スク水を額に当てて、魚雷を咥え、目を閉じろ。資材の悪夢が浄化される。
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スク水を額に当てて、魚雷を咥え、目を閉じろ。資材の悪夢が浄化される。

2015-02-15 09:10
  • 1
(これまでのあらすじ:時雨に付き添われ、護衛退避していたヤマシロ。戦列を離れ、鎮守府に帰投していた2隻だったが、帰投中に戦艦レ級の襲撃を受けてしまう。ヤマシロを庇い、時雨までもが大破。徐々に追い詰められる2隻。モハヤコレマデか!)

「……不幸だわ。ブッダもオーディンもいないのね」おお、ナムサン! もはやこのマッポーの海域に、救いは無いのだ!  ……だがその時! 突如、巨大な水柱が上がり、海中から背負い式ネ20エンジンを装備した謎の深海棲艦が、乱入してきたのだ! 一体何者か!? 誰が彼女を呼んだのか!? 1

セーラー服にテング・オメーン! その両手には赤漆塗りの自動拳銃!「誰ダ!? 貴様ハァ!?」レ級が狼狽し、謎の乱入者を指差す。「ソ、ソノテング・オメーン、モシヤ、貴様ハ!」レ級の脳裏に、ある空母棲姫の名が浮かんだ。 2

自身も深海棲艦でありながら深海棲艦を狩る空母棲姫、孤独なるボーキハンター! 「……巡洋戦艦、アマギ天狗参上!」アマギ天狗のどこか赤城めいた声が海原に響く! (((ワッツ? 巡洋……戦艦ダト? コイツハ一体、何ヲ言ッテイルンダ?))) 3

「ド、ドーモ、アマギ天狗=サン、ムスペルヘイムデス」ただならぬ存在感と口上に気圧され、レ級はアイサツを決める。その時! 「ザッケンナコラー!」バイオ直結された赤漆塗りの自動拳銃「長鯨」が、論理トリガによって艦載機60機を高速射出する! KRA-TOOOOOOM! 4

「ンアーッ!?」アイサツを完了していないレ級! この宣戦布告を無視した奇襲を受け、戦艦レ級は吹き飛んだ! 「やっぱり不幸だわ!」異常な事態に、身を屈めて恐怖におののくヤマシロ! 「サヨナラ!」レ級は爆発四散! 轟音……そして静謐。散り際のレ級の顔は憎悪に満ちたものであった。 5

「主砲全弾撃チ尽クシ。今回モ、紙一重ノ勝利デアッタ」アマギ天狗の声と波の音だけが、海に響く。アマギ天狗は彼女にしか見えないイマジナリー40サンチ砲の熱をその身に感じ、静かにザンシンした。「ハァーッハァーッハァーッ……あなたは一体」 6

ヤマシロは失禁を堪えながら、謎の深海棲艦を見上げていた。アマギ天狗は返事を返さない。「……ダイソンハボーヲ振リ上ゲ、提督トソノ秘書艦ノ前デ鎮守府ノ資材ヲ打ッタ……燃料ハ枯レ果テ、バケツハ尽キ、艦娘ハ出撃デキナクナッタ」 7

アマギ天狗は意味不明のチャントを呟きながら、爆発四散したレ級へと近づく。「……スマンナ、本当ニスマン」その声は、小さく厳かだった。「私ハ、オ前タチ全員ヲヴァルハラヘ送リ返ス。私ガアノ日オ前タチヲ解キ放ッタノダカラ……」アマギ天狗はカンパンを2枚取り出すと、レ級の両目に重ねた。 8

続いて、自らの黄金水とスピリタスを秘密の割合で混ぜた聖水入りの銀製スキットルを取り出し、それを振りかけて火を放った。「ブッダエイメン!」……これは彼女が考えた深海棲艦の荒ぶる御霊を鎮めるためのモージョーであった。彼女は狂っていた。 9

このアマギ天狗という深海棲艦は、果たして何者なのか。鎮守府にいるはずの天城の存在を考えれば、彼女が雲龍型航空母艦でないのは確実である。
では、実際ただの狂人なのか!? それとも天狗なのか!? あるいは!? アマギ天狗は燃えるレ級から離れ、今度はヤマシロの方へと近づいてくる。 10

彼女が何故レ級を倒したのかヤマシロにはわからないが、それでヤマシロと時雨が救われたわけではない。レ級という脅威は消えたが、レ級以上の脅威が自分たちに迫ってきているのだ。状況はむしろ悪化している。……ヤマシロは死を覚悟した! 11

「本当に不幸だわ……。せめて、時雨=サンだけでも!」だが……ヤマシロの予想に反して、アマギ天狗は攻撃するどころか、ヤマシロに手を差し伸べたのだ! ヤマシロは何が起こっているのか理解できず、アマギ天狗に引き起こされると呆然と立ち尽くした。 12

「マタ深海棲艦ガ出タラ私ヲ呼ブガイイ。サラバ!」呆気にとられる2隻を残し、アマギ天狗は現れた時と同じように、海中へと消えてゆくのだった。ヤマシロは呆然と海面、そして炎に包まれたレ級を眺めていた。レ級を包む炎は次第に弱くなっていく。 13

それはまるでレ級の憎悪の火が消えていくようでもあった。炎が完全に消えるとレ級は艦娘へと姿を変えていた。アマギ天狗のエクソシスト的儀式がドロップ現象を引き起こしたのだ。
聞こえるのは波の音と、ヤマシロを呼ぶ時雨の声。 14

(((もうやめましょう、深く考えるのは。ニューロンに悪いわ)))ヤマシロは狂気のイクサ場を後にし、時雨とともに再び鎮守府を目指す。駆逐艦になった元レ級を抱えて。 15

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆艦◆
ニンジャ型録
【アマギ天狗】
皇國の使者を自称する空母棲姫。自分をアマギなる巡洋戦艦だと思い込んでいる。同じ名前だが、雲龍型航空母艦の天城とは特に関係ない。地震に重篤なトラウマがあり、背負い式ネ20エンジンを装備しているのは地震対策のため。
◆艦◆

◆艦◆
ニンジャ型録
【ムスペルヘイム】
通常の三倍の脚力を持つの戦艦レ級。だが、宣戦布告を無視したアマギ天狗の奇襲により、そのカラテを発揮する事なく爆発四散する。イクサの世界は甘くはないのだ。アマギ天狗の儀式により荒御霊を鎮められ、とある駆逐艦の艦娘へと姿を変えた。
◆艦◆

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ドウモ、ワタリ=ニンジャサン

儀式ってスゴイ!

山城=サンと元レ級=サンの報告を受けた提督のハートは・・・

最後にアマギ天狗=サンのこれからに祈りを・・・
64ヶ月前
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