ゲキビズ田原通信
田原総一朗 「飯島勲・内閣官房参与は、北朝鮮と何をどこまで話したのか?」
5月14日、内閣官房参与の飯島勲さんが、北朝鮮を訪れたことが一斉に報道された。飯島さんは、元首相の小泉純一郎さんの秘書として、初当選の時から辣腕をふるった人物だ。小泉内閣では内閣総理大臣秘書官として、政権を舞台裏で取り仕切った。
飯島さんとは、僕は以前、『オフレコ!別冊 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!』(アスコム刊)という本を出したことがある。彼は、それほどまで政権中枢を知り尽くした人なのだ。その飯島さんが、2012年12月に第2次安倍内閣の内閣官房参与に就任していた。
飯島さんの訪朝は、アメリカや韓国、中国はもちろん、日本の外務省にも知らされていなかった。まさに極秘中の極秘、安倍晋三首相と菅義偉官房長官くらいしか、知らなかったのではないかと思われる。
ところが、空港で彼を待ち受けていたのは多くの報道陣だった。飯島さんの困惑は、いかばかりだったろう。日本側は極秘に進めたつもりだったが、北朝鮮は「日本の重要人物が訪朝した」という好材料を、世界に発信したかったわけである。
読者のみなさんもご存じのように飯島さんは、小泉元首相の2度の北朝鮮訪問でも、重要な役割を果たした。2度目の訪朝では、5人の日本人拉致被害者の帰還という成果をあげている。今回の訪朝の大きな目的は、当然、拉致問題の解決と考えていいだろう。
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