• このエントリーをはてなブックマークに追加
何があるのかわからないまま、山陰海岸ジオパークに行ってみた 兵庫編
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

何があるのかわからないまま、山陰海岸ジオパークに行ってみた 兵庫編

2016-02-09 11:00
    160119_015.jpg

    鳥取は皆生温泉から東に進み、日本海側の自然や観光スポットを楽しむ山陰海岸ジオパーク旅。鳥取県の浦富海岸から山側に移動すること約30分、兵庫県に入りました。

    『夢千代日記』だけじゃない! 湯村温泉の新しい試み

    湯村温泉に到着。
    160119_078.jpg

    鳥取県と兵庫県の県境に位置し、約1150年前に慈覚大師によって発見された古い温泉地です。

    98℃もの高温泉が毎分470L湧出する豊富な湯量のおかげで、温泉宿はもちろん、民家にも温泉が引かれており、水道代より温泉の使用料のほうがずっと安いのだとか。冷暖房も温泉のエネルギーを利用しているそうです。

    160119_099.jpg

    吉永小百合主演『夢千代日記』の舞台にもなった温泉街です。

    160119_016.jpg

    泉源となっている荒湯。温泉に含まれる重曹の効果でアクや油が抜けやすく、塩分のために保温性が高く、さらに硫酸塩のおかげでお肌がプルプルになるそう。さらに、飲水すると健胃効果も期待できるとか。

    地元の人はここで野菜をゆでたりして料理に使うそう。

    160119_030.jpg
    温泉卵を作るため、生卵をお湯につけて待つこと12分。普通だとそんなにお湯につけていたら固ゆで卵になってしまうところが、

    160119_027.jpg

    見事な半熟の温泉卵ができました!黄身の縁のところも黒っぽくならないんですね。

    160119_011.jpg

    でも温泉地で温泉卵ができるのは、まあ普通かな?と思っていたところ、湯村温泉ではさらなる温泉グルメを発表。

    160119_083.jpg

    それがこの『荒湯生キャラメル』。

    缶詰のコンデンスミルクを、約5~7時間ほどお湯につけておくだけで、なめらかな生キャラメルができます。
    160119_020.jpg

    ゼリー状に固まった生キャラメル。プリンみたい。鍋につきっきりになったり、焦げたりしないでほうっておくだけでできる生キャラメル。足湯につかりながら、アイスクリームにこの生キャラメルをかけて食べたいです。

    さらに、湯村温泉では温泉街に隠れたハートマークを探しだし、観光協会に写真を見せると記念タオルがもらえる『隠れハートを探せ!』も実施中。やってみよう!

    160119_085.jpg

    ひとつ。

    160119_034.jpg

    ふたつ。

    160119_029.jpg

    3つ。お寺のハートマークは『猪目』っていうんですよ。

    160119_096.jpg

    4つ。

    160119_050.jpg

    5つ。真っ赤なリップがハートに見える。

    5つ集めて湯村温泉観光協会に写真を見せると…

    160119_045.jpg

    『夢千代ちゃんタオル』ゲットだぜ!!

    160119_082.jpg

    春来川の川べりには足湯が。川を眺めながらのんびり足湯を楽しめます。

    160119_074.jpg
    ゆでたまごやキャラメルを荒湯につけて置く間に、ゆっくり足湯や、ハート探しを楽しむのも良さそうです。

    火山が生み出したアートな岩、玄武洞

    160119_033.jpg
    お天気が悪くなったかと思えば晴れ、を繰り返しながら、約一時間ほどで兵庫県豊岡市にある玄武洞に到着。

    あたりは静かで、コウノトリの生息地もある湿地や川もあります。城崎温泉にもほど近い場所です。

    160119_097.jpg

    規則正しい岩の割れ目は『節理』と呼ばれるもので、マグマが固まるときにできた亀裂によるもの。玄武洞は見事な柱状節理がみられる場所として、国の天然記念物に指定されています。玄武洞の他には、青龍洞、白虎洞、南朱雀洞、北朱雀洞があります。

    この時もまた雪が降ってきていたのですが、上の方をよく見ると…つららだ!ガイドさんは「玄武洞のシャンデリア」と呼んでいるそう。

    160119_094.jpg

    玄武は、亀と蛇が絡まった姿をした、北を守る四神の一つ。六角形をした岩の連なりが、節理が亀の甲羅や、蛇のウロコを思わせたのでしょうね。火山岩のうちの『玄武岩』の命名は、この玄武洞にちなんでつけられたそう。

    160119_100.jpg

    玄武洞の洞穴は、以前は4つあり、採石場として使われていました。が、1925年に起きた北但地震(M6.8)によって崩壊し、2つを残して埋まってしまったのだそうです。

    お昼前に発生した地震で、食事の支度をしていた女性たちを中心に、大きな被害を出しました。
    160119_117.jpg

    こちらは青龍洞。長く真っ直ぐな節理と、斜めにうねるような曲線が龍を思わせますね。美しい曲線は、計算しても作れそうにないような絶妙なカーブです。

    160119_095.jpg

    玄武岩に含まれる磁気の影響で、ここではコンパスが正しくはたらきません。

    160119_101-1.jpg

    1929年に松山基範が、玄武洞で現在の磁気とは逆の方向を示していることを発見し”地磁気の逆転現象”として学会に発表しましたが、当時は見向きもされなかったとか。その後の研究により、地磁気が逆転を繰り返していることがはっきりし、現在に至っています。

    160119_114.jpg

    また、火山の噴火で堆積した土砂は、川の流れがゆるやかだったことからたくさん流れず、堆積して湿地になりました。そのため、豊岡は稲作に適した土地として発展し、水辺にはアカガエル、モリアオガエル、ホタルなどの生物が見られるそう。

    160119_093.jpg

    豊岡市の市鳥であるとコウノトリも、保護活動により徐々に数を増やしています。

    160119_115.jpg

    玄武洞のキャラクター、その名も『玄さん』。硬そうですね!

    ミシュランで二つ星獲得!城崎温泉で外湯めぐり

    玄武洞から5分ほどで城崎温泉に到着。平安時代から知られた温泉で、かつては志賀直哉、与謝野晶子や島崎藤村などの文人たちが愛した名温泉です。最近では、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの二つ星に選ばれたそう。海外からも注目されています。

    160119_073.jpg

    町の中心を流れる大谿川(おおたにがわ)の護岸に使われている石は、玄武洞が地震で崩れた時に崩落した石を川沿いに運んできて、作ったもの。

    160119_107.jpg

    また、最近ではあの号泣元県議がカラ出張先として名前を挙げており、「聞いたことあるなあ」という人も多いのでは。

    160119_110.jpg

    町並みはレトロでゆかしい風情。通りの看板もおしゃれですね。

    160119_111.jpg

    城崎温泉の名物はなんといっても外湯。全部で7つの外湯があり、旅館は家、外湯がお風呂のような、街全体がアットホームな雰囲気なのです。外湯に入れる時間は7~23時。23時には建物自体がが閉められてしまう上、曜日によってお休みのところがあったりするので注意を。

    160119_112.jpg

    そして外湯めぐりの際はこういったパスポートを忘れずに。

    160120_072.jpg

    城崎では「浴衣に下駄が正装」とまでいわれ、外湯めぐりには浴衣がマスト!実際に浴衣にマフラーなどを巻いて、素足に下駄で歩いてたりする観光客を見かけましたが…今日はちょっと寒くない?

    160119_055.jpg

    日が暮れた温泉街、情緒があるけど雪が本格的になってきて、消雪パイプからはビュービュー水が出ている状態。旅館の方も「下駄はちょっと……」とおっしゃるので、ゴム長靴を借りました。

    160119_052.jpg

    橋のたもとも雪がこんなに。誰か傘忘れてるよ!

    160119_101.jpg

    外観がすごくカッコいい『御所の湯』。由来は後堀河天皇のお姉さまである安嘉門院(あんかもんいん)さまが入浴されたからとか。京都所風の作りに、雪が積もってステキ。寒いけど!

    160119_081.jpg

    内風呂と、滝のある外風呂に入れました。外湯はたくさん回ってもらうためにかなり熱めにしてあるので、ちょっと入っただけでも足が真っ赤に。なるほど、これなら素足で下駄でも大丈夫なんだと納得。雪の中でも、多分…。

    160119_105.jpg

    でもやっぱり足が冷える!!という人におすすめなのが足湯です。外湯は無料で入れるので、足だけ温めたい、服ぬいで入るのは面倒くさい、カップルで温泉気分を味わいたいと言った人向き。

    160119_109.jpg

    一の湯。モダンな建物は歌舞伎座のよう。

    160119_108.jpg

    由来は「海内一(日本一の意味)」「天下一」とも呼ばれたことから。外風呂は洞窟風のつくりになってます。
    何故かここの内風呂が一番熱く感じました。

    160119_057.jpg

    柳湯。木材を活かした和風の作りがおしゃれ。ここは内風呂のみで、立って入るほどの深さがあります。こぢんまりしたお風呂ですが、それがかえって落ち着く雰囲気。

    160119_075.jpg
    雪の温泉街は幻想的。レトロな郵便ポストが、雪が積もってるのいいなあ。

    160119_104.jpg
    コウノトリっぽいキャラ発見。城崎温泉はコウノトリが傷を癒やしていたところから発見されたと言われています。鴻の湯(こうのゆ)という外湯もあるのですが、かなり遠いので断念。

    翌日の朝の時間がないので、温泉で温まったあと、お土産物屋さんによって買い物→また入る、を繰り返して、だいたい90分くらいで3つの外湯を駆け足で回りました。

    160119_103.jpg

    外湯めぐりのついでに、お酒屋さんに寄ってお土産にしました。

    160119_118.jpg

    香住鶴の快鮮冷酒。飲みやすくてどんどんいける、つい飲み過ぎてしまういいお酒。古来からの日本酒の製造法「生酛(生もと)造り」で作られたお酒なんだそうです。

    最終日は兵庫県を出て、”海の京都” 京丹後市に入ります。

    (写真はすべて筆者撮影)

    ―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
    (執筆者: 相澤マイコ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

    RSSブログ情報:http://getnews.jp/archives/1386743
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。