいなものもやってみたいし、今ちょっと考えているのがサード勢とか鉄拳勢とかに分けて3on3の大会やったら面白そうだなって考えています。せっかく色々なゲームをやっていた人達が集まって一つのゲームやってるので、是非やってみたいです。
--その際は是非ガジェット通信のスタジオでお願いします(笑)。かつてライバルと呼ばれていたウメハラ選手とプロゲーマー同士という立場で対戦することになるかと思いますが、現在はどんなお気持ちですか?
オオヌキ:お互いがやり込んだゲームで対戦するのは15年振りぐらいになると思うのでメチャクチャ楽しみですね。ウメハラ待ってろよ!
ウメハラ選手より激励のコメント
オオヌキ選手がプロゲーマーになるということで、格闘ゲームプレイヤーとして最初にプロとなったプロゲーマーの先輩、ウメハラ選手にコメントも頂戴している。
ウメハラ選手:色々なゲームで対戦して競ってきた相手が、今の環境だとどうなるのか興味があります。昔とはやっぱりメンツもレベルも違うから、その中でも活躍出来るのか楽しみ、頑張ってほしいですね。
オオヌキ選手 『Twitter』
https://twitter.com/nuki2 [リンク]
ウメハラ選手 『Twitter』
https://twitter.com/daigothebeast [リンク]
カプコンカップとは
一年間かけて予選を行い、ランキング大会での獲得ポイント上位者と、プレミア大会と呼ばれる大型予選の優勝者のみが参加できる大規模なトーナメント大会。賞金総額は50万ドル以上となっており、予選であるプレミア大会の優勝賞金が100万円以上、年末に行われる決勝大会では1300万円以上となる。今年は『ストリートファイターV』を使用して行われ、様々なプレイヤーが集結しており新作タイトル特有の混沌とした状況も相まって、予選大会から大きな盛り上がりをみせている。
今回の発表で、カプコン格闘ゲームの一時代を築いたウメヌキが遂に揃い踏みとなったことで、今まで以上の盛り上がりをみせ、急速に発展していくeスポーツ、格闘ゲームから今後も目が離せない。