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観光宿泊業における、インバウンド・コロナ・Gotoトラベルによる宿泊数の変化をみる
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観光宿泊業における、インバウンド・コロナ・Gotoトラベルによる宿泊数の変化をみる

2021-04-11 18:14
    発端
    GoToトラベルの第3次補正予算に約1兆円が計上され、規模が適正なのか知りたくなった。
    ちなみに、2020年7月22日~12月15日の執行額は4842億円。
    緊急事態宣言だけでなく訪日外国人の入国も規制されていることから、2012年から急拡大したインバウンド需要の消失の影響も大きく、①GoToトラベルは不要なのか②GoTトラベルだけで充分なのか③訪日外国人の再開も必要なのか、明確な答えは出ないまでも、だいたいでも目安をつけたい。

    分析方法
    データ引用元:宿泊旅行統計調査(観光庁)2011~2021年1月
    ※全体像を見るために全国10地方別で見て、詳細な地域差を見るために47都道府県で見る。
    ※グラフ内における数値は2019年の数値で、邦人と外人の比較ができるようにした。

    結論
    ・インバウンドの恩恵(外人比率20~40%)を受けたのは、沖縄・福岡・関西圏・中京圏・首都圏・北海道であり、外国人の増加に比例するように設置客室数も増加した。それ以外の県はインバウンドの恩恵は少なく、四国・中国・北陸信越・東北においては外人比率5%前後の県も多い。
    ・緊急事態宣言(20年4/7~5/31)期間中は、どの県も前年比10~30%程度に減少した。
    ・GoToトラベル(20年7/22~21年1/11)期間中は、インバウンドの恩恵の少ない県は前年比80~100%まで回復したが、インバウンドの恩恵が大きかった県では前年比40~60%の回復に留まった。
    ・インバウンドに依存していた(外人比率35%超)大阪・京都・東京は、設置客室数が急増していたこともあり反動も大きく、GoToトラベルでも回復には程遠かった。大阪・京都・東京と以外の県では様相がまったく異なる。

    図1.地方別における宿泊者数の年次推移(2011~2020年)
    2019年の外人比率が20%超の地域の数値を赤字にした。外人が突出して急増したのは近畿・関東(B4)であり、邦人を含めても急増したのは近畿・関東(B1)である。宿泊客における外人比率が20%を超えたのは、沖縄・近畿・関東・北海道(B2)である。地方内においても都道府県ごとにムラがあるため、地方別を更に詳細に都道府県別に分類したものを図2に示した。


    図2.都道府県別における宿泊者数の年次推移(2011~2020年)
    2019年の外人比率20%超・外人数200万人超の都道府県の数値を赤字にした。該当する都道府県は沖縄・福岡・関西圏(奈良・大阪・京都)中京圏(愛知・静岡)首都圏(山梨・神奈川・東京・千葉)である(A2・A4)。邦人の宿泊客数も10年間において増加している県もある(A3)が、外人の増加が全体の増加をけん引している(A1)。赤字に該当しない県では、外人はほとんど増加せず、邦人宿泊客の需要だけで成り立っている県も多い。特に四国・中国・北陸信越・東北の県においては外人比率5%前後の県も多く、インバウンドとは関係ないようにも見える。




    図3.地方別における宿泊者数の月次推移(2019年1月~2021年1月)
    25か月間の月次推移であるが視覚的に見やすくする為、コロナ以前の19年1~12月をオレンジ色とし、以後3か月ごとに青色→赤色→黄緑色→ピンク→緑色とした。
    インバウンドによる影響が都道府県により大きく差がある中で発生した新型コロナ。
    外人(J4)でみると、入国規制により20年4月以降はインバウンド効果が消失した。
    邦人(J3)でみると、緊急事態宣言(20年4/7~5/31)期間中は不要不急の外出禁止により急減したものの、GoToトラベル(20年7/22~21年1/11)期間中は完全とまではいえないが相当回復している。
    邦人と外人を合計したもの(J1)と、それを19年同月比にしたもの(J2)でみると、沖縄・近畿・関東では60%程度しか回復しなかったが、それ以外の地方では80%程度まで回復した。
    地方内においても都道府県ごとにムラがあるため、地方別を更に詳細に都道府県別に分類したものを図4に示した。




    図4.都道府県別における宿泊者数の月次推移(2019年1月~2021年1月)
    邦人と外人を合計したもの(H1)と、それを19年同月比にしたもの(H2)でみると、緊急事態宣言(20年4/7~5/31)期間中は19年同月比10~20%程度に急減したものの、GoToトラベル(20年7/22~21年1/11)期間中は回復に向かい、20年10~12月においては19年同月比70~100%まで回復している都道府県が多い。外人比率が特に高かった大阪・東京では19年同月比50%程度までしか回復しなかった。東京がGoToトラベルの対象から一時期外れていたのもある。この為、GoToトラベルの効果の感想は大阪・東京とそれ以外の都道府県で違いが出るものと思われる。





    所感
    東京・大阪を除いた都道府県では、外人の入国規制を解除しなくても20年に実施されたGoToトラベルの規模でよかったのではないか。21年の予算は20年の倍額であるが多すぎるように思われる。東京・大阪に関しては、訪日外国人によるオーバーツーリズムの問題も生じてきており、コロナ前まで回復する必要はないのではないかと感じている。

    余談:宿泊施設数・設置客室数の年次推移(2011~2020年)
    地方別にみると、施設数はどの地方においても減少(B6)しており、設置客室数は近畿・関東のみ増加し、他の地域はほぼ維持(B5)である。
    タイプ別でみると、施設数は旅館が減少し、シティ・ビジネス・リゾートは維持(C6)、設置客室数は旅館が減少し、ビジネスが増加(C5)している。
    これは大規模のビジネスホテルに宿泊客が集中し、規模の小さい旅館がインバウンド関係なく廃業しているものと思われる。





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