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憧れのドイツをイマジンしながらソーセージを作ってみた
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憧れのドイツをイマジンしながらソーセージを作ってみた

2016-01-02 15:30
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    男として生まれたならば、誰もが憧れる大きなソーセージ……。というわけで、今回は”ソーセージ作り”にチャレンジしてみました。

    ソーセージを作るとなると本格的な道具が必要になると思われがちですが、とりあえず最低限の道具は意外と少なかったりします。

    例えばソーセージの肉を詰める”ソーセージフィラー”は、生クリームを絞るようなモノ(2000円前後)で代用出来ますし、あとは肉を練る為のボールとヘラがあれば、どうにかこうにかなります。

    憧れのソーセージフィラーを手に入れたぞ!

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    と、言いながらも自分への誕生日プレゼントとして、ポチっと通販でソーセージフィラーを購入で御座います。

    「冒頭で簡単な道具で作れると言ったな」

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    「アレは嘘だ」

    昔は本当に業務用のスペシャルなソーセージフィラーしか売っていなかったので、8万円と高額でした。

    しかし!

    今は簡易的な業務用と言うか”メイド・イン・チャイナ”なソーセージフィラーが二万円以下で売っているので、何度かソーセージを作るつもりなら買うのも正解かと存じます。

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    若干、中国製なので本体からタンク(肉を入れる容器)が物理的に引っかかって外れないとか、少々クオリティには疑問が残りますが、そこは外国製なので

    「叩いて外し、叩いて入れる」

    くらいの勢いで扱う商品と割り切りましょう。一応はステンレスで作られているものの、溶接や細部の仕上げは日本製とは比べものになりませんが、ギアなど大事な部分は最低限の強度は確保してそうだし、パッキンもシリコン製なので耐久力は、まあまあだと思われます。

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    あと、言うまでもありませんが一番最初に使用する時は、とにかく洗いまくりましょう。

    使う豚挽肉は妥協しちゃ駄目!絶対!

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    そして美味しいソーセージの肝は”美味しい挽き肉”が重要です。ここだけはケチらないで良い挽肉を使った方が確実です。

    また食の安全と言う意味でも、売れ残りの肉を挽いてしまうような店は避けた方が無難ですね。

    と、言う訳で筆者は相模原市民なので『高座豚』をチョイスしました。

    ちょっとお高いブランド豚ですが、その肉質と品質の信頼度からして他に選択肢はありません。また、予約すれば”背脂”も挽いてくれるのも有り難いです。

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    安いスーパーで買う挽肉は初めからコスト削減の為に脂が沢山入っていますが、高級な豚挽肉様となると意外と脂が少ないので、ソーセージを作るなら別に脂も用意した方がジューシーなソーセージになります。

    挽き肉 900グラム
    背脂  100グラム
    羊腸  4メートル(太さ20ミリ)
    塩   適量
    黒胡椒 適量
    バジル 適量
    ニンニクパウダー 適量
    水   50cc

    材料の割合は、そこそこ適当で大丈夫です(あくまで筆者の個人的な意見です)。

    しいて言うなら”水”は肉&脂の15~20%くらい入れても大丈夫です。また、脂の量も肉に対して20%くらいまで増やした方が、よりジューシーに仕上がります。

    今回はあくまで「高座豚の美味しさを引き出す」と言うコンセプトがあるので、なるべく脂と水を控えて、味付けも”砂糖”を省いて少な目にし、替わりに好きな”バジル”を入れてみました。塩や黒胡椒をキメる時は「使う挽肉の量」をイメージして

    「この挽肉を全部食べるなら、こんくらいの塩が必要かな?」

    みたいな研ぎ澄まされたセンスが必要なので、自信が無い人はちゃんとネットでレシピを調べて計量しましょう。

    肝はタネ(挽肉)を終始冷やし続ける事!

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    ぶっちゃけ、ソーセージ作りと言うと敷居が高い気がしますが、とにかくソーセージ作りの肝は

    「終始、肉(タネ)を冷やす!」

    の一言に尽きます。逆に、そこら辺さえしっかりキメれば”ソーセージ作りは失敗しない”とも言えます。

    まず挽き肉を練る為のボールを冷やす為に、さらに大きなボールや鍋に氷と水を入れて、冷やしながら肉を練ります。

    挽き肉は徹底的に練りまくります。この時にフードプロセッサーなどを使用するのも正解ですが、フードプロセッサーを使うと肉の温度が上がりやすいので注意しましょう。

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    最初に調味料と背脂を挽き肉に入れて、ひたすら混ぜます。

    この時に手で混ぜたくなりますが、なるべくならヘラで根気良く混ぜましょう。手で混ぜると体温で挽肉がユルくなりやすいので注意が必要です。

    また、どんだけ手を洗っても100%の殺菌は出来ないので衛生的とは言えません。最悪、どうしても挽肉の”感触”をエンジョイしたい場合は、使い捨てのポリ手袋などを使用して下さい。

    挽き肉に粘りが出て来たら、今度は”氷水”を少しづつ入れて、さらに混ぜ続けます。

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    ”エマルジョン”と呼ばれる乳化したような状態になる”完全に水と挽き肉が混ざった状態”を目指します。

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    この時の練りが足りないと、ソーセージと言うよりはハンバーグのような状態になってしまうので、ここだけは手を抜かずに頑張りましょう。

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    練り終わったタネは、ラップをして冷蔵庫のチルドルームに入れて冷やしておきましょう。

    ケーシング(ソーセージの皮)をノズルにセットするべし

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    次にスタッファーのノズルに”ケーシング”と呼ばれる、ソーセージの皮の部分をセットします。

    ひとくちにケーシングと言っても、コラーゲンをベースに作った物や、羊や豚の腸を使った天然のケーシングがあります。今回、筆者が使用したのは羊の腸で太さは”20ミリ”で長さは約4メートルでした。

    あくまでも天然の素材なので、太さや長さにバラつきはありますが、上記の太さ長さの羊腸で、約1キロ前後のタネを仕込む事が出来ます。

    また、腸は基本的に”塩漬け”なので、使用する前に水に漬けて”塩抜き”をする必要があります。なので、順番的には挽き肉を練り始める頃には、羊腸を水に漬けておいた方が良いでしょう。

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    なんか”謎の生物”みたいな感じですが、こんな感じで縛ってまとめられた状態で塩漬けされています。

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    水の中でほどいた羊腸をノズルに通していきます。一番最後の部分を結べば準備完了です。

    いよいよクライマックス!ケーシングにタネを詰めるべし!!

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    準備が整ったら、いよいよ羊腸にタネ(挽き肉)を詰めます。

    筆者が買ったソーセージフィラーは3リットルの製品なので、タネが1キロ弱だとこんな感じです(容器が結露してる部分にタネが入ってます)

    スタッファーにタネを詰めてハンドルを回します。

    最初は空気と一緒にタネが出て来るので、空気が入ってしまったらケーシングに”爪楊枝”で小さな穴を開けて空気を抜きます。

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    なんかソーセージと言うよりはエイリアンが生まれそうなビジュアルですね…

    右手でハンドルを回しながら左手でソーセージを優しく保持しつつ、頭の中でドイツ、可能であればフランクフルト辺りをイメージしながら、いい感じのペースでニュルニュルとタネを出し続けます。

    この時に、あまりタネを詰め過ぎると茹でたり焼いたりした時に、ケーシングが破れてしまうので、微妙な調整をしながら詰めていきます。この両手を使った作業と言うか微妙な感覚的な何かが、いかにも

    「ソーセージマイスター」(ソーセージ職人でも可)

    の気分を味わえるのが楽しい所ですね。筆者はこの気分を味わう為にソーセージスタッファーを買ったようなものです。

    もっとも、実際には羊腸にタネを詰める行程よりも、挽き肉を練る行程の方が熟練の技が必要なんですけどね。

    と、言う訳でドイツをイマジンしながら腸詰めした状態は、こんな感じです。

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    言うまでもなく専用の道具(ソーセージスタッファー)を使った方が作業しやすく、空気が入る事もほとんどありません。マイスターを目指すなら是非とも手に入れたいですね。

    詰めたらネジる!ソーセージらしくなって参りました

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    次はソーセージを捻って、食べやすい大きさにする行程です。ちなみに筆者は捻る時にパンパンに詰めてしまった部分が破裂しました…

    まあ、失敗した部分も食べれるので、味見がてら焼いて食べれば問題なしです。

    そして!

    パンパンに詰めてしまったソーセージを捻る時は捻りたい部分を、あらかじめ指でウニウニっとタネを絞って寄せてやると、細くなるので捻った時に破けにくくなる事を発見しました。

    まあ、最初からピチピチに詰めなければ良いだけの話なんですけどね。

    成功よりも失敗から学ぶ事は多いので、今回の失敗は次回に生かしたいと思います。

    ソーセージを下茹ですべし!

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    成形が終わったら最後は加熱して殺菌し、保存性を良くします。

    勿論、その日に食べる分は加熱しなくても大丈夫なので、冷蔵庫で冷やしておけば大丈夫です。

    一度に食べきれない分は薫製にするか茹でておきます。

    薫製にするとスモークの香りがイイ感じなのですが、それなりの設備と手間がかかるので、普通の家庭ならば鍋で茹でましょう。

    この時に、あまりガッツリ茹でてしまうと、あとで温め直した時に食感が落ちるので、基本的に

    「55~60度で茹でる」

    とソーセージの美味しさを保ったまま、ある程度の殺菌が出来ます。時間はソーセージの太さにもよりますが、20ミリの太さの羊腸ならば6分くらいで良いでしょう。

    そんなのメンドクセーと言う人は、大きな鍋に張った湯が沸騰したらソーセージをドボンと入れて、火を止めればOKです。

    あとは使った道具を洗っているうちに、ソーセージの中心部も60度前後くらいには、なっていると思われます。

    完成したソーセージは冷蔵庫で三日間くらいは保存出来ます。

    まあ、ココら辺は挽き肉の鮮度と、調理する行程の衛生管理、塩分などの総合で決まるので、最終的には

    「賞味期限は自己責任」

    となりますが、筆者的には3日は冷蔵、その後はチルドルームで一週間って感じです。

    理想としては真空パック的な感じで冷蔵庫で保存したいのですが、なければ『ジップロック』などにソーセージを入れて、空気をストローで吸い出すと言う決死の技もありますが、筆者は面倒なので一週間過ぎたら冷凍してしまいます。

    手作りソーセージを作ってみた感想

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    「自分でソーセージを作ったら安く作れるんじゃないのか?」

    みたいな希望もあったのですが、何気に自作しても市販のソーセージより安く作れない事が発覚しました……。

    まあ、安い市販のソーセージには謎の材料というか、下手すりゃ”大豆の絞りかす”とか本来のソーセージでは有り得ない”トンデモ食材”が入っているので、コスト的には勝ち目はありません。

    植物性タンパク質を使い、豚の風味を出す為の大量の脂を投入、さらに水増しの為に”塩せき”を必要以上にブチ込むようなソーセージとは戦う土俵が違います。

    なので、自作するメリットとしては安心安全な”無添加ソーセージ”が自由度高く作れる事ではないでしょうか?

    まあ、”塩せき”を使用しない時点で”ボツリヌス菌”がライバルとなるので、逆になんでもかんでも

    「無添加=安全」

    と言うのも、如何なモノかと存じますが、やはり得体の知れない物質が入っているよりは安心出来ます。

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    ぶっちゃけ、ソーセージを自宅で作る正当性を主張するのは間違いでして、単純に

    「ソーセージ作りが面白いからやっている」

    くらいの趣味のひとつとしてソーセージを作るってくらいのスタンスが正解でしょう。まさに”自己満足”の為のソーセージ作りを追求していく大人の道楽なのです。

    無添加、しかも生のソーセージは美味しいので、いくらでも食べられます。特に”白米”との相性は抜群なので、忙しい朝はコチラのメニューで決まりです。

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    ソーセージから出る脂を使って、そのまま”焼き飯”にしてしまいます。材料は米とソーセージのみ、シンプルながらもパンチのあるメニューです。

    それでは、是非みなさんも今年は”自家製ソーセージ”に挑戦してみて下さい。言うまでもなく家族で作った方が盛り上がるし、子供も喜ぶと思うのでイベントのひとつとして定着させると面白いと思いますよ。

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