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日本人監督の河瀬直美は、第69回カンヌ国際映画祭のシネフォンダシオン部門と短編部門の審査員長を務める。2013年にはスティーブン・スピルバーグ監督が担当した役務だ。

何年にも渡り、河瀬監督はカンヌ国際映画祭と強い関係を築いてきた。第50回カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞した映画『萌の朱雀』をはじめ、映画『沙羅双樹』、第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した映画『殯の森』、映画『朱花の月』、映画『2つ目の窓』、第68カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門のオープニング作品となった映画『あん』など、自身が監督した6作品を映画祭で公開してきた。

河瀬監督は、やはりシネフォンダシオン部門と短編部門の審査委員長を務めてきたマーティン・スコセッシ、アッバス・キアロスタミ、ジェーン・カンピオン、ホウ・シャオシェン、ジョン・ブアマン、ダルデンヌ兄弟といった有名監督らの歩みをたどる。

河瀬監督は「映画は人生を豊かにし、その世界は新しい可能性を開いてくれます」と述べた。「映画が存在して100年以上が経ちますが、その可能性は今も広がり続けています。映画は世界の文化の多様性を具体化できる特別なメディアであり、そのストーリーは観客を魅了するもう1つの人生のようなものです」と述べた。

また、「短編映画は、短かい尺の中にどれだけのストーリーを込められるのかという問題に直面していて、非常に難しいです。しかし、そこにはまだ見ぬ無数の可能性があります」と語り、「学生によって作られた作品の中には、宝石の原石のように隠れた輝きを秘めた作品の発見があるでしょう。この素晴らしい冒険に、審査員として参加できることをとても楽しみにしています」と述べた。

河瀬監督は、監督としてのキャリアとは別に若手監督の育成を目的とする、なら国際映画祭を立ち上げた。

昨年度のカンヌ国際映画祭のプレジデントとシネフォンダシオン部門のクリエーターを務めたジル・ジャコブは、河瀬監督について、「彼女の持つ点描画家的な才能は、映画の知性、詞的なミステリーに彩られた芸術性、優雅なシンプルさ等を生み出します。それらは、人生が持つ素晴らしい感情や、日々の生活の中の微妙な仕草を通じて伝えられます」と述べた。

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