11月11日、僕は鳥越俊太郎さん、岸井成格さん、田勢康弘さんら、テレビキャスターの仲間たちと記者会見を開いた。特定秘密保護法案への反対を表明したのだ。10月25日号のメルマガでも特定秘密保護法案について一度書いたのだが、改めてその危険性を訴えたい。

正直、僕はこんなアブナい法案は、通らないのではないかと思っていた。ところが野党の反対もほとんどない。このままいけば、可決することになってしまうだろう。だが、僕が何より怖いと思っていることがある。重苦しい空気が、日本中に蔓延し始めているということだ。

今回、記者会見を開くに当たり、僕たちは多くのジャーナリストに声をかけた。ところが、10人以上から、「まったく同意見だし、加わりたいのだが、自分の名前を出すことは勘弁してくれ」という返事がきたのだ。

誰もが自由に発言し議論を戦わせ、そのうえで物事を決めていく。これが民主主義の根幹であろう。ところが、特定秘密