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パトロン・コミッションサイトの可否考察にみる現代東方二次創作の課題
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パトロン・コミッションサイトの可否考察にみる現代東方二次創作の課題

2021-02-24 11:42
     クリエイターにイラストをリクエストできるskeb・pixivリクエスト、クリエイターを支援するファンクラブを作れるfantia・patreonといったサービスは同人界隈で広く用いられ、東方二次創作でも例外ではない。
     しかしながら、二次創作ガイドラインの「ファン活動可能範囲」にはそのようなサービスを東方二次創作で利用してよいとは明記されていない。そのため、東方二次創作でこのようなサービスを利用することは認められていない・グレーゾーンであるとして、消極的な姿勢を取るクリエイターもいることも事実である。
     ここでは、skebやfantiaなどのパトロン・コミッションサイトを東方二次創作で利用することは適切なのか、またその考察から見える二次創作のあり方についての問題点・課題も指摘する。

    免責

     この記事は私(ひーだ)の独自の解釈・意見が含まれます。当記事の内容を実施する場合は自己責任でお願いします。この記事によって生じた損害等の責任は負いかねます。

    ガイドラインをどう解釈するか

     2020年に公表された『東方Projectの二次創作ガイドライン』には「ファン活動可能範囲」という節があり、その一行目はこのように書かれている(強調は引用者によるもの)
    二次創作物の頒布は、原作が販売されている流通か、許可している流通のみで行えます。
     現在では当然、東方原作がパトロンサイトで流通していることはないし、上海アリス幻樂団側がパトロン・コミッションサイトを公に許可したことはなく、この節で例示されている具体例にも明記されていない。厳格な文理解釈をすると、認められていないという解釈をせざるを得ない。
     その一方で、問題のサービスはガイドラインの禁止事項に該当しないため、「禁止していない=してもいい」という解釈もできるのである。
     また、同じ節には
    上記に当てはまらない活動を行いたい場合は、個別にお問い合わせください。
     とあるものの、その後の「免責」には、
    ガイドラインの内容や二次創作活動について、個人からのお問い合わせ・報告につきましては個別の返答は行いません。
     と明記されており、すぐには公式回答が望めない状況である。

    なぜ問題となってきていなかったのか

     しかしながら、公式側は問題のサービスを利用することについて公に不快感を表明したり、問題視したりすることはなかった。加えて、公式と近い位置にあるポータルメディア、『東方我楽多叢誌』にskeb創設者のなるがみ氏へのインタビュー記事が公開されるなど、公式側が認知していないということも考えにくい。
     ただ、skebに登録された作品の二次創作のコミッションによって収入を得るとその一定割合が原作者に還元される二次創作公認プログラムには東方の文字はない。
     公式が認知はしているようだけど積極的に認定も拒否もしないグレーゾーンのまま問題が放置されているのが現状である。

     個人的な意見としては、「禁止していない=してもいい」という解釈でいいと思う。長く東方界隈にいる人間はそこまで二次創作に厳格な公式ではないということを体感的に知っているからである。しかし、東方初心者に対して自信を持って「公式は二次創作に寛容だよ」や「skebを使ってもいいよ」と言うことはできない。無いルールで裁けないものの、二次創作というものは公式がアウトと言えばアウトになる世界だからだ。
     かといって、いちいち公式に確認を取ることも時と場合によってはトラブルの種ともなりうる。公式の手を煩わせるだけでなく、公式が認知した問題には対処しなければならなくなり、それによって不利益な決定がなされることも否定できない。そうなれば、公式に確認を求めた人間が集中砲火の標的となってしまうのである。

    現代東方二次創作の課題

     上記のように二次創作をめぐる問題はかなり複雑で、多くの課題を抱えている。それらの根本にあるのが「公式と二次創作者の間で情報の非対称性がある」という問題だと思う。
     「情報の非対称性」とは、複数の人間の間で持っている情報が違うということである。この話では、どういう二次創作がOKで、どの二次創作がNGなのかという絶対的な基準は公式が持っているが、二次創作者は曖昧なガイドラインからしかその基準を知ることができず、パトロン・コミッションサイトのような微妙なラインの判断がつかないということである。
     二次創作に関する法的枠組みが未整備な以上、こうした情報の非対称性をなくすことは不可能である。そのため、我々二次創作者は公式によるさらなるガイドラインの整備・二次創作公認プログラムへの登録を期待することしかできない。今後の公式の動向に注目である。
     それでは、良い東方ライフを。

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