ichiban-1_R.jpg

最近、微妙に町田市(東京都)のラーメンを攻めている筆者ですが、個人的に凄い気になる店に行ってみました。

『白河手打中華そば 一番いちばん』(以下、一番いちばん)

大事な事なので2回言う勢いの店名ですが、中身は至って真面目なラーメンの店で御座います。あの『とら食堂』のスープや麺作りを学んだ『一番いちばん』の自家製麺は、ラーメンフリークなら必食の一杯かと存じます。

町田駅から歩いてチョイチョイの距離にある『一番いちばん』

ichiban-11_R.jpg

『一番いちばん』の場所は町田駅からはちょっと離れていて、町田税務署の入り口にあります。

そして!

店は目の前にあるにはあるのですが、看板すらない勢いなので、最初から『一番いちばん』に行くぞと言う強い意志と、スマホでナビるテクノロジーが必須です。

また、タクシーに乗るほどでは無いけれども、歩くとチョイチョイと言う微妙な距離があるので注意が必要かと存じます。

湯河原生まれあるある「ラーメン=味の大西=ワンタン麺」

kokumi_R.jpg

湯河原生まれの筆者にとってラーメンとは「味の大西のワンタン麺」(1930年頃に創業)であり、むしろ

「ワンタンが入ってないラーメンとかなんなの?」

ってスタンスで御座います。上記の写真は『味の大西』のDNAを継ぐ『国味ラーメン』のワンタン麺ですが、大きなワンタンと『室伏製麺』の麺、ぶっ濃い目の醤油味が特徴の地ラーメンです。

ぶっちゃけ、さして湯河原に未練のない筆者ですが、海と魚と温泉と猪とワンタン麺だけは恋しくなります。

なので『一番いちばん』に筆者が訪れた目的のひとつが”雲吞”(ワンタン)であります。

と、言う事で普通に『雲吞麺』をオーダーするのも、ひとつの正解ですが何気に『特中華そば』的な何かがお得に感じたので、今回は『特中華そば』(950円)にしてみました。

『特中華そば』を食べてみた

ichiban-1_R.jpg

『一番いちばん』のラーメンは”白河系”と言う事ですので、福島県の白河市周辺で提供されている”地ラーメン”の素朴な醤油ラーメンのビジュアルに、『特中華そば』ならでは具がプラスされた豪華な感じです。

丼の直径はさして無いのですが、深さがあるのでボリュームは普通でしょうか? このビジュアルなら950円も納得かと思われます。

そして!

その白河ラーメン発祥の店として知られる『とら食堂』の血統を受け継ぐのが、この町田市にある『一番いちばん』で、町田周辺に住まうラーメンマニアの間でも気になる店のひとつに挙げられています。

スープは鶏と豚だけの出汁との事ですが、非常にサッパリした澄んだスープが特徴です。

ichiban-5_R.jpg

むしろ、ラーメンと言うよりは”そば”とか”うどん”みたいな和風味に仕上がっていますね。

しかし、その香りと醤油の風味はしっかりしていて、スープが薄いと言う感じではありません。

ichiban-3_R.jpg

いや、このスープは非常に洗練されている気がしますね。

ラーメンと言うとコッテリしたイメージですが、この『一番いちばん』のスープなら重いラーメンが苦手な人も好きになるかもです。

『とら食堂』直伝の麺が美味しい『一番いちばん』

ichiban-8_R.jpg

麺は中細麺、やや平打ちでウェーブがかかっているので、この繊細なスープにマッチしています。見た目よりも意外とプリプリした食感で筆者の好みです。

この麺が白河ラーメンの特徴ですが、間違いなく『一番いちばん』の自家製麺は完成度が高いと思います。

雲吞の美味しさが際立つ『一番いちばん』

ichiban-7_R.jpg

”小田原系ラーメン”を食べて育った筆者的には、個人的に超気になる”ワンタン”も期待通りの美味しさでした。

折り畳むように包まれた独特な形ですが、ワンタンの皮のツルっとした食感と、しっかりした具の美味しさのバランスが良いですね。

この美味しさならば『雲吞麺』と言う選択肢も正解かと思われます。

塩味がしっかりしているチャーシューの美味しさよ…

ichiban-4_R.jpg

チャーシューは2種類入っていて、豚肉のチャーシューと鶏肉のチャーシューとなっています。

最近はサッパリ系、もとい淡麗系のラーメンに”鶏チャーシュー”を合わせる店が多いのですが、筆者的には鶏だけだと寂しいので”豚&鶏”もしくは”豚オンリー”がベストです。

チャーシューは独特で、もしかしたら軽く塩漬けしてから煮込まれているのかもしれません。

ichiban-9_R.jpg

ちなみに豚チャーシューは最後に炭火で炙って香ばしさも加えているらしいです。

同じく鶏肉のチャーシューも、あらかじめ塩で漬けた”鶏ハム的な何か”みたいな、柔らかくしっとりした食感です。

ichiban-6_R.jpg

若干、薫製と言うか煙を当てているようでスープがクリアな分だけ、ちょっと薫煙のカドが気になります。

まあ、薫製の場合は煙を当てた直後は、どうしてもこんな感じになるので仕方ありませんが、人によっては賛否が分かれる所ですね。

もっとも、薫煙のカドは一日くらいで消えるので、そこら辺は仕込みと提供されるタイミングとかで違ってくるかもしれません。

『特中華そば』 総評

ichiban-10_R.jpg

最近は”淡麗系”と呼ばれる繊細なスープのラーメンも人気があり、個人的にも”長岡系ラーメン”や”白河系ラーメン”には注目しています。

ラーメンブームも熟成期を迎え、ある意味競争の激しい業界ではありますが、このように地方の”地ラーメン”が東京周辺に進出して頑張っているのを見ると応援したくなりますね。

正直、上京して頑張る姿に感動したと言うよりは

「近場で美味しい地ラーメンが食べたい」

と言う身勝手な思いも少なからずありますが、同じような考え方の人が一定数存在する事で、今の”地ラーメン”が一過性のブームではなく、ひとつのラーメン文化として定着しつつあるのは良い傾向だと考えます。

美味しいラーメンが美味しいと認められ、ちゃんとしたラーメンを作れば仕事として成り立つと言うのは、新しい世代にとっても励みになる事は間違いありません。

と、言う訳で筆者的にイチオシの『一番いちばん』の白河ラーメンを、是非みなさんも食べてみて下さい。白河ラーメンの美味しさにきっと満足出来ると思いますよ。

『白河手打中華そば 一番いちばん』

東京都町田市中町1-28-24 大成ビル1F

営業時間 12:00~14:30 18:00~20:00
定休日:水曜日

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: YELLOW) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

RSS情報:http://getnews.jp/archives/1325104