アイドルマスターショートショート「小鳥さんが一番」
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アイドルマスターショートショート「小鳥さんが一番」

2013-08-21 03:40

    ここは765プロ事務所、今日も平和である。 俺はこの事務所のP(プロデューサー)である。 この事務所は女性のアイドルだけのなので、いつも楽しく姦しい感じだ。

    亜美「兄ちゃん、彼女にするなら亜美と真美どっちがいい?」
    真美「もちろん、真美だよね。このサイドテールに兄ちゃんはメロメロっしょ」

    本当に平和である。いつものように亜美と真美の俺いじりが始まる。 思春期の女の子の適当な会話。本気で俺の事が好きなわけでもない。 この空間にいる男に話を振ってみたいだけなのだ。

    当然、俺にロリコンの趣味はない。十歳近く下の女の子は 恋愛対象とかそういうレベルの話ではないし。

    二人に舐められているのか、近い存在だと思われているのか。 俺はからかい易いキャラなんだろうなと自己分析している。 同じPの律子と比べれば百倍近く、ちょっかいは出しやすいと思う。

    P「まだまだ、二人は子供だからどっちと言われても」
    亜美「照れなくてもいいじゃよ。竜宮小町で人気が鯉登りの亜美に照れるのも仕方なし」
    P「何だよ、『鯉のぼり』じゃ子供の日になっちゃうだろ。鰻登りだって」
    真美「えー、真美達の事、あくまで子供扱いするんだ。中学生になって身長もこーんなに伸びたし 、おっぱいだって急成長中だよ。本当に贅沢だね、兄ちゃんは。あっ、兄ちゃんはPだから自分でPしてる子 の方を大事にした方がいいじゃないのかな」
    亜美「ちょっと、真美。そういうのはズルだよ。どっちかといえばでいいからね。兄ちゃんの素直な気持ち を聞かせてほしいだけ。ね、いいでしょ、兄ちゃん。お願いだから。」
    P「……何でそんなに必死なんだ」
    真美「負けた方がアイス奢る約束だから、なんでもいいから決めてよ。」

    とても困った事になる。 俺にとって二人はどっちも一緒だ。見た目も似ていて性格も似ている。 双子だから当然だ。 違う必要もないし、同じ良さ(明るくて元気がいい等)は見て取れる。 二人はよく一緒にいて同じくアイドルをやっている。似ることは必然とも言えるだろう。

    二人は二人なりに頑張ってアイドルしている事は、身近な俺にはよく分かっている。

    そして、どちらかが上だ、下だ、何て言ったら二人のどちらかが凹むだけでとても良くない。

    P「二人は同じくらい魅力的だろ。二人とも売れっ子のアイドルじゃないか。明るくてかわいい亜美と真美をファンのみんなは大好きだろ」
    真美「そういうのはいいから。真美だよね」
    P「同じです」
    亜美「亜美だよねー」
    P「同じく二人ともかわいいって」
    亜美・真美「うー、むぅー」

    真美「じゃあさ、兄ちゃんが765プロで一人を選ぶなら誰がいいの?」

    もっとやっかいな事になってきたぞ。どうすれば、この場が治まるんだ。 誰と答えても角が立つし、答えないとこの場から逃げられそうにない。 俺は動けないまま、額から汗が垂れて来るのを感じている。しかし、何でこんなに食い下がらないんだ。

    亜美「やっぱ、センターっぽい、はるるんかな」
    真美「いや、ミキミキっしょ。ハニーは駄目なんて言って、本当は超嬉しいんだよ」
    P「あ、あのなあ、うちの子をそんな目で見てないって。」
    亜美「あー! 亜美達に足りないのは大人の色気なんじゃ。これはお姫ちん狙いだったか。白い肌、大きな胸、男性は惑わされますな」
    真美「あずさお姉ちゃんも胸はすごいよね。」

    俺は二人の高いテンションに押し込まれてしまう。 困りながら顔背けると音無さんと目が合う。

    そうだ、ここは音無さんに助けてもらおう。 俺は目で音無さんに合図を出して切り出す。

    P「765プロといえば音無さん、いや小鳥さんが一番です。ねっ小鳥さん」
    小鳥「本当ですか! みんなより私がいいんですか! 」
    P「当たり前じゃないですか。小鳥さんが765プロで一番魅力的です! 」
    亜美「そりゃ、ピヨちゃんは確かにかわいいけどさ」
    真美「真美達を騙そうってそうはいかないよー」
    小鳥「Pさん、私とっても嬉しいです。アイドルのみんなより私の方が好きだなんて」

    ノリのいい音無さんは俺に胸に顔をうずめて来る。よし、こうなったらとことんやるべきなんだ。 俺は音無さんをきゅっと抱きしめる。

    P「俺は小鳥さんが大好きなんです! 」
    真美「えええー。兄ちゃんはピヨちゃんの事が好きだったんだ。……全然知らなかったよ」

    これで亜美も真美も下らない事を当分は言わなくなるだろう。 しかし、二人はどこへ行ったんだ。まあ、いいか。これで丸く収まったんだ。

    P「音無さん、もういいですよ」
    小鳥「ふふふ、そうですね。続きはまた今度にしましょうか」
    P「音無さん、からかわないで下さいよ」
    音無さんと演技とはいえ、触れ合えるとは役得だったな。 俺、ちょっとにやけてるかも。 俺が少し気を抜いていると、いつの間にか周りに765プロのアイドル達が集まっている。

    伊織「ちょっと、あんたたち何やってんのよ。事務所内でいちゃつかないでよね。」
    響「亜美と真美がさ、ぴよ子とPはラブラブでやばかったとか言ってたけど、冗談じゃなかったんだな」
    美希「P、好きな人がいるなら、ミキにちゃんと言って欲しかったな。ミキ、バカみたいだね」

    亜美と真美がみんなを呼んで来て、事務所は大騒ぎになった。

    俺はアイドルみんなに色々な誤解を与えて、当分の間ギクシャクとした日々を送ったのだった。(おわり)


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