機動戦士ガンダムUC -ラプラスの箱とはなんだったのか?-
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機動戦士ガンダムUC -ラプラスの箱とはなんだったのか?-

2016-04-18 08:15
  • 4
ラプラスの箱の正体は、宇宙に住む民(スペースノイド)が地球連邦に反抗する大義名分であり、心の支えに成り得る存在だった。
ラプラスの箱の中身とは

地球連邦政府(各国の代表者が参加して出来た地球統一国家の様な組織)が掲げたオリジナル憲章が刻まれた石碑である。

ラプラス憲章若しくは、宇宙世紀憲章と呼ばれるものである。


   なぜラプラスの箱を巡って争いが起きたのか?

ラプラス憲章の内容を一般に公開する直前、テロによる隠匿が行われオリジナルの内容から一部の条項を削除したものを地球連邦政府は長らく掲げてきました。
つまり、偽物の憲章であったわけです。

第15条
 一,地球圏外の生物学的な緊急事態に備え,地球連邦は研究と準備を拡充するものとする。
 二,将来,宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合,その者たちを優先的に政府運営に参画させることとする。
これが削除され隠蔽された条文の内容です。

そもそも、地球という限られた環境で増えすぎた人類を賄いきれない状況を打破する為に宇宙という新天地に進出していこうという理念のもとに作成されたものなのです。

地球連邦政府首相官邸を宇宙に設置するなど、率先して政府が当時の民衆に希望や夢を説き、これから宇宙で生活をはじめる開拓民の未来に対する誠意が「第15条」だったのです。


この様な背景があり当初、ラプラスの箱の価値はオリジナル憲章を隠蔽改ざんした事実を、公の場に公表されると困るスキャンダルのネタでしかありませんでした。
とはいってもあれだけ大きな代償を払って隠匿したとなると火消しが大変ではあります。
そこをうまくビスト家は、交渉材料にしたのでしょう。

そして時代は進み、次々と宇宙移民者(スペースノイド)は増えていき人口比は逆転、スペースノイド自身も自給自足出来るまでに成長します。

一方、地球連邦政府の取り続けた政策はスペースノイドから搾取するばかりで、地球に残った権力者(アースノイド)との格差が広がっていきます。

その不満が爆発し、スペースノイドの自治権を求めて戦争をはじめた物語が富野監督の手掛けた「機動戦士ガンダム」(通称ファーストガンダム)という作品です。


この戦争、一年戦争と作中で呼称される事件がラプラスの箱の価値を変質させます。

ただの政権批判や抗議活動からはじまった戦争ではなくなり、現在の地球連邦政府の存在を根本から否定する戦争という性質を付加させる存在になります。

宇宙産まれ、宇宙育ちの世代まで誕生している現在において15条に記載されている「宇宙に適応した新人類」が示すものはスペースノイドであるという考えも可能となるからです。


ありていに言えば、スペースノイドが権利を主張する大義名分であり自らの正当性を担保するものになるのです。

乱暴な例えにはなりますが、リアルの世界でエルサレムという聖地をめぐって何百年も現在進行形で争いが絶えない状況を想像してみれば、大義名分がどれだけ重要であるか理解の一助になるかと思います。

長い年月、アースノイドを優遇してきた地球連邦政府の政策に大きな方針転換を迫られる事態を恐れたわけです。




ガンダムUCという作品は、ラプラスの箱を抱えるビスト財団の一部の人間が連邦との裏取引を反故にしてスペースノイドの権利を主張するネオジオンに引き渡そうと企む所から始まる物語です。

なぜラプラスの箱そのものを渡さずに、ありかのヒントとなるユニコーンというMS(モビルスーツ)を用意したのか、NT-Dというシステムはどうして搭載されなければならなかったのか。

沢山の見所がある作品ですが、ラプラスの箱の重要性を理解しておくとより楽しめるかと思います。






画像転載 アニメ 機動戦士ガンダムUC各所


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しかしUCから50年後のVガンダムの時代を見ると、地球と宇宙の和解(というか、連邦政府の弱体化によるなし崩し的なコロニー側のパワーパランス向上)の結果、今度は宇宙戦国時代に移行して、今度はスペースノイド同士で戦争し合うようになったわけで。
ラプラス憲章の公開は、意味が無かったわけではないが、人間の愚かさがダイクンやビストの思惑を上回ったのが「結果」の物語でしたね。
54ヶ月前
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コメント有難うございます。
ガンダムUCは、すでに過去作品で歴史の結果が決まってたのでうまいオチを考えたもんだなぁと関心する事しきりでした。

1コメですしこれ以上、コメントはなさそうなのでグリムガルの記事コメントで言ってた本文で主張は本文にて~の件に関して今回はご容赦を(;´・ω・)
54ヶ月前
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UC毎週楽しみ観てます、一部では切り貼りだとか言う評判を聞きますが、テンポもいいし、OVA版未視聴なのでかなり楽しめています。以前このUC小説版の話をトヲルさんと話されてたので気になってたのでよかったです。
53ヶ月前
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おはようございます。本文では触れてませんが、La+システムが各地で見せたかったものを端折ってると言った意見をトヲルさんがしたのはよく覚えてます。

宇宙世紀元年の時にすでに少年だったサイアム・ビストがUCの時代までムリして延命したのは世界の行く末を見届けたかったからなんですよね。そして、自分の見てきた歴史を、ラプラスの後継者にも見てほしかった。

あのお爺さんは、あの歳になって箱は自分の手に余るシロモノだと怖気づいてしまったので次世代に丸投げした。
自分はそう解釈しています。
53ヶ月前
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