つるまこ、演劇やめるってよ の肆
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つるまこ、演劇やめるってよ の肆

2018-05-15 15:35
    ひたすら提督業に勤しむ今日この頃。シスターサラはLV90になりました。何という贔屓の引き倒し。だって可愛いのだもの、仕方ない。

    小劇場演劇業界の闇に迫る『つるまこ、演劇やめるってよ』の第四弾です。需要がないのは火を見るよりあき竹城。それでも書くのは人としての業なのか、15年端っこながらも関わってきた界隈への恋慕の情か。いや未練か。

    公演が近づいて台本もほぼほぼ仕上がり、結末が見えてそこへ着地するための役作りに励む傍ら、下着泥棒の仕事着として黒の全身タイツを支給される。やったよ、母さん。念願の全身タイツを着る機会が僕にもやってきましたよ。しかしながら全身タイツというものは本当に身体のラインがものっそい出るもので、胴長短足の我が身をこれでもかと思い知る思い。これ芝居観たお客さんに言われたけど、

    「スーツ着て眼鏡してるとそれなりに格好はつくけど、全身タイツだと足短いね。」

    大谷並の剛速球を投げる女の子は大好きです。ミット越しに胸が抉られました。和装が似合うよね、とか日本語には婉曲表現があることも覚えてほしいもの。

    で、またこの全身タイツがなんというか…そのあそこがですね…股間のところがものっそいクッキリ出てしまうものなんですね。この公演終わった後に観に行った芝居でも全身タイツを着たキャラが出てきたんですがね、始末をしていなかったのかその…股間が…モロに…。

    その役者さんに比べれば大業物とも言えない、いや何だったら女子の懐刀とでもいえばいいのかというおっちゃんの一振りがですね、パンツ一丁で着ると目立つわけですよ。一応出っ張りになりますから。それを見た演出からまた心を抉る一撃を。

    「あのさー。それどうにかならない?そんな粗末なものでも見たくなくても目がいっちゃうんだよねー。」

    すみません。振るう機会もなく、日夜鍛錬・研磨は怠ってはおらずとも刀身の伸びないナマクラですみません。でも強度だけはそれなりに…

    「あ、んじゃちょうど自転車用にもなるんでレーシングパンツ買ってきます。スパッツみたいに抑え込むと思いますんで。」

    これは流石に自腹。税金の支払いで追われている最中の8000円の出費。今も愛用しています。

    この全身タイツからシーンを挟んでそれを脱いでスーツに着替えるという早替えの亜種であったり、そのスーツから着物に着替える早替えであったり、この舞台はとかく早替えのシーンが多く鍛えられました。眼鏡してたりしてなかったり、小物をどこに置くか仕舞うか等、台詞よりもそんなことを覚えて体に叩き込む作業のほうが大変だった記憶。
    時間的に無理じゃね?というところも何とかこちらから考案し、んじゃそれで、というカタチでどうにかしていって。

    あぁ、芝居中でボルダリングをするところがあって、態々稽古場から近いからってんで本物のボルダリングもやってみたりしましたな。それが本番に反映したかどうかはわかりませんが。

    本番まで一か月をきり、ラストまでの流れが分かったところで急遽台本の改定。
    役者としては有難いと思うところでしょうが、自分の台詞は後半ものっそい増えていました。
    「良かったじゃない、台詞増えて。」とは台本を書く演出の言。笑顔で。
    「えぇ……。」と精いっぱいの笑顔で応え……ちゃんと笑顔が作れてたか今となっては確かめようがない。

    ここらへんからは正直記憶がない、というか記憶しておきたくなかったのだろう。いつ寝るの?という稽古スケジュール。いや、ギリギリまで仕事は休めませんと、それはこちら側の問題ではあるのだけど、だからといって完全に劇団側、仕事を完全に休んで「昼型生活サイド」の物差しで作られた日中通しの稽古の連続。こちらは夜勤の夜型人間のサイクル。通常なら稽古は夕方からなので、仕事終わりで帰宅して就寝、早めに起床、稽古して仕事に行く。が、仕事終わりから稽古場へ直行、風が冷たくなってきた季節に稽古場前で荷物に埋もれるようにしながら(もしくは駅のホームで)仮眠して、稽古をしてから職場へ直行。風呂に入れない日も何日かあったり。
    土曜だから一日通しと言われても、こちらはシフト上土曜であろうと仕事のある身で、流石に音を上げて、

    「すみません、今度の土曜昼の通し(稽古を止めずに最後まで芝居をやりきる)なんですが、流石に限界きてるので夜だけ参加にしてもらえませんか?」

    と言ったら
    「スタッフさん来るのに通しできないんじゃスケジュール合わせた意味なくなるじゃない。」
    とのお言葉。うーん、できればおいらのスケジュールも合わせて欲しかったなぁ。
    妥協案として13時入りの稽古を15時入りにしてもらうというところに決着。2時間、2時間かぁ……。
    その日はもうむしろ寝坊が怖くて寝られず、13時過ぎには稽古場最寄りの駅に到着。おいらに合わせて15時入りのはずの相方の女優と喫茶店で台本の読み合わせをして、時間をずらして稽古場入り。逢引きかよ。
    音合わせ、装置の転換等もあるから気合入れてここは乗り切ろう!と勇んで行けば、舞台監督は急用で稽古終わりに打合せで来る、音響さんも仕事で夜からの参加とのこと。

    ( ^ω^)それなら寝かせてくれよ……

    この期間でどれだけのエスタロンモカを飲用したか。ありがとうエスタロンモカ。もう職場で「お薬について何かご質問ございますか?」「ありません。」って自分一人言いながら購入してたよね。バファリン売れる役者の需要はありますか?「ありません。」

    五人の中で一番ペーペーな役者だからここは我慢して食らいついていかないとならない。
    そんなある日、稽古序盤の皆でストレッチからの筋トレというものがあって、大体が主宰の音頭で進むのだけど、この日は主宰が遅れてくるというので、何故かおっちゃんが音頭をとって進行することに。

    「いやいや、そこは演出にお願いしますよー。」
    「主役だろー。座組を纏める義務があるんだからやって。」
    「アッハイ。」

    などというやり取りがあり。
    これには劇団ごとにやり方があるので、まぁ散々やってきたから大方の流れは把握していたからそれを踏襲しつつ、自分のいた劇団のものをアレンジで入れたり。ストレッチはそれで何とかなった。で、筋トレ。
    ここに至って、我が肉体はまぁ何とか人前に晒せる程度にはなってきていた。オファー当初76キロあった体重は70キロに落ち、体脂肪率も21%あったのが15%をきるところまで、腹筋も軽く割れてきていて、我ながら悪くないじゃなーい、と思うくらいににはなってきていた。
    稽古初めの頃キツく感じていた筋トレも大分こなれてきていたので、ここでちょっとやり返してやろうと思ったのだ。

    腹筋、背筋、体幹トレをそれぞれやった後の〆に腕立て伏せ。
    ここの腕立て伏せは1で軽く腕を曲げ、2で更に腕を曲げて体を沈め、3で1の状態に戻し、4で戻すというやり方。これを10回そこにいる人数分セット。その時は四人だったから4セット。
    で、自分が最後になるように回して自分の番手最後の「10、2」といったところで
    「キープ!」
    身体が一番沈んだ状態で維持するように指示。せいぜい30秒いくかいかないか位だろう、して「3、4。」と言って終了。

    皆がうわーと言って解放される。ちょっとした遊び心でふふふっ、となっていたところ

    「おまえふざけんじゃねーよ、〇すぞ!」

    笑って言ってるのかと思えば笑ってない演出がそこにいたわけで。あるぇ~?想像していたオチとちょっと違うぞ~(・3・)?

    すみません、主役さん、ちょっとモチベーションダダ下がりになってしまいました、本当にすみません。で、発声して休憩して稽古、と。
    この何というかストレッチして筋トレして発声して休憩挟んで稽古入るって流れ、なんなんだろうね。
    どこの稽古場行っても高確率でこの流れに遭遇するんだけど、そもそも筋トレなんて自分でするもんだし、ストレッチなんてその場で各人がやればいいし、発声したらそのまま稽古に入ればいいじゃん。休憩挟んでクールダウンするくらいならそのまま稽古に入ればいいと思うんだけど。これで大体30分くらいは使ってるわけで。休憩も15分くらいとってるし。ちなみにおっちゃんのプロデュース公演の稽古ではここはガッツリ削ってました。稽古場入って準備終わったら各自でストレッチと発声、10分くらいで稽古開始。ま、好き好きですな。

    まぁ、そういう日々の中、役作りの面でも演出とマンツーマンで意見を交わしたり、宿題出されたり、先輩の役者さんの胸を借りて力の限りぶつかっていって、でも足りなくて、悩み抜いて、芝居作るのって楽しいなぁ、とそこだけ抽出すれば幸せな時間ではありました、物理的な苦しみがなければ。

    そうして得たものを積み上げていよいよ本番の週。公演は木曜・金曜のマチネ、土日はマチネとソワレの二回。計6回の公演。その月曜の朝を迎えるに至ります。

    そんなところで今日はお開き。 伍に続く、予定。→その伍へ

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