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文◎松本天心(巌流島・実行委員/サンボ代表)
まさかの視聴者数33,000をマークという好記録の船出となった巌流島道場マッチ。
当日は解説を担当しましたが、普段あまり接触することのないネット社会の住人の皆様と、生中継で直にコメントをいただくとのことで、覚悟半分、あと半分は開き直って実況席に座ったのですが、私が収録を終えて感じたのは、「巌流島の視聴者の皆様は暖かかった」ことでした。
選手のファイトについても、我々ネットに慣れていない解説陣に対しても、意外と言っては失礼なのですが、ヤジ的なものも実に建設的なものが多かったように思います。
実況でも語ったのですが、私は長く格闘技と関わりすぎて、正直マニアでない一般の視聴者が格闘技の何を見て面白いと思うのか、全くわからないのです。
私は巌流島で主に競技を統括するセクションで仕事をしているので、24時間巌流島の競技をどうすれば世間にアプローチ出来るか考えています。
しかし、競技に専念して来た半生を送ってきたので、どうしても思考がルールに縛られる傾向にあるのです。
そんな中、ニコニコ生チャンネルでの視聴者の皆様の「生の声」は本当に参考になるものでした。
まさにこれが巌流島が最初に掲げた公約の「格闘技の民主化」の実現に近づくツールのひとつであることは間違いないと確信しました。
そして今回の道場マッチの成功は、何よりファイター達の激闘によるものであることは疑う余地はありません。正直出場選手が出揃い、カードが決定したのは2週間前。選手達は自分が闘うルールがどれが適用されるか直前までわからない状況で調整し、仕上げて来たのです。
そして当日あの激闘を繰り広げてくれたことに対し、全選手に感謝の念しかありません。
これは私見ですが、巌流島競技は、正直かなりハードです。3分2.3ラウンドでしょ?MMAの5分3ラウンドやボクシングの10ラウンドと比べて?などという選手がいたら、一度巌流島出てみろよと言いたい。道着を着ることで筋持久力も限界まで使い、どの局面でもほとんど息を整える時間が許されておらず、ここまで全局面で全力疾走を余儀なくされている競技は少ないと思います。
そんなハードな競技で、スタミナのロスを怖れることなく、フルスロットルで激しい闘いを繰り広げたまだ無名のファイター達を見て、将来巌流島の看板を背負って闘う、かつてのK1の魔裟斗のような存在は、案外道場マッチから生まれるのかもしれないと、ふと思いました。
今回の道場マッチの成功に刺激されて、早くも多くのファイターが名乗りを挙げています。次回も更に激しい試合を皆様にお届け出来る確信があります。ぜひ今後も巌流島にご注目ください!
巌流島実行委員 松本天心