ナギラガラル1話「魚嫌いの巣籠もり卵」
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ナギラガラル1話「魚嫌いの巣籠もり卵」

2019-11-17 20:20

    男の名はナギラ。

    ガラル地方に住む、男。

    年齢は10歳。

    好きなものは、パイオツがカイデーな女。

    嫌いなものは……魚。





    ある朝、ナギラが目を覚ますと、

    ベッドの中で巨大な毒虫になっていた……なんてことはなく、

    いつもと変わらぬ日常がそこに広がっていた。


    キッチンに居るマミーに挨拶をする。

    ナギラ: おはよう……バッグと帽子どこだっけ。

    今日はでかける用事があった。



    マミー: 何言ってるの。

     バッグと帽子なら、ナギラ。あなたの部屋にあるでしょ。


    そうだった。

    「男の良さを決めるのは、
    バッグと帽子と酒。」

    ガラル地方に伝わる古いことわざだ。


    ナギラは寝室に戻ろうとして、
    しかし何か不思議な感じがして、

    何気なくマミーにもう一度話しかけてみた。

    ナギラ: ねえ……マミー。何かいつもと違わない?

    マミー: 何言ってるの。




    そうだな、気のせいだよなと、

    ナギラは納得しかけた。

    しかし、その言葉の後に続く母親の発言は……



    マミー: ……バッグと帽子なら、ナギラ。あなたの部屋にあるでしょ。




    あれ?



    ナギラ: マミー。分かってるよ。
    バッグと帽子は僕の部屋だよね。
    はは、そんなに何回も言わなくても。



    マミー: 何言ってるの。バッグと帽子なら、ナギラ。あなたの部屋にあるでしょ。

    ナギラ: いや、もういいんだ。分かった。それともあれ?僕をからかってるの?



    マミー: 何言ってるの。バッグと帽子なら、ナギラ。あなたの部屋にあるでしょ。

    ナギラ: いや、だから……。

    マミー: 何言ってるの。





    「バッグと帽子なら、ナギラ。あなたの部屋にあるでしょ。」













    ナギラがこの家から出られなくなって、数週間がたつ。
    母親と話すのが怖くなり、
    家から出ること自体にも、恐怖を感じていた。



    あれから、家の中を色々と調べたが、
    この異様な現象は、マミーだけに起こったことではなかった。

    ゴンベも「ンズズ」と「んがんぐ」しか言わない。

    まるでゲームのNPCにでもなってしまったかのように。

    ナギラの日常は時が止まってしまった。




    この数週間で、彼はいろいろな考えを巡らした。

    これは神様が普段の言動にお怒りになって、天罰を与えているに違いない。

    「男の良さを決めるのはバッグと帽子と酒。」とか、

    ありもしないことわざのことを言ったのも悪かったのだろう。

    それから、ナギラが魚嫌いであることに怒っているのかもしれない。

    天が与えて下さった大自然の恵みを好き嫌い言って享受せず、

    生意気にも皿のすみっこに避けるような糞ガキに、

    きっと海の神がお怒りになっているのだ。


    この家の扉を開ければ、外はこんなになってるかもしれない。




    そう思うと、一歩も外に出られなかった。







    今日の冒険はここまで。

    第一話で家から出ない物語。

    それが……


    次の話へ。

    前の話へ。

    ポータルにもどる。


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