• 憲兵=サンのメンポ

    2016-10-19 21:18

    デッサンモデルがないなら自作すればいいじゃない、という事で憲兵=サンのメンポを自作してみました。

    材料はこちら
    ・石粉粘土×3
    ・土台にしたドクロオメーン
    ・塗装用のアクリル絵の具

    まずは土台のオメーンに粘土を盛っていき、基本的な形を作ります。

    徐々に形を修正していきます。

    乾燥させては粘土を継いで修正の繰り返します。


    最後に塗装して出来上がりです。鋼鉄(石粉粘土製)メンポには「憲」「兵」の二文字!


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  • ワタシガイルジャナイ(5-5)前日談

    2016-08-15 00:46

    色を失った南方の都市ラバウル。火山灰で灰色に染まった光景は、さながら古事記に記されたマッポーカリプスの終末世界。巨大な鋼鉄対空トリイが睥睨し、無尽蔵の如き大兵力を擁するラバウル基地を中心とした灰色のメガロシティは、如何なる深海棲艦の大艦隊を持ってしても攻略不可能な不落の要塞。 1

    かくの如き決戦都市の中にある南海憲兵隊の本部。ここは法と秩序を崇める顔の無い司祭たちの祭壇にして、陸海合わせて9万余りの将兵を見張る監軍の城である。その憲兵本部地下、軍用ボンボリに照らされた薄暗い防空壕。 2

    壁には古代エジプトのアブシンベル神殿を思わせる荘厳なレリーフが刻まれ、その上には神々しい光を放つ、巨大な旭日が描かれている。壕内にしつらえられた彫像たちは、その全員が不吉な憲兵装束に身を包み、エジプト的な軍刀や拳銃のようなものを握っているのだった。 3

    見る者の正気を瞬時に奪いかねない光景である。地下壕の中心には軍人が二人。一人はテイラーメイドの上等な軍服に身を包み、絹製の白い手袋で手を覆った憲兵大佐。もう一人は鋼鉄メンポの憲兵曹長である。メンポに刻まれているのは、禍々しい「憲」「兵」の二文字。 4

    「モリタ曹長、街外れの廃屋にレ級が1隻潜伏してるのを知っているかね」大佐が威厳に満ちた声で曹長に問う。彼女のバストは平坦であった。 5

    「はい大佐。一年近く前から潜伏しているようです。ですが特に何をするでもなく、件の廃屋に住む少年と暮らしているだけの様子。人を襲う事もないようなので、小官は危険なしと判断しておりましたが」曹長が静かに答える。 6

    「余もそう思う。だが海軍はそうは思わなかったようだ。明日の夜に艦娘を含む奇襲部隊で廃屋を襲撃、レ級を殲滅する気らしい」大佐は骨めいて白い髪を弄りながら言った。 7

    「だが余としては、街はずれとはいえ市内でレ級相手にドンパチされるのは困る。街に損害が出ようものなら、補償問題の交渉は我々の仕事ではないか……」彼女の声に僅かな怒気がこもる。 8

    「そこでだ、モリタ曹長。海軍の襲撃よりも前に、潜伏中のレ級をとにかくなんとかどうにかせよ。貴官なら出来るだろう?」「……了解しました。ですが出し抜くような真似をすれば、また海軍がクレームをつけてきますよ」「適当にあしらっとおけばよい。ネイビーなんぞクソ喰らえだ」 9

    大佐は、漆塗りの額に飾られた恐るべきショドー・スローガン「陸主海従」を仰ぎ見た。「大佐、憲兵は……」「不偏不党、厳正中立であろう? 余もかつては心掛けていた。だがやめた。ネイビーと意見が合わなくてな」 10

    海軍だ、陸軍だと、また意地の張り合いである。メンポの憲兵は大きくため息をつき、防空壕を後にした。 11



  • 陸戦隊員と憲兵と

    2015-08-10 22:534

    「そろそろいいか」鋼鉄メンポの憲兵は隠密飯盒炊爨にて炊いていた飯盒を土中より取り出した。「さあ、出来たぞ」飯盒が部隊の仲間に配られる。イガラシ大尉率いる急拵えの艦娘陸戦部隊は今、ジャングルの只中で野営中であり、同行している憲兵が見つけてきた食料で腹を満たそうとしていた。 1

    阿賀野、初霜、あきつ丸、まるゆの4隻がそれぞれ飯盒を開く。コメの上にはオーガニック・オオトカゲの肉がのっており、肉汁が染みている。「「「イタダキマス!」」」憲兵、あきつ丸、まるゆは躊躇なくこれを食べる。阿賀野、初霜は逡巡していたが、陸軍組のそれを見て、自分たちも食べ始めた。 2

    イガラシはなかなか食べる決心がつかなかったが、憲兵に「大尉殿も遠慮なさらずに食べてください。いつ深海棲艦のアンブッシュがあるかわかりません」と言われてしまい観念して口に運んだ。 3

    まだ日中だというのに周囲は既に薄暗い。頭上を樹木に覆われているジャングルでは、日が傾けばあっという間に夜が来る。今日はここで夜を明かすことになるだろう。 4

     ◆

    月明かりすら届かぬジャングルの夜は完全な闇であり、明かりは隠顕灯のみである。イガラシは陸戦隊用の懐中電灯も持ってはいるが、電池の消耗は極力抑えたい。艦娘たちは今は眠っており、見張りはイガラシと憲兵の二名だ。その憲兵は先程から万一の敵襲に備えて、ナリコを周囲に張り巡らせている。 5

    ナリコとは、手榴弾の信管にワイヤーを結合した危険なブービートラップであり、敵が罠にかかれば、爆音で即座に存在に気づくことが出来る。イガラシはこの自分に気を払うでもない憲兵の行動に少し拍子抜けしていた。 6

    それというのも、艦娘陸戦部隊に憲兵が同行している理由は、イガラシが艦娘に手を出さないように見張るためだからだ。表向きには憲兵同行のそれらしい理由を説明されたが、それがあからさまな欺瞞である事がわからぬイガラシではない。 7

    陸上戦闘の専門家として提督の代わりに艦娘達の指揮を任されたイガラシだが、どうも自分は男としては信用されていないらしい。「モリタ曹長、おれを見張っていなくてもいいのか?」ただ任務に従っているだけの憲兵に、同行理由について鎌をかけるのは、イガラシの理不尽な八つ当たりである。 8

    そんな事は承知の上だが、イガラシは嫌味の一つも言いたい気分であった。「……大尉殿は艦娘に異性としての興味はないのでしょう?」イガラシの問いに、憲兵は振り返らずに答える。鎌をかけたところで、適当にはぐらかされるだろうと思っていたイガラシにとって、憲兵のこの答えは意外であった。 9

    イガラシは憲兵というものは基本的に陰険で融通が効かないというような印象を持っていたが、どうもこの憲兵はあまりそういったタイプでは無いようである。「そりゃあそうだろう、普通。艦娘は船だ。船とセックスしたいと思うなんてどうかしている」 10

    「それは大尉殿が女性に不自由していないからではないでしょうか? 裸の艦娘を前にしたら、大抵の男は理性なんて吹き飛びますよ」憲兵はイガラシと話しながらも、油断なくナリコを仕掛けていく。その姿は、まるでドサンコ・グリズリーを狩る猟師のそれである。 11

    「モリタ曹長もそうなのか?」「自分には妻子がいますので。ですが……独り身であれば、飛龍=サンあたりにアプローチをかけていたかもしれませんね」 12

    大抵の憲兵ならタテマエだけは『慾情に駆られて本心を失うなど、軍の威信を損じる事である』とでも言いそうなものだが、この鋼鉄メンポの憲兵は、見た目だけでな中身も変わり者のようだった。 13

    「意外だな。戦陣訓めいた模範的回答が返ってくるかと思ったが。だが曹長、艦娘は人間じゃないんだぞ? 人間が人間以外とセックスするなんておかしいだろ」 「……大尉殿、小艦は人間ではありませんよ」そう言って、闇の中で振り向いた憲兵の双眸は燃えるように赤く光っていた。 14

    憎悪に満ちた赤い光。イガラシはその眼をよく知っていた。(……深海……棲艦!?)いつの間にか軍帽を脱いでいた憲兵の髪は腰よりも長く、肌はオバケめいて青白い。そして額には二本の角。イガラシは思わず息を呑んだ。 15

    「これでも元はちゃんと人間だったのですがね。郷は南部の方でして。それに大尉殿、古事記には人間が人外と交わる話などいくらでも記されていますよ」憲兵は言いながら軍帽をかぶりなおす。それと同時に眼の光も消えた。 16

    「さて、そろそろ小艦は阿賀野=サンとの交代時間ですね。大尉殿、すみませんが少し眠らせてもらいます」「了解した。しかし曹長、寝てる間におれの理性が吹き飛ぶとは思わないのか?」イガラシは皮肉交じりに冗談めかして言った。 17

    「小艦は大尉殿を信用しています。それに吹き飛んでも大尉殿なら無理やりという事はないでしょう。ならば小艦が口を出すことではありません」「ほとんど初対面の相手を随分と評価してくれるんだな」「ほとんど初対面でも、大尉殿の事は調べあげてありますので」 18

    イガラシはため息をつきつつ「まあ、そうなんだろうな」と呟いた。憲兵の最大武器は拳銃でも軍刀でもなく情報なのだ。「どこまで知っている?」「出生地、家族構成、経歴、女性関係はもちろん、使用している拳銃や、タバコの銘柄まで」まるでフィクションに出てくる暗黒非合法探偵である。 19

    「仕事熱心なことで」イガラシは驚き半分、呆れ半分であった。「だが、あきっちゃんやまるゆに手を出したら、陸さんは怒るんじゃないか?」「その時は、イガラシ大尉は深海棲艦との戦闘で名誉の戦死を遂げられた……と、そう報告することになります」憲兵も冗談めかしてイガラシに答える。 20

    だが、イガラシを見る憲兵の眼は、まったく笑っていなかった。コワイ!「後ろ弾で死ぬのは遠慮したいな。それじゃあ、オヤスミ」「オヤスミナサイ」就寝のアイサツをして、憲兵は静かに阿賀野を起こすと眠りについた。 21

    起こされた阿賀野は寝ぼけているのか「大尉=サン、オファヨ~」とイガラシに気の抜けたアイサツをした。「ああ、オハヨ」イガラシも阿賀野にアイサツを返す。眠っているはずの憲兵は寝息などはたてておらず、はたからは本当に寝ているのかもわからない。 22

    睡眠中であっても、憲兵は全方位に対してカラテ警戒を怠っていないのだ。任務前に憲兵の同行を聞かされた時は、(戦力としては期待できんな)と思っていたイガラシだが、熟練の戦士である彼の目から見て、憲兵のワザマエがヤバイ級である事は疑いようがない。 23

    実際戦力としては頼もしい限りである。だが、そのヤバイ級のカラテが、場合によっては自分に向けられるかもしれない事を思うと、イガラシは憂鬱でもあった。(やれやれ、あきっちゃんが誤解を招くことを言わないようにブッダに祈るしかないな) 24