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西武鉄道が3月末日まで発売している「秩父ディスティネーションキャンペーン記念乗車券」の一部を利用して、ちょっと秩父までショートトリップに出かけた。
この記念乗車券は『ハローキティー』をキャンペーンキャラクターとした『冬の秩父デスティネーションキャンペーン』によるもので、台紙には書きおろしのハローキティーが描かれている。
鉄道ファンにとってみれば、記念乗車券の類は使用するものではなく保管するものだと相場は決まっているものだが、もちろん使用することもできる。
記念乗車券とはいえ、普通乗車券なので特急券を別途買い求めれば特急にも乗ることができる。
ただ、西武鉄道もさほど使用を前提に発行していないためなのか、使用した人が皆無だったのかはわからないが、改札口では驚かれたり珍しがられたりしたのは仕方のないことだろう。
発売額は1000円で、池袋から西武秩父までの往復に使うのであれば4枚中の2枚を使用して、残りを不足運賃として着駅で精算することになる。残りの2枚は6月末日まで使用できるので、またの機会に使うことにする。
記者は池袋から特急ちちぶ13号で西武秩父に向かった。
3連休の中日とあって、普段の土日にもまして観光客でごった返す西武秩父駅。
実は秩父方面の観光では西武秩父駅はアプローチ駅でしかない。
ここから羊山公園の芝桜を見に行ったり、長瀞(ながとろ)ライン下りを楽しもうと思えば、さらにバスや秩父鉄道に乗り換える必要がある。
スタンプラリーも開催中で、5つのチェックポイントのうち4つのスタンプを集めると記念品がもらえる。
西武秩父から秩父観光をするゴールデンコースは秩父鉄道に乗り換えることから始まる。
その秩父鉄道側の駅は「御花畑駅」。徒歩連絡になるが、連絡通路の半分くらいがアーケードになっていてお土産物を物色したり、食事を取ったりと観光客の利便に供していたのだが、現在はその大半が工事中になっている。
来年には温泉を備えた複合商業施設が開業するので、それに向けての工事だ。
したがって現在は土産物を売る売店と、軽食施設だけが利用できる。
とは言いながらも、ハローキティーののぼりやポスター、記念撮影用のボードがいたるところに置いてあり、家族連れや外国人にも人気のようだった。
駅近くの寺院では早咲きの桜が花をつけ始め、観光客は盛んにシャッターを切っていた。
駅付近には供食施設が少ないため、どの店も休日は満員御礼となる。
記者は帰りの特急でご当地サイダーとお弁当を食べようと考えたのだが、2時間先まで満席で乗ることができないために、駅のベンチで食べることにした。
記者が飲んだのは、カエデの樹液を使用したメープルシロップ入りのサイダー。まるでホットケーキを食べているような感覚の美味しいものだったので、お勧めだ。
お弁当は「わらじかつ弁当」800円。
ワラジのようなでっかいカツが2枚ご飯の上に乗ったシンプルなものだ。
秩父名産のこんにゃくも入って、甘いソースが食欲をそそる。2つ食べてもいいくらいだ。
帰りは普通電車で飯能まで、さらに急行に乗り換えて池袋まで戻ることにした。
写真は西武レッドアロー10000系のうち1編成しかない、初代5000系復刻カラーの「レッドアロークラシック」10105F編成。
乗車したかったのだが、満席だったので見るだけ。
飯能に着いたら、池袋行きの急行にまたまたレアな車両が来た。なんとなく品川から横浜方面を走る電車にも似ている。
この編成は西武9000系電車で、京浜急行が1000形1057編成を「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」として特別塗色で運行したところ、「西武の車両に酷似している」と話題になり、これがきっかけでコラボ企画として、西武ではこの9103F編成を「RED LUCKY TRAIN」として京浜急行塗色にして走らせている。
車内の広告はすべて京浜急行のもので統一されていて、まるで京浜急行に乗っているような妙な錯覚を覚える。
西武鉄道と京浜急行とは軌間が違うので、線路をつなげて相互乗り入れをすることはできないが、車両だけでも「相互乗り入れ」風にしてしまった企画は面白い。
ちなみに今回は見ることができなかったが、ハローキティーのラッピング電車も西武秩父線で走っているので見つけることができればラッキーと言えよう。
さほど遠出でもないのに、行く機会が少ない秩父方面は、自然いっぱいで都会のけん騒を離れるには絶好の場所の一つと言える。
春の行楽候補地の一つとして検討してみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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