「自ら命を絶つことは許されることではないと思います」1
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「自ら命を絶つことは許されることではないと思います」1

2015-08-17 06:00

     話題としてはちょっと古いのだけど。

     結構前のニュースで、杉村太蔵氏がした発言から考える。
    ( http://news.nicovideo.jp/watch/nw1693440 )

     「病気で一分一秒でも長く生きたいと願っている人がいるなかで、自ら命を絶つことは許されることではないと思います」

     まぁね、この人は「馬鹿でも・・・」なんとかって投資の本を出してるくらいだし、自他共に認める馬鹿であることは間違いない。

     何というか、似非良識家がよく言う言葉を切り張りしたような言葉だよね。
     それも一昔前の。それこそ鬱ですら一般的でなかった時代のさ。

     薄っぺらい発言だよなぁ。そういえばこの人、薄口評論家とも言われていなかったっけ。うまいな。

     ま、とりあえず差別すんなよと。
     「一分一秒でも長く生きたい」を尊重するならば、「一分一秒でも早く死にたい」も尊重すべきだろ。
     生を良しとするのも悪しとするのもただの価値観だ。どちらか一方を尊重するというのは価値観の押しつけだと思うけどね。


     ともかく、この発言でちょっと考えたからいろいろと書いておこうと思う。


     こういう問題はわかりにくいから、なにかわかりやすいものに置き換えて考えるのが基本だ。

     とは言っても安易に用いるととんでもなくおかしなことになるから注意は必要だけど。
    どっかの反捕鯨団体の動画みたいになるし。

     自殺というのは、まぁ精神の不調の結果だという事に異論はないだろう。

     ここで精神と肉体を置き換えて考えてみよう。

     自殺についての精神状態はおいておく。単純に精神と肉体のことを置き換えてみる。


     頭痛もしくは腹痛あたりで考えてみようか。

     もし頭が痛かったら、腹が痛かったらどうだろう。
     まずなにをするだろうか。

     私なら、まず薬を飲むだろうな。もしそれでも治まることがなかったら病院へ行く。

     これがふつうだと思うけどどうだろう。

     しかし、今は精神と肉体とを置き換えている。俺は精神の頭痛であり腹痛なんだ。

     当然のことだけど、薬はない。精神に効く民間薬なんてある訳ない。あっても認可が下りるわけがない。間違いなく麻薬だから。

     じゃあ、病院はどうか。
     精神の病院と言うことは、精神科もしくは心療内科あたりかな。

     まぁ、敷居が高いよね。しかも精神科と心療内科どう違うかわからないしね。精神内科ってのもあるけど、知名度が低すぎる。

     しかも言っちゃ悪いけど、日本の精神科心療内科は半分以上がヤブだ。

     いくつか問題があって、医師、医療制度、社会的認識あたりかな。


     医師についてだけど、医師免許さえあれば何科を語ってもいいことになっている。
     これは全く精神について勉強すらしなかった医師でも精神科を語れると言うことだ。例えば外科医畑を30年歩いてきた医師とか。精神の知識は30年前の研修医時代の知識しかない。そんな奴でも精神科の医師になれちゃうんだな。

     もう一つの問題は、医療制度の問題。
     薬を出せば出すほど儲かる仕組みなんだよね。ひどい医師だと鬱病患者に鬱に効く薬を数種類いっぺんに出したりすることもあるらしい。脳に作用する薬をたくさん出したら危ないことくらい誰でもわかることだと思うけど。

     また、普通の肉体の方の病気でもそうだから、患者側がなれてしまっている。精神も薬さえ飲めば直るって思ってしまっていること。これが社会的認識の問題。

     でね、昨今の精神部分に対する関心が高まったことを受けて精神科心療内科が増えているんだ。

     まぁ、当然といえば当然なんだけど。

     医師免許さえあれば精神科は開ける。しかも他の科に比べて初期費用が安い。いすに机、カルテを保管する場所、部屋。それだけあれば開ける。初期費用がほとんどいらない。

     しかも患者は精神的に参っている人間だから、文句を言うことも少ない。薬を飲めば直ると門外医師は思っているし、患者もそう考えている。

     症状を聞いてそれに合わせた薬を大量に出す医師と、何も考えずに受け取って飲む患者。

     金儲けが目的のイナゴ医師と、需要と供給が成り立ってしまっているんだな。


     薬って言うのはね、あくまでも肉体に作用するもんなんだ。薬ってのは物質だから、物質が作用するのは肉体という物質だけだ。

     精神的な影響が強すぎて肉体にまで出てしまっているような状況であれば、薬はとても有効なのだと思う。

     しかし根本的な問題はあくまでも精神部分だ。そこを何とかしない限り解決はない。何度だって再発するだろうよ。

     話がそれたな。
     まぁ、今精神科心療内科は藪医者だらけだってこと。

     少しでも頭が働く患者はいい医者を捜すわけだが、これまた当然のことで、そんな病院はいつも混んでいる。

     だから多くの場合、ちゃんとした医師は一人一人に時間をかけることはできない。

     結果、五分診となって、薬を出すことになる(実際は十分くらいはかけると聞くけど)。

     こういうことから考えると、今の日本のシステムでは精神に関する病院は、機能としては薬局と同じになってんだ。

     じゃあ、病院はないのか、となる。

     精神に関して、病院の機能を果たすもの。
     それは、カウンセリングだと思う。臨床心理士、心理療法士、心理カウンセラー、なんかがそれにあたるんじゃないかな。

     話を聞いて、根本的な病巣を見つけられるのはカウンセラーだろうね。

     しかしカウンセラーは一般的ではない。精神科心療内科以上に。

     また診療には時間もすごいかかる。というのもふつうの病気であれば触診聴診、血液検査などの明確な指標があるが、精神方面にはそれがない。
     判断材料は患者の言う嘘や非論理的思考の入り交じった不明瞭な言葉だけだ。

     だから時間がすごいかかる。

     しかも保険が利かないから、かかった時間分だけ金がかかる。場合によっては百万越える可能性だってあるんじゃないかなぁ。すくなくとも十万は堅いだろな。

     まぁ、本当は精神科とか心療内科がこの役割をするべきだし、ちゃんとやっているところはやっているんだけど。精神方面の医師はカウンセリングもできるから。

     とまぁ、そういうことを考えてみるとね。
     敷居の高い精神科心療内科は、半分ヤブの薬屋。
     さらに敷居の高いカウンセリングは、金銭的にも敷居が高い。

     ということになる。

     こんな状態じゃそもそも選択肢にあがらないと思う。
     選択肢にあがらないということは、ないのと同じなんだよな。

     つまり日本には、精神に関する病院もなければ薬局もないということになる。


     ここまで話が長くなったけど、戻そう。

     そう、頭が痛いんだ。もしくは腹が痛いか。
     しかしながら、薬もないし、病院もないんだ。痛みは日に日に強くなる。

     そういえば、アメリカじゃ虫歯の痛みに耐えかねて、銃で顔を半分吹き飛ばした人がいるとか。頭痛で吹っ飛ばす人もいるらしいね。まぁいいか、そんなことは。

     で、その後どうするかな。

     たぶん親しい人に話すだろうね。どうしたらいいだろうって。

     でも大抵はどうにもならないんだよね。

     病院なし、薬なし、誰かに相談しても楽にはならない。痛みは強くなっていく。

     で、そんな状態の時に「世の中にはね、もっと苦しんでいる人がいるんだ」なんて言われたらどうかな。

     私ならぶん殴るかな。知らねーよ、と。どうでもいいんだよと。

     そんなことよりこの痛みを何とかしてくれ、っておもうだろうね。

     ま、早い話クソの役にも立たない言葉なんだ。
     何にもならない部外者の言葉なんだよなぁ。

     だいたい、死にたいなんて考えている奴は外からの圧力に対して疲れている。そこにさらに外から圧力を加えて、何考えているのか。


     こんな発言で救われる人は皆無なんじゃないかな。

     まぁもしかしたらそれで自殺という決断だけはやめるということはあるかも知れないけど。

     自殺の願望というのは、実際には頭痛や腹痛なんて言うわかりやすいものではない。芥川龍之介も「漠然とした不安」って言っているし。

     本人にもよくわからないんだよな。

     ただ、死にたいはちょっとした過剰発言だとしても、死にたいぐらい苦しいということは、少なくとも本人にとっての本音なんだよな。

     苦しんでいる人間に外側からの言葉は届かない。届いても聞かない。
     聞く耳をもてるくらいの余裕があっても、この言葉は危険だ。

     つまり、死にたくなるほど苦しいという本音に蓋をして、建前とか世間体を気にして押しつぶせ、という発言だからね。
     こりゃ自我崩壊への第一歩。

     また、それで何とか生きていこうとした場合でも持続効果はほとんどないだろうね。はやけりゃ一分で終わり、長くても数日くらいじゃないかな。
     で、元の精神状態に戻った場合、やっぱり自分はだめな奴なんだなんて考えたりしてしまう。やっぱりこんな自分死んだ方がいいよね。って。
     自己嫌悪を加速させ、自殺への道を一歩進ませる。

     この言葉を聞いてよくなることなんてないよ。全くではないけど。
     何というか、地獄のすすめ、とでも名付ければいいかな。


     このニュースのコメント欄見て思ったけど、
     意外にもこの発言を肯定している意見が多かったのだけど。

     驚きだね。未だにこんな認識なんだって思ってしまった。

     苦しんだことのないお気楽な人が案外いるもんなんだなぁ。

     もしくは、現行で苦しいのだけどそう考えなければならないって、妄執しているのか。


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