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モノ・マガジンのデジカメ報告No.6

本稿は1982年創刊モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス刊)好評デジカメ連載『写真家:織本知之のデジカメナウ』を気まぐれに、順不同に、電脳スペース上に移植したものである。または、カメラ片手に世の森羅万象を記録せんと闊歩する電磁カメ戦士たちにおくるラブレターでもある。

写真家:織本知之のデジカメナウ『ペンタックスK-S2』

「本当にいいデジカメってどれなんだ?」にご名算。写真家:織本知之が注目デジカメの“NOW度”を徹底診断します!

ペンタ、三月会わざれば括目してみるべし。ペンタックスK-S2

「男子三日会わざれば括目して見よ。」とは良く言われる慣用句であります。つまり三日会わないうちにがらりと変わるということをさすのでしょうな。

いやいや、人間そんなにコロコロかわらんでしょ。三日も過ぎて変化するといえば二日酔いが治り、次の二日酔いへの準備が整うっつうくらいで基本的にはなにも変わらんと思いますよ男子は。と、思っていた時期がぼくにもありました。

いまからほんの少しまえ、暮れの寒さが襟足から染み込み、どんよりとした空からやがて雪がふりそそぎそうな去年の12月。町は賑やかなクリスマスをテーマにしたBGMとイルミネーションに包まれ、わが手に握られたデジタル一眼も街に呼応するかのようにグリップが瞬き、LEDが爛々と輝いていたのであります。なんと言いますかそれはまことに非常にアレな感じでございました。

前機種K-S1はグリップをはじめいろんなところに埋め込まれたLEDがきらびやかに光りまたたき、まことに艶やかな意匠であったと、そういう意味でのアレでありますが、今回のアレは括目しました皆さん! 

本来、高いレベルでまとまっていた画質や高感度撮影での優秀さ、長年カメラメーカーとして培ったレンズ性能の素晴らしさ、そのいいとこすべてをまとめてバランスにすぐれ、ヘンなところを光らせずに性能を格段に向上させた次機種の登場であります!

そう、一度は寄り道しなければ気が済まないデジカメ一眼界の腕白大将が放った約2012万画素の暴れん坊、ペンタックスK-S2がこちらでございます!
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ペンタ初のバリアングル背面液晶だ!

p178-179_usiro-500x412.jpg視野率100%ガラスペンタファインダーだ!

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軍艦部はカーボン調カバーで武装。シャッターボタン周囲がキラリだ!

今回は視野率100%のガラスプリズム光学ファインダーを搭載しつつ、フリーアングル液晶モニターを新搭載。これはペンタックス初の快挙であり、さらに防塵防滴構造を備えました。そのぶん先代機種K-S1よりもだいぶスパルタンな大きさ重さになり質量はおよそ618g。じつに堂々とした中堅カメラでございます。

ただし、遊び心をなによりも重んじるペンタックスらしくカラーはブラック、ホワイト、そしてブラックを基調として底部にオレンジ色をあしらったポップなブラック×オレンジ。さらに7色のオーダーカラーを承っております。
18-50mm-camera-500x403.jpgオーダーカラー「ネイチャーコレクション」フォレストグリーン26-500x375.jpgオーダーカラー「ネイチャーコレクション」デザートベージュ27-500x375.jpgオーダーカラー「ネイチャーコレクション」ストーングレー

遊び心をくすぐるカラーのほかにもグリップ部分やシャッターボタン、背面のファンクションボタン等をひかえめに光らせたりしてK-S1の名残を感じさせますが、ほぼ別物に仕上がっていると報告して差し支えございません。
そしてレンズにおきましても悲願のコンパクト化に成功しました。
新キットレンズ、smc PENTAX-DA 18-50㎜ F4-5.6DC WR REは収納時の厚さはわずかに41㎜!

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薄いです。およそAPSサイズの記録素子を持つ一眼レフのズームレンズとは思えない薄さに仕上がりました。比較できる厚みのレンズは同社のパンケーキレンズシリーズくらいなもんでありましょう。しかも沈胴式でありながら防滴性能を備えております。そしてDCモーターを使用して驚きの静音フォーカス。これまでのペンタックスの勇猛果敢なフォーカス音に慣れ親しみ、そこに頼もしさを感じていた旧来のファンには少々物足りない感じもいたしましょうが、オートフォーカスの素早さにすぐに物足ります。

このレンズ、35ミリ判換算で27・5㎜から76・5㎜相当の画角で機動力と描写能力を発揮いたしますが撮影時にはちょっとびっくりするぐらい伸びます、でもだいじょうぶ。防滴性能になんの影響もございません。
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(各部シーリング箇所)

防塵防滴ボディと合わせ、タフな撮影行にご活用ください。と、ここまで新標準ズームの素晴らしさを礼賛しましたが、やはりリコーイメージング、ペンタックスブランドの良心はLimitedレンズシリーズにあると思うのですよ個人的に。

その中でもガラスと良心がことさら凝縮されているのがHD PENTAX-DA15㎜F4ED AL Limitedではないかと考えておる次第なのです。
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このレンズは実に素晴らしい性能と機能を惜しみなく注ぎ込まれておりまして、かいつまんでご説明いたしますと、アルミ削り出しボディの高級感、反射率を従来の半分以下に抑えた新世代のHD コーティング。スライド収納できる花形フードを備え最短撮影距離はわずか18㎝、35ミリ換算23ミリ相当の超ワイドレンズではトップレベルの歪曲収差補正……どうですか、文字列だけで欲しくなるでしょう? 

さあさあ試しにお手に取りましてよーくごらんなさいませ。……毎度あり。

また、あれも撮るコレも撮りたい! もっと撮れもっともっと撮る! とすべてを欲するブルーハーツなひとにはホンモノの夢をひとつ。
smc PENTAX-DA 18-270㎜ F3.5-6.3ED SDMです。

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このレンズは1本で広角27・5㎜から超望遠領域の414㎜までをカバーできる約15倍ズームレンズでございます。

便利このうえありません。描写性能としてもEDガラス、非球面レンズを使用しており、画面中心部はもとより、画像の隅々までしっかりと描写する優秀な性能で超音波駆動のオートフォーカスと相成って「あ、このレンズ1本でだいたい撮れちゃうわ~」ってなるから最後に紹介したんすよ。

ズーム収納時の全長はおよそ90ミリ、質量は約453gと、じつに取り回しのよいサイズと言えます。このレンズを手に、撮れる撮れると走ってゆけ! 撮れる撮れるよどこまでも! と、栄光に向かって走りだしてもいいでしょう。

このようにタフなボディと優秀なレンズ、2012万画素センサー、11点測距ポイントのオートフォーカス、1/6000秒の高速シャッター、約5・5コマ/秒の連続撮影、補正効果3・5段分のボディ内手ぶれ補正にイメージセンサーへの埃の付着を防止するダストリームバル、リコーの画像処理技術の粋を集めた「明瞭強調」は細部まで質感を豊かに表現し、最高ISO51200の撮影感度は撮るシーンを選びません。

ちゃんと撮りたいカメラマンにも、楽しんで写真を撮りたい愛好家にも、ペンタックスのまごころ一眼K-S2をぜひどうぞ!

製品詳細情報

ペンタックス/K-S2
有効画素数:約2012万画素/背面モニター:約92.1万ドット3.0型/連続撮影:最高約5.5コマ毎秒/カスタムイメージ:11種類/本体サイズ:(約)幅122.5×高さ91×厚み72.5㎜

スマホアプリ「Image Sync」画面

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ブラック×オレンジ

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ブラック

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ホワイト

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18-270mm_toriming-500x333.jpgsmc PENTAX-DA 18-270㎜F3.5-6.3ED SDM

多くの場面でやはり便利な高倍率ズーム。1本で広角27.5㎜から超望遠領域の414㎜までをカバーする約15倍のズーム比がファインダーの向こう側のあらゆるシーンを切り撮ってくれるであろう安心感があります。そして多少距離があろうとも2012万画素センサーの大画素画像は少々のトリミングでは画質はびくともしません。写真は一回りほどカメラ内でトリミングした野生のニホンザルの採餌行動。フィールドで活躍するレンズであります。

15mm_rinkaku2-500x333.jpgHD PENTAX-DA 15㎜F4ED AL Limited

レンズボディとメタルフードのアルミ削り出しの高品位な感触とトップレベルで押さえられた歪曲収差。実に楽しく頼もしい超ワイドレンズであります。換算23ミリのワイド感と最短撮影距離18㎝のもつパースで広がりのある写真をぜひモノにしてください。新たに開発された画像処理技術「明瞭強調」はディテールを豊富に描写しつつ、画面全体にメリハリをつけることができました。

18-50mmA-HDR2-500x750.jpgsmc PENTAX-DA 18-50㎜ F4-5.6DC WR RE/価格オープン

防滴性能を与えられたペンタックス初の沈胴式ズーム。ワイド27.5㎜から76.5㎜相当の画角は標準的なズームレンズとして充分なレンジをカバーし、静かで素早いフォーカスが常用レンズとしてストレスを感じさせない。また、K-S2に新たに搭載されたA-HDR機能を活用して、より印象的な風景写真を撮影できました。

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K-S2 with 15mm

写真と文/織本知之

日本写真家協会会員。第16回アニマ賞受賞。1972年千葉富津生まれ。
facebook:https://www.facebook.com/tomoyuki.orimoto[リンク]
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新生活のはじまりやら、いろいろ波乱の季節がやってきました。先輩夫婦の奥さまの許可待ちのバイクをガレージであずかることになったのですが、手元にバイクがあるのがおよそ20年ぶりの42歳の春だから、ちょっとだけ。ねえちょっとだけ。(モノ・マガジン2015年4月16日号より)

モノ・マガジン詳細情報

モノ・マガジン2016年1月2日16日合併号
http://www.monoshop.co.jp/products/detail.php?product_id=4940[リンク]
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