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有罪道具温故知新 第3回「原子おはじき」
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有罪道具温故知新 第3回「原子おはじき」

2021-05-11 15:45

    昨日、THS[1]行ってきました。

    今年も多数の人やロボットでごったがえしてましたね。年々実際の生身で来場される方が減っていってる印象ですが、やはりこういうのは生身で体験してこそですね。

    多くの電子カタログや(今後日の目を見るかは分からない)試供品ひみつ道具等を大量に受け取りながら見る新型ひみつ道具の展示や体験は本当に素晴らしいものでして、今まで行ったことない人はぜひ一般公開日に観にいってください。

    そしてTHSと同時に開催されているのがTGS[2]ですが、こちらも大盛況でした。ハツメイカー[3]以降のひみつ道具の発展に合わせてゲーム業界もより多方面になり、インディーゲーム[4]が大半を占めており、今まで見たことのないゲームも大量でした。

    今回は発売停止や回収騒ぎにはなっていないのですが、個人的に好きなゲーム……もとい遊戯ひみつ道具について取り上げます。

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    皆さんはバトルロイヤルゲームというジャンルをご存じですか?今でも人気のあるゲームジャンルなのですが、まぁゲームをあまりプレイしない方もいらっしゃるかもしれないので、一応説明しますね。

    バトルロイヤルゲームの最低限の定義としては「多人数がで勝ち残りをしていって勝者を一人だけ決めるゲーム」ですね。昔有名だった作品ですと「PUBG」や「フォートナイト」ですね。上空から広大なフィールドに着陸し、様々な武器を手に入れてその武器で他のプレイヤーを倒して最終的に最後の一人になるまでやるという……。

    そんなバトロワゲームなのですが、その多くは家庭用ゲーム機で遊ぶものでした。ゲームセンター[5]ではあまり多くなかったんです。当時のスペックでは家庭用ゲーム機でも広大な島一つくらいはフィールドとして用意できたので、ゲームセンターでわざわざやるようなスペックではなかった……というのはあるのかもしれません。

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    そんなアーケードゲームのバトロワは2040年ごろには下火だったと言えるでしょう。体感ゲームのバトロワ等も出てはいたのですが……実際に体を長時間動かす必要があるため普段ゲームしかしないような人では体力が持たなかったりとあまり人気は出ませんでした。体を動かすバトロワならサバイバルゲーム[6]をやればよいというのもありましたしね。

    そんな2040年代にひっそりと稼働した遊戯ひみつ道具がありました。それが「原子おはじき」です。

    原子おはじきは「珍品堂[7]」が出した筐体で、恐らく皆さんもちらっと聞き覚えはあるんじゃないかな……まぁ名前の通り「原子でおはじきをする」ゲームなんですけどね。

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    まず「おはじき」について解説をしますね。「おはじき」とはガラス製の平たい円のようなもので奈良時代から遊ばれていた玩具です。ルール……といったものが正確にあるわけではないですが、まぁ最低限のルールは残されていました。それは「おはじきをはじいてほかの配置されているおはじきに当てると、置いてあるおはじきをゲットできる」というのと「おはじきを大量に所持している人が勝利する」という二つのルールでした。

    このおはじきのルールに珍品堂は目を付けました。ルールをより丁寧に整理してみると以下になります

    ・ランダムにおはじきが配置されている

    ・自機(おはじき)を動かし、他のおはじきに当てる

    ・当てるとおはじきをゲットする

    ・おはじきを一番多く持ったプレイヤーが勝利する

    さて、ここでさっきお話したバトロワゲームのジャンルも振り返ってみましょう。

    ・ランダムに武器やアイテムが配置されている

    ・自機を動かし、武器やアイテムを探す

    ・武器やアイテムをゲットすると強くなる

    ・必然的に一番強い武器やアイテムを多く持ったプレイヤーが勝利する

    ……そう、実は「バトロワゲームとおはじきは似ている」ということに珍品堂は気づいたのです。古道具を愛してやまない珍品堂はすぐさま数十年愛されたバトロワゲームと数百年愛されたおはじきの合体策を考えました。

    おはじきをバトロワに組み込むうえで少し難点だったのがプレイヤーおはじき同士の衝突です。バトロワにあったバトル性をおはじきに組み込めるのか?おはじきの基本動作ははじくしかないので操作でバトル性を出すのは難しいし、勝敗を純粋に所持しているおはじきの数で決めるのは最終決戦でのドキドキもあまりないため却下となりました。

    バトロワゲームの多くは武器事に性能が違った為所持数で決まらなかったので、できればおはじきにも性能の違いやレア度に相当したものを

    付けるべきでした。

    しかし、おはじきとなるとそれが出来なかった。というのは珍品堂はおはじきの優劣をあまりつけたくなかったんですね。劣のおはじき

    をゲームとはいえ生みたくないというのは、まぁ確かに分からなくはないです。

    よって実際のおはじきではなく、何か別のものをおはじきとして遊ぶ方式にすれば優劣がつけれてよいんじゃないかという結論にいたり、結果的にその何かに「原子」が収まりました。

    物質の構成単位として出される原子は原子核と電子で構成されています。

    その原子核同士がぶつかると核融合反応というのが発生し非常に大きなエネルギーが発生します。このエネルギーをプレイヤーのパワーとして認識するようにしたのが原子おはじきのパワーバランスになります。

    おはじきの優劣を決めるよりかは自然でもう決まっている原子核のエネルギー優劣を利用した方が楽だし、何より原子について文句を言う人がいませんからね。

    こうして原子おはじきが完成し各地のゲームセンターに配置されて行きました。

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    原子おはじきは当時にしてみたら大き目な筐体で中華テーブルサイズの円柱にドーム状の装置がくっついた形状でした。この頃は原子をオンラインで動かすという原理はなかったので、オフラインの対戦のみにしたのが大きくなった原因と言われています。

    ゲームをプレイする人は筐体にお金を入れてドームに設置されたレンズを覗きます。すると自プレイヤーである水素原子がいます。

    プレイヤーは手元にあるレバー2本を使って水素原子を操作します。左のレバーで向きを決め右のレバーではじく強さを決めるというおはじきスタイルで進んでいきます。

    レバー上部のボタンを押すとゲームスタート。広大なフィールドから行きたい場所を選ぶとそこに自プレイヤー原子が飛んでいきます。

    後は普通におはじき基バトロワゲームと同様探索をしていきほかの配置されているおはじき原子に当たっていきます。あたることにより核融合が発生しよりパワーのある原子に成長していきます。

    そして他のプレイヤーが近づいてきたらバトル開始です。操作はおはじきスタイルなので一度はじいたら止まるまではじくことはできません。原子おはじきはオリジナルのルールとして通常のおはじきのターン制を廃止しており、はじけるタイミングだったらはじいてよいことになっていたので、バトルはさながら早打ち対決のような緊張感がありました。外したらやられるかもしれないしかし、先にはじかないと危ないかも……。

    そしてプレイヤー同士のおはじきがぶつかったらエネルギーが高い方が勝利となり、核融合後の原子おはじきを操作できます。

    最終的に最後の一原子になれば勝者となり、電子ポイントを得ることが出来ました。電子ポイントで自機の見た目を変更することが出き、次のプレイに引き継ぐことが出来ました。

    さて、そんな最新バトロワゲームだったのですが……まぁなぜか流行らなかったです。理由は全く不明ですが……あまりにも古い印象が強かったのが原因だったんじゃないでしょうか。前時代的な巨大な筐体、前時代的なローカルのみの対戦、そして一番前時代的な「おはじき」というスタイル……すべてがあまりそそるものではなかった……という悲しい想定しか残念ながらできません。

    一応あんな小さな装置で核融合が発生出来てしかも遊べちゃうというのは凄く最新な技術だったのですが……

    原子おはじきは先ほども書いた通り、オンラインというシステムを使用してなかったのでサービス終了等の憂き目にはなりませんでした。まぁ原子取り換えサービス等は終了していますが……

    原子おはじきはひみつ道具博物館の遊戯館にて展示されており、実は年に一度大会も開かれてたりします。当時の人気はなかったけど、後から触れる人にとっては逆にあたらしかったのかもしれません。去年の大会はなんと17歳の子が優勝していました。

    今回は発売中止などはされず、後に人気が回復したひみつ道具を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?すべてのひみつ道具が少なくとも後年愛されるものになってほしい。そう願うばかりですね。

    つづく

    ※1 THS

    トーキョーひみつ道具ショウ。ひみつ道具が一般に販売されるようになってから開催されたひみつ道具イベント。今年のキャッチフレーズは「ひみつ道具は、まだ止まらない」

    ※2 TGS

    東京ゲームショウ。THSと同時開催のTHSより歴史の長いゲームイベント。その人気はこの為に他星から出展する会社もいる程。

    ※3 ハツメイカー

    2125年に発売されたひみつ道具。要望に合わせたひみつ道具の設計図を提供してくれる。本来ならひみつ道具の作成はひみつ道具開発者の免許が必要だが、これはフルメタルを使用しないで作れるので免許は必要なく、幅広い層がオリジナルひみつ道具を作っていた。今でもバージョンアップされており、ハツメイカーオンリーイベントが開催されている。

    ※4 インディーゲーム

    少人数低予算で作成されたゲームのこと。昔はインターネットでの配信が主流だったが、今ではインディゲームそれぞれで独自ハードが出せるようになった。因みに現在インディーゲームという宣伝をするにはIESA(Indie Entertainment Supplier's Association)から許諾を受けなくてはならない。

    ※5 ゲームセンター

    今では遊戯ひみつ道具のレンタルが主になっているが、当時はぬいぐるみ等を得るための遊戯機「UFOキャッチャー」やゲームセンターでしか遊べない体感ゲームが置いてあるのが主流でした。

    ※6 サバイバルゲーム

    実際に体を動かし武器を持ち戦闘を行うゲーム。昔は疑似的な拳銃であるエアソフトガンを使用していたが、今はひみつ道具を使う場合が多い。

    ※7 珍品堂

    現在でも営業している古道具屋シェア率No.2のお店。この頃は古道具モチーフのひみつ道具も販売していた。原子おはじき以外には「糸なし糸電話」や「だるまおとしハンマー」を販売していた。


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