スルーレートを測ってみた。
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スルーレートを測ってみた。

2014-03-03 19:30



    スルーレートとは? オペアンプIC等に方形波を入力した際の応答速度のことですが、ディスクリート回路だと、どの程度の値になるのか、ダーリントン接続では?、FETでは?、高インピーダンス信号では?、どうなるか簡単な回路で調べてみました。
     
     共通の測定条件は以下のとおりです。
     オシロ 横河DL1540
     信号源 リーダー LG1311
     電源電圧 ±15Vのスイッチング電源
     負荷抵抗 1.5k
     コレクタ電流 約5mA(+V電圧とアース電位との中点になるように定電流回路で調整)
     ゲイン 成り行き。
     出力電圧 約10Vpp
     信号周波数 110kHz付近
     測定点は回路図中のR3とQ2のコレクタ間
     ※オーディオ帯域だとオシロの演算機能(Rise、Fall値)の誤差が大きいのでこの辺りの周波数で行ってみました。
     信号源インピーダンス(Zs) 50Ω、1kΩ、30kΩ
     (1kと30kはオーディオアンプのボリュームを想定)
     こんなところです。
     ※(回路図中の定電流回路の記号の方向が上下逆にが書き間違えましたが修正するのがメンドイのでこのまま載せときます)

     ※1スルーレートは、電源電圧一杯まで振って測るのが、スジかと思いますが数ミリV程度の入力に対する自作オーディオアンプの実情に近いところの挙動を知りたかっ
    たので、上の条件で調べてみました。
     拠ってモノリシックICとの比較にはならないと思います。
     ※2立ち上がり、下がり速度の速いものに関しては、NF回路設計ブロックのサイトに書いてある計算式で算出した値もカッコ内に併記してみました。
     算出にあたり、信号源の立ち上がり下がり速度は40nsで計算しました。

    テスト信号源はこんな感じ。



     立ち上がり、下がり速度は40ns程度なので今回のテストには十分だと思います。

     まずは普通にバイポーラ。
    まずは、バイポーラ1石。



     Zs=50の時は上り40V/μs、下り21V/μs
     Zs=1kで上り6V/μs、下り4.2V/μs
     Zs=30kになるとノコ刃型になってしまいます。

     次にダーリントン。



     ダーリントン。
     Q1とQ2をただ繋ぐだけだと、ひどい状態になってしまったので1kオームで2石のエミッタをつなぎました。
     Zs=50で上り44(45V)V/μs下り27V/μs
     Zs=1kで上り40(40.8)V/μs下り23V/μs
     Zs=30kだと(レベル合わせを忘れてますが・・・)上り7V/μsec下り4.1V/μsecとなりました。
     Zsが高くなるとスルーレートも下がりますがその影響は1石の時よりかなり少なくなりました。
     これは、Q1がエミッタフォロワになりQ2から見た信号源インピーダンスを押し下げ、Q2の入力容量に早く充放電できる為と思われます。
     (ワタクシ的にはこの辺りを確認してみたかった)

    Q1に流れる電流を変えてみた。


     では、R4を変えてQ1に流れる電流を増やしてみました。
     上段では、R4の1kΩとQ2のVbe0.65VによってQ1のIeは0.6mA程度流れていますが、R4を330Ωにして2mA程度流してやりました。
     Zsは30kΩのままです。
     R4=1k時が上り7V/μs下り4.1V/μs、R4=330だと上り10.5V/μs下り5V/μsに上がりました。
     が、電流を3倍にしたからスルーレートが3倍良くなる、というものでもないようです。

    Q1をFETにしてみた。

     Q1を2sk30に変えてみました。
     結果は・・

     Zs=50上り13V/μs、下り6.6V/μs
     Zs=1k上り13V/μs、下り7.2V/μs
     Zs=30k上り6.5V/μs、下り3.7V/μs
     信号源インピーダンスZsが低い時はバイポーラ1石、ダーリントンに劣りますが、Zsが高いと大差が無くなります。
     見方を変えれば、信号源インピーダンスによる影響が少ない、と言えるかも。

    Q1を2SK369GRに変えてみた。


     
     Zs=50 上り33V/μs 下り19V/μs
     ZS=1k 上り33V/μs 下り18V/μs
     Zs=30k 上り6.5V/μs 下り3.6V/μs
     2SK30に比べ順方向伝達アドミタンスが高く(2SK30=1.2mS、2SK369=40mS)内部抵抗が低いため、信号源インピーダンスが低い時は上り下りともに3倍近い数字をたたき出しています。
     しかし、Zsが大きくなると2SK30と大差が無くなります。

    帰還を掛けてみた、まずは、1石。

     Q2の下に330Ωを追加して強力に帰還をかけてみました。
     
     Zs=50上り80(87V)V/μsec、下り66(70V)V/μsec
     Zs=1k上り57V(59V)/μsec、下り50(51.6V)V/μsec
     Zs=30k上り6.6V/μsec、下り5.8V/μsec
     帰還が掛かることにより、立ち上がり下がり共に、1石帰還無しと比べると、かなり速くなっています。
     しかし、1石なので入力インピーダンスが低いです。
     オーディオアンプの入力段で使うには、このままでは、ちと使いづらいと思います。

    ダーリントンでは。



     ダーリントンで帰還を掛けてみました。
     Zs=50上り80V(87V)/μsec、下り80V(87V)/μsec
     Zs=1k上り80V(87V)/μsec、下り80V(87V)/μsec
     Zs=30k上り21V/μsec、下り19V/μsec

     案の定、上り下り共に更に速くなり、信号源インピーダンスが50Ωと1kΩ時は、測定限界です。
     Zs=30kΩ時もこれまでテストした中で最も速いです。
     入力インピーダンスも(ダーリントンなので当たり前ですが・・)格段に高くなっています。

     ※しかし、この上記回路は「ダーリントン接続」とは、言えないかもしれません・・・。

     想定しているオーディオアンプ入力回路であれば、ダーリントンに局所帰還を掛けるのが、最も使いやすそうですが、信号源のインピーダンスが高くなった時の速度低下が極端なのが、気に掛かります。
     その点を気にするならばやはり、カスコードでしょうか・・・。


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