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ゲストさん のコメント

泣きそうです…
No.1
50ヶ月前
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 8月のある日、春花のもとに1通のメールが届く。送り主はガルラジ事務局。そこには事務局長から“皆さんに大事なお願いごとがあり、オンラインミーティングに参加してほしい”という趣旨のことが書かれていた。春花はすぐさま真維、智加に連絡すると、同じメールが2人のもとにも届いていた。3人はその夜『カフェテリアばんざい』で会う約束をしたのであった。  SNSではお互い連絡を取り合ってはいるが、こうして3人が顔を合わせるのは久しぶりのことであった。それぞれの近況や昔話でもりあがったのち、本題のメールのことに話がおよぶ。ここに来る前に春花はすずに連絡をしていて、同じ内容のメールがチーム富士川やほかのガルラジメンバーにも来ていることを知り、2人にそのことを伝える(ほかのチームへは金明さんが連絡を取って確認していたようだ)。  春花は、「ガルラジの復活だよ! 絶対、絶対そうだよ、3人でまたやろうよ!」と鼻息も荒く早くもスロットル全開モード。はじめ、真維と智加は素直に春花の気持ちに同調できなかったが、最終的には心ひとつになってオンラインミーティングの当日を迎える。そのほかのチームも、各チームなりの話し合いが持たれた。  オンラインミーティング当日。会議のメンバーは新しい事務局長とガルラジメンバー14人。メンバーが驚いたのは、事務局長が新しい人物で、その人はなんと、あの藤田ゆきのさんだった! ガルラジメンバーがざわつくなか、藤田は事務局長になった経緯から話を始めた。  2ndシーズンの大成功をもってプロジェクトは終了し、1stシーズン終了時と同じように事務局は一時解散。藤田1人が残務を行っていた。 梅雨も終わりを迎えるころ、残務も終わろうとしていた藤田自身も来月には新しい部署への異動を言い渡されていた。そんななか、忘れていた問い合わせメールをクローズしようとメールボックスを見ると、数千の未読メールが来ていたのであった。  そこには、“こんな時だからこそ、もう一度ガルラジのみんなの声が聴きたい” “これから新しい生活を迎えるときだからみんなに応援してほしい” “少しでも楽しみがほしい”などなど、文面は様々だが、ガルラジの復活を望むリスナーからの声が届いていたのであった。これを事務局長に伝えガルラジ3rdシーズンの実施を要望するも、さまざまな大人の都合でその願いはむなしく却下された。 が、その後も粘り強くガルラジの存続を懇願する藤田に旧事務局も根負けし、ある条件をもって存続を承認したのであった。  その条件とは、事務局は藤田1人で運営すること、異動先の業務に支障のないようにすること、何かあった時の責任は1人で負うこと、そしてラジオの現場はガルラジメンバーが切り盛りしていくこと、である。要は予算をかけられないし責任も持ちたくないということであった。自分の大変な処遇のことは言わず、リスナーからのメールをみんなに紹介した藤田は「みなさんにもいろいろと都合も事情もあると思います。ですが、こんなにたくさんのガルラジストからの声が届いています。お願いします! 私とともにガルラジをやってください! こんな時だからこそみなさんの声を届けてあげてください!」と心からお願いする。  誰とはなく声を発していた「やろう」「やるよ」「やるっきゃないでしょ」――。言い方は様々だかメンバーみんなから賛成の声。そして「こんな時だからさ!私たちの愛してやまない地元だけじゃなくて、今度は日本中のみんなが笑顔になれる、そんなガルラジをやろうよ!ねっ、みんな!!!がんばろまい!」と春花がスピーカーが割れんばかりの大声で叫ぶ。その割れた声を聴いたガルラジメンバーは次々に笑い出した。同時に藤田が泣きながら小さな声で「ありがとう」と――こうしてガルラジがリスタートするのであった。  その後も15人は打ち合わせを重ねた。そして復活ガルラジは次の結論にたどり着いた。 日本全国から寄せられたたくさんのリスナーの声援にこたえるために、これまでのレギュラーシーズンとは違うスペシャルな番組にすること。不本意だけど予算が少ないので短期間だがその分インパクトのある番組にすること。全員でなにかひとつの事を作り上げること。この3つを念頭に番組をスタートすることに決めたのであった。  しかし、具体的な案がなかなか出てこない……。話し合いが暗礁に乗り上がろうとしていた時、彩美がつぶやく「ねぇ、選抜総出演ラジオってどう?」 その提案に全員が?マークを浮かべる。 間髪入れずに彩乃が「バカ美!何わけわかんないこと言ってんのよ、アイドルオタ的なわけわかんないことあたしやカナだけの時はいいけど、みんなの前でさぁ、ホントみなさんすみません、うちのバカ姉が……」。  それに対し金明は、「まあまあまあ、そう頭ごなしに否定せず、聞いてみようよ。彩美、教えてくれる? その選抜総出演ラジオってやつをさ」。  いきなり呼び捨てにされて少し不機嫌そうな彩美が説明する。 「いやね、選抜総なんとかって、アイドルっぽくていいじゃん……」 「ほら見たことか!鳥頭がなんも考えないで延髄反射の能無し発言だよ。あーー恥ずかしい。玉笹家の恥だよ、もう。」 「彩乃さん、もう少し先を聞いてあげましょうよ。まだ、話が終わってないようですし」と真維。 「えーっと、そんで、そんでさ、うーん、なっカナ」 花菜に助け舟を求める彩美。振られた花菜は、 「今回は自分たちの地元の応援だけじゃなく全国のリスナーを応援するんですから、ガルラジの14人をシャッフルして、スペシャルなチームを選抜して番組を作りたいと、みーちゃんは思っているんだと思います」  「2人1組になったらちょうど7チームだね。うん、いいよ、面白そうじゃないか。さすが花菜のおねーさん。」と神楽。  ウソから出た誠ならぬ彩美から出たアイディアに、みんなは賛同。今回のガルラジは選抜総出演ラジオと銘打った7つのシャッフルチームによるスペシャル番組となった。 「あのーっ、みっつ目のみんなでひとつの事をつくるっていうのは…」という結の指摘に、文音の「うーん、それは一番最初のチームが考えるのはどう?面白そうじゃん、そのほうが、誰かさんが新たな黒歴史を作っちゃったりして、はははは」 「はーーーーん!? なにそれ、誰かって、私のことでしょうが! 吉田さん! こんな公然の場でもそんなこと言うんだ。ふーーん、そうなんだ。良かったと思いなさい。オンライン会議で。そして、私たち徳光だけが別窓って………。」  後半の内輪もめはさておきサプライズ好きの春花が賛同する。声と態度の大きいおバカ2人が、周りの心配の声をかき消さんばかりの猛アピールに、皆が根負けした。 「ただの問題の先送りでは」とすず。 「チッ」と海瑠は小さく舌打ち。 「兎に角、そうと決まればチーム編成を決めよう!」と徳若。 そして来たる2020年10月中旬、新事務局長藤田ゆきの謹製・厳選なる抽選ボックスから自らくじを引いて、チーム編成が決まることになった。 「ガールズ ラジオ デイズ 特別編(仮)」は今冬公開予定! 最新情報は 公式Twitter をチェックしてネ。