アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第18話 笑顔で 前を向いて(中編)
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アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第18話 笑顔で 前を向いて(中編)

2015-08-20 23:35
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 ニコ動で『デレアニ』18話 配信中!


 前編はコチラ

 かな子と智絵里ちゃん、杏ときらり、それぞれの心の通じ合いによる進歩と同時に、それぞれの『強がり』を基点とした思いやりの交わし合いが良かったですよね。
 特に杏ときらりの互いの気遣い。「無理してるんじゃないよきらり」みたいな杏はわかりやすかったけど、実際にきらりが無理をしていたのか、あるいは逆に杏は無理をしていなかったのか。ココらへんを、ちょっと想像を交えながら考えると面白いんですよ。

○強がる彼女達
 今回のP、きらりに対しても繊細な眼差しを向けるんだよね。それはつまり杏と同じ心配。
・無理をしている? きらり

 画面上の狭さは心の重さを示す。あの爛漫で(Pの前では)いつも明るい、今回も明るく振る舞うきらりを、Pは気遣う。「奇異の目で見られることについて、傷ついてはいないだろうか」と。もしかすると、高い身長を揶揄された経験が、Pにもあるのかも。

 そして何より美しいのが、きらりはそれを知ってるって事なんだよね。きらりは色んな事を察する。自分が奇異の目で見られていることも、それについてPが気を遣っていることも、杏が気を遣っていることも。だからこその「大丈夫!」なんだ。7話でもそうだったけど、きらりはPのちょっとした変化にすぐ気付く。Pもまた「ああ、諸星さんは自分が気を遣っていることに気付いていたんだ」みたいなハッとした表情。言葉がなくても察しあう。

でもねえ……今回、きらりは常に、普段以上にハピハピだ。それは、「杏ちゃんと一緒のお仕事うれすぃ☆」と同時に、やっぱりちょっぴり強がっていた、というか無理を悟られまいと必要以上にハピハピしてるようにも見えるんだよね。「Pちゃんも杏ちゃんも、きらりを傷つけてなんかいないよ」と言わんばかりに。


 杏の「また無理してる……」みたいな背中。


凸レーションの『Let's Go Happy!!』ではなくキャンディアイランドの『Happy×2 Days』を鼻歌で歌うきらりを見上げる時も、「また杏に気ぃ遣ってる……」「本当に大丈夫かな」みたいな表情。かな子と智絵里ちゃんも心配だけど、隣にいるきらりのほうが心配っぽい。

・無理をしている? 杏

 逆に杏は……「強がっている」というよりも、「素直じゃないんだから」ってのが正しいかもね。冒頭の、いつものだらけた姿を見るニュージェネも「もう、素直じゃないんだから」みたいな表情で杏に触れる。「こいつはこういう奴」ってのが共有できてる。友情だね。

 それ以外にも「別に二人のことなんて心配じゃないし」ってのもまた「素直じゃない」部分の発露。
 そんな杏が今回唯一「素直になる」(いやあの「アメなめたーい仕事つらーいもう帰っていーい?」は除いて)のが、ここだと思う。

「素直になんないとダメだよ? じゃないと、ココがね、『きゅ~』って苦しくなっちゃうよ?」
「……きらり"も"、『きゅ~』ってなる?」
 今回、きらりと、特に杏の表情が隠れて見えないカットがいくつかあるんだけど、その最たる例がココ。そして、単純に会話の文脈からだけだと実は判断しづらいんだけど、やっぱりここは「(杏もきゅーってなる。)きらりも?」ってことだと思うんだよね。杏の本心が、素直な心が、きらりにだけ手渡される。まるで「私は本心を見せたから、きらりも本当のことを言って。辛いなら辛いって言って」みたいに。

 杏は『あんきランキング』(ホワイトボード等で表記ゆれしてる)のお仕事を最初に振られた時「すぐ終わると思うけど」って言ってたけど、本当は「すぐ終わらせたい」だったのかも。そんな、きらりの身長をネタにするような企画は。

 逆向きに置かれたおっきい靴とちっちゃい靴、補色のおっきい鞄とちっちゃい鞄(そもそも、視聴者から見える「きらりが上に、杏が下に見切れるカット」も)。自分の隣にいるだけできらりは身長ネタでいじられる。自分が横に立っているだけできらりが傷つく。そんな状況を是としたくない気持ちが、ここでようやく吐露される。本当ならPに言って然るべき事なんだけど、「キャンディアイランドの二人と離れて心配、寂しい」も含めて、まずきらりに対してじゃなきゃ素直になれない。それも杏なりの『無理』じゃなかったろうか。そしてその『無理』を、自分のことより先にきらりの事を心配する。それもまた『無理』なんじゃなかろうか。

 無理しているかもしれないきらりを、ちょっぴり無理しながら、ちょっぴり素直になりながら気遣う杏。そんな杏に対するきらりの答えもまた「無理してないよ」だった(画面の中心線に立てないのは心の不安定さの表れ。逆に、きらりに「許された」杏は真ん中に立つ。きらりのお陰で心が楽になった、暖かくなった様な表情で)

「きらりは、杏ちゃんと一緒にいるきらりが大好き」。つまり「きらりは杏ちゃんと一緒にいたいから一緒にいるんだよ」ということ。「傷ついてないよ。杏ちゃんはきらりを傷つけてないよ」ということ。
 ただ、その描写も、

おっきくなって、小さくなって、もっと小さくなって、杏の膝に収まる。端的に「甘える」という所作。映像的には「同じ気持になっていく」心的描写。これもまた、きらり流の『素直になる』だったのかなあ。裏を返せば「やっぱり辛かったけど、それは口には出さない」「けど杏が察してくれたから、ちょっとだけ甘える」という仕草。

「きらりは皆よりちょっと大きいけど、可愛い服着て、可愛い杏ちゃんと、可愛いお仕事をする。だからハピハピ。(実は今回、「杏は本当に幼稚園児みたい」「二人は違う」「母娘みたい」みたいな台詞はあっても「きらりマジでけえな!」みたいな言葉は一切ないんだよね。「きらりは大きい」って言ってるのはきらりだけ。だからこそ余計に、ここのきらりの言葉が刺さる) そんなきらり達を見てみんなハピハピ。だからきらりももっとハピハピ」
 って言葉には、「辛いよ、辛いけど、それ以上に嬉しいんだよ」っていうニュアンスも見て取れる。これも、きらりの『無理』だったんじゃないかな。それは口に出さない。けど杏より小さくなって、ちょっぴり甘えたい。そんな気持ちの現われた言葉と仕草だったんじゃないかなって。

 杏も、それを察したからこそ、「そっか、そうだね」でも「そうか、良かった」でも、あるいは「ありがとう、ごめんね」でもなく、やっぱり全然素直じゃない「重い」だったのかも。きらりが口で強がるならそれを受け容れる。そして甘やかしてもあげる。それは、17話で無理をして強がる莉嘉を受け入れたきらりでもあるようで、とても熱い。
 ただ、どこからが強がりでどこからが本心であっても、

 この笑顔は本物。

 正直、杏ときらりがどこまで強がっていて無理をしていて、どこまでが素直な気持ちなのか、多分に妄想の余地が働く箇所なんだけど、だからこそこの二人のやりとりは何度も見ていたい。お互いの思い遣り合いと察し合い、とても興味深い。

 二人並んでお仕事に行く際の花は桔梗。花言葉は「優しい愛情」「変わらぬ心」「誠実」など。稼働初期の頃からずっと一緒の『あんきら』(というより、初期のユーザー人気を受けてのコンビって側面があるよね。今回その二次創作人気を逆手に取ってのお話で、凄い切り込んできた感がある)だけど、二人の変わらない友情をこうやって描いてくれたの、とてもいい。

・無理をするかな子と智絵里ちゃん
 無理してダイエットして、本で覚えた「第一印象が大事」「姿勢を正して」を無理にでも実践するかな子。智絵里ちゃんもそれに倣うわけだけど、どちらも裏目に出るんだよね。体力を失い、笑顔を失ってしまう。
 まず本を読んで色々覚えるところから入るってのは9話と同じ。ただ、そんな『自己を啓発』するよりも先に江戸切子について勉強しておくべきだったかな。自分の問題にばかり注力して周りが見えていなかった(『小さく描かれる』は萎縮や衰退の隠喩)

 智絵里ちゃんもね、「四つ葉のクローバー」「カエルさん」、自分の内側へ向く力にとらわれていた。
 二人共、今まで決して「前へ前へ」って子じゃなかった。藻掻いたり足掻いたりって姿を見せる子じゃなかった。でも今回、無理してでもひたすら前へ藻掻く。

 でも、その『無理』は実は無駄じゃなかった。

「お菓子とかでもいいんですか?」「お花を入れても良さそう」
前を向くことで自分自身と相手への理解を深める。「シロツメクサは江戸時代のガラス製品の充填剤として用いられていた」わけだしね。

 智絵里ちゃんも、四つ葉のクローバーに拘って周りが見えていなかったけど、だからこそ「四つ葉のクローバー型のお菓子で励ましてくれる仲間がいる」ってことを思い出せた。ついでに「一緒にクローバーを探してくれるP」がいることも。


 一つ一つの努力は、その瞬間その瞬間で効果を発揮しなくとも、いつか実を結ぶ。ちょっとした気持ちの変化、今までずっとやってきたことで、前を向く。前さえ向けば、『無理』してきたことだって力に変えられる。今までずっと「自分達にできることを」やってきてちょっとずつ進んできた二人は、このままの歩みで階段を昇っていく。今まで杏に頼る事が多かった二人だけど、今回は力を借りずに頑張れた。

○前を向く、P
 智絵里ちゃんと一緒にクローバー探すPがかわいすぎるでしょう。

 『笑顔で』『前を向きましょう』と、今回智絵里ちゃんとかな子に試練を持ってきたP。今回も結構博打だったと思うけど、うまく実を結んだな。

 「それでも、笑顔を引き出して欲しかったのです」

それは、アイドル達の笑顔であり、職人さんの笑顔であり、将来的には、番組を見てくれる人や、さらに未来の話では『舞踏会』でのファンの笑顔でもあるかな。13話で未央に対し「いい笑顔でした」と言った時もそうだし、もっと言えば16話で「笑顔を」と連呼していた時もそう。この男が言う「笑顔」には幾重もの意味がある。それは、1話や2話の「笑顔です」にも通じるわけで。

 (心に力を取り戻した途端、雲が晴れてアイドルの顔に光が指す描写は、ベタだけれどやっぱり良いね)

Pの言葉でアイドル二人が前を向くための力を持てた瞬間に映る、秋晴れの空へ向かって咲く小さく可愛らしい花は秋桜。コスモス、コスモス、飛び出してゆく。花言葉は「真心」「調和」など。ピンクの秋桜に限定すると「純潔」など。本を読んで使命感を持って頑張って『作った』笑顔ではなく、心の底から引き出された素直な笑顔。取材だからとかの愛想笑いではなく、アイドルによって引き出された本当の笑顔。求めていたものは、今までもこれからもそれなんだろう。

 そして、杏ときらりを、二人の『心からの笑顔』を見てこの笑顔。

Pもまた、「ああ、二人で前を向けたんだな」と察する。無言で通じ合える関係になりつつあるね。


○他者を気遣うのは彼女達も
 談笑するラブライカまじかわいい。智絵里ちゃんの紅茶が冷めてるのを見て、何も言わずに察してあげるアーニャもいい。がんばる人を励ますのは4話からずっと変わらないアーニャの作法。

 本に思い切り集中している二人を気遣い、励ますラブライカはいつもどおりの暖かさと包容力(アーニャのポンポンはどっから出したんだ)。17話じゃキャンディアイランドが莉嘉を励ましていたけど、今度はラブライカがキャンディアイランドを励ます。13話の苦い思い出があるのか、ちょっと複雑な表情で。やっぱり、この子たちの間で思い遣りがグルグル循環している。ラブライカもまた、誰かに励まされる時が再び来るんだろう。


○『先輩』としてのニュージェネ
 敬語の奈緒加蓮が想定外すぎる!


 「失敗すれば解散」にシリアスな表情の凛、ちょっぴり暗くなる卯月。でもそんな時こそ「リーダー」未央の出番だな!

そんな深刻な状況を後輩二人に見せていたら暗くさせてしまうという点も含め、ここで奮起できるパッションを持つのが未央。

 そしてそんなリーダーを頼もしげに見つめる凛と卯月の眼差しがほんとうに良い。未央は、リーダーとしてチームをまとめる力、先頭に立って進む力、そして信頼をちゃんと身につけつつある。そして12話のように無理に焦るのではなく、後輩にまで向けられる目も持ち始めた。

 CDデビューしていなくても、まだ見習いでも、一緒にがんばろう! って誘う未央と凛は、なんだか2話の美嘉のようだ。一人一人じゃまだまだだけど、チームでならあの地点までまた飛べるのかもしれない。未央、そしてニュージェネレーションズのこの成長、熱い。



 
 というわけで、今回メインだった4人+αを見てみました。少し想像も入っていますが。
 
 後編では、『造反組』やブレインズキャッスル司会二人などのアイドル達、そして今回の『お仕事』と常務ちゃんなどについて。


 それでは、佳きアイマスライフを。


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きらりは4話から杏を追いかけていたんで、念願叶っているんですよねぇ。みんながレッスンしている間も真っ先に仕事を任されていたくらいなので、本来この二人は最初から個々の能力は高い(奇異な目で見られたことも知って、分かって生きてきている)。けど自分一人じゃできないことを、それぞれのユニットで見つけてきたから、ラストもあっさり息を合わせて手のひら大成功も決められたんだと思いたいです。
46ヶ月前
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杏ときらりは今回二人でちょっとだけ成長して、またそれぞれのユニットに戻っていくんですよね。今回の4人の成長が今後どんな場面で生きてくるのかもまた楽しみです。
46ヶ月前
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