低脂肪ヨーグルト、穀物バー、フルーツジュース。「ヘルシー」「フレッシュ」「健康的」なイメージの食品の中には大量の砂糖が含まれている物も。それらを60日間毎日摂取すると、人の体と心はどうなるのか? オーストラリア人俳優が体当たりで挑んだドキュメンタリー『あまくない砂糖の話』が現在大ヒット上映中です。
監督であり主人公のデイモン・ガモーは、結婚を控えたパートーナーの妊娠をきっかけに「子供にとって安全な食事とは何だろう」と考え始める。そして「オーストラリアの成人男性は一日にティースプーン40杯の砂糖を摂取している」という事実を知り、砂糖が人間の体にどの様な影響を与えるのかを、自身の体を使って実験をするのであった……。
60日間のルールは、清涼飲料水、菓子類、チョコレートなどは食べずに、シリアルやヨーグルトなどに含まれている砂糖を1日にスプーン40杯分摂取すること。
この企画を聞いて「毎日砂糖摂りまくってたら太るに決まってるじゃん!」と思う人は多いと思いますが、このドキュメンタリー内においてガモーさんはいわゆる“ジャンク”なお菓子や食品は食べていません。むしろ「right」やら「organic」という言葉がパッケージを彩る「これ、体に良さそう!」と手に取ってしまいそうな商品ばかり。それらに実は大量の砂糖が含まれているという衝撃的な内容となっています。
しかも、摂取カロリーは実験前と同じ「一日2,300カロリー」。普段は新鮮な野菜や肉・魚、フルーツやナッツ等の自然な物を食べているガモーさんの体はどんどん変化します。同じカロリーでも砂糖を大量に摂取するだけで、こんなに色々な問題が起きるとは……。筆者は辛党でして、食後のデザートはあまり食べませんし、普段コーヒーや紅茶にも砂糖を入れません。でも、今朝食べた甘さ控えめヨーグルトは実は砂糖たっぷりかも、大好きな和食に使われている砂糖は? 等と、自分の食生活を改めて見直したくなりました。
という事で、今回は映画のPRの為に来日したガモー監督と一緒に「巷のヘルシースイーツは本当にヘルシーなのか?!」と題し、東京・渋谷で人気のヘルシースイーツを食べ歩きしてきました。
【1軒目:ブオンアモーレ”砂糖不使用”ジェラート】
http://buon-amore.com/ [リンク]
ジェラート:カップ1つ 432円。人気の「ピスタチオ」を選択、ワンスプーン他の味をオマケでつけてくれました。今回は監督の好みで省きましたが、本来はこちらにサクサクのグラノーラがトッピングに。
一口食べて、うなずく監督。「砂糖不使用と言っているけど、それは精製している砂糖を使っていないというだけ。ゴボウやニラから抽出される“イヌリン”を使っているという事だけど、イヌリンは果糖なので体の中に入ってしまえば、脳はそれを糖と判断するんだ」とコメント。
「でも、このアイスを食べるのを悪いと言っているわけじゃない。一日の糖分をこのアイス一つだけに出来れば何の問題も無いんだ。これを食べたら後は甘い飲み物は飲まない、テリヤキソースは使わない、なんとなく摂取している砂糖を意識する事」とのこと。砂糖が悪なのでは無く、無意識の砂糖。これが恐いという事なのです。
【2軒目:パーティランド”無脂肪” ”ローカロリー”フローズンヨーグルト】
http://www.partyland.co.jp/ [リンク]
入り口でカップを取って、好きなだけアイスやフルーツ等のトッピングをする量り売りスタイル。フローズンヨーグルト291円+フルーツ130g=378円。
一口食べて、あ、甘い……。筆者も味見させていただきましたが、飛び上がるほどの甘さ! こうして食べ比べてみると、1軒目の「ブオンアモーレ」は甘さ控えめだったんだなという事が分かります。トッピングのイチゴとキウイがかなり酸っぱく感じる、ヨーグルトの甘さ。トッピングにはフルーツの他にもチョコレートやクッキー、日本らしく餅なんて物もありましたから、“ローカロリー”なんて言葉に安心してカップぎっしりにアイスを入れればハイカロリー間違い無し。
監督は、店内の所々に書かれた“無脂肪”“ローカロリー”の文字を見て、「今からすごく甘いものを食べる、という意識でいれば問題無いのだけど、これはヨーグルトだから、ヘルシーだからOKという意識だと問題がある。そういった言葉に踊らされないで欲しい」とアドバイス。
【3軒目:ファーイーストバザール”砂糖不使用”ジェラート】
http://www.fareastbazaar.net/ [リンク]
ジェラート:250円×2種類=540円。ナッツのトッピング付き。
ナッツやドライフルーツの量り売りをしているこちらのお店。日頃からナッツをよく食べている監督は興味津々。
ジェラートやスイーツには、椰子の花蜜糖が使われており、全てが自然な甘み。
監督も一口食べて「これはちゃんと甘いけど本当に砂糖不使用?」と店員さんに質問するほど。もちろん、砂糖は使っておらず、全てが自然本来の甘みというから驚き。筆者も味見し、正直に言うと万人受けする味ではありませんが、科学的な変な甘みが一切無いのでずっと食べ続けられる、後味も良くてクセになる甘さなのです。監督もこれはお気に入りの様で、しっかりと味わっていました。
今回、ガモー監督とスイーツを食べ歩きして思ったのは「甘くて美味しい!」と喜んで食べていたアイスクリームにもそれぞれの個性があり、甘さが全然違うという事。監督は最後に「日本人は今一日にティースプーン18杯の砂糖を摂っているそうだけど、甘いお菓子だけでは無くてソースや調味料類に多くの砂糖が含まれている事に気付いて欲しい。日本には和食という素晴らしい分かがあるけれど、煮物や照り焼きなど砂糖を使った物も多いので、自分が今どのくらい砂糖を摂っているのか意識して日々を過ごして欲しいな」とメッセージ。
繰り返しになってしまいますが、砂糖や甘い物が悪というわけでは決して無くて、無意識に摂っている砂糖が恐いという事に気付けば、きっと日々の生活がさらに健康的になるはず。筆者も“無意識の砂糖”減らし、意識します!
ガモー監督の体当たり実験となったドキュメンタリー『あまくない砂糖の話』もぜひご覧ください。