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  • 大井「帝王賞」全頭解説(2021年6月30日 20:05発走)

    2021-06-30 05:30

    1986年7月31日に大井競馬場でスタートした、国内初のナイター競馬『トゥインクルレース』が今年で35周年を迎える。それを記念して、親子の絆とトゥインクルレースの歴史が交差するショートムービー「トゥインクルレースっていいなって思った。」が製作され、特設サイトにて29日に公開された。私も先程拝見したが、こんな家族があったらいいなと思える、素敵な世界がそこにあった。そしてそれは、勝ち負けではない競馬界が追い求める理想なのかもしれない。今後関連のキャンペーンなども実施されるとのことなので、皆様も是非ご覧いただきたいと思っている。

    大井競馬11レース「第44回 帝王賞」(古馬・JpnⅠ・2000m)

    創設直後における“南関東の天皇賞”という位置づけから“交流競走の草分け”として全国に門戸を開放したのが1986年。つまり帝王賞も交流競走となって35周年を迎えたのである。幾多の名勝負、名シーンを生み出してきたこの舞台にふさわしい、豪華メンバーが今年は集うことになった。

    <全頭解説>
    (1)番 ヒカリオーソ(川崎)
    昨年の川崎記念で2着に入ったように、底力は統一GⅠクラスで十分勝負になるものを秘める。ただし3歳時から幾度となく繰り返している鼻出血の影響で、その輝きは霞んでいるのが現状だ。ここも復調に向けた足掛かりを得られるか、自分自身との闘いになる。

    (2)番 モンゲートラオ(大井)
    これまで重賞で目立った実績はなく、勝ち星も古馬B3級まで。南関東の4歳勢自体は古馬重賞でも結果を残している馬はいるが、このメンバーで通用する要素はどこにもない。この経験を先々に活かすための1戦だろう。

    (3)番 ミューチャリー(大井)
    向正面から積極的に動き、2着に6馬身差をつけた大井記念は圧巻。ただしレース内容や時計など、昨秋のJBCクラシック4着時とほぼ同等だったのも事実だ。これまで9回出走した統一GⅠにおける最高は3着で、それを超える材料が前走であったかとなれば微妙でもある。

    (4)番 テーオーケインズ(中央)
    強行軍だった昨年の東京大賞典が見せ場十分の6着。それが本物だったことが、年明け後の2連勝に現れていた。特に前走アンタレスSでは、東京大賞典で先着を許したヒストリーメイカーを完封しており、更にスケールアップ。2度目の大井コースで、頂点に駆け上がる可能性も秘めている。

    (5)番 カジノフォンテン(船橋)
    今年に入り川崎記念で統一GⅠ初制覇を果たすと、かしわ記念でも強い内容で制覇し、一気にダート界のトップホースへと躍り出た。ただし右回りは苦戦していた時代があり、昨年の東京大賞典2着も流れに恵まれた部分はあった。それだけにここで勝てば、自他ともに認める王者と称えられるだろう。

    (6)番 ダノンファラオ(中央)
    浦和記念とダイオライト記念は好位から抜け出す競馬だったが、ハイペースを押し切ったジャパンダートダービーを制したイメージは残っている。今回絶対的なフロントランナーがいないだけに、当時のような競馬をした時の方が、ライバルにとっては嫌な気がするが。

    (7)番 チュウワウィザード(中央)
    昨年のチャンピオンズCを圧勝し、ドバイワールドCでも正攻法の競馬で2着。戸崎圭太騎手を鞍上に迎えてから、超一流相手に足りないイメージを一変させるパフォーマンスを見せている。今回は海外遠征帰りとなるが、このレースは過去も同様のスケジュールで多くの馬が結果を出しているので、後は結果が出ていない大井コースがどうかである。

    (8)番 オメガパフューム(中央)
    昨年まで東京大賞典を3連覇。特に昨年は1強ムードの中、着差以上に危なげない戦いぶりだった。この舞台に対する適正で右に出るものはおらず、今回も当然主役候補だが、平安Sをひと叩きされた過去2年と違い、今年は川崎記念2着以来の休み明け。この臨戦過程の変化が、どう影響するかは気になる。

    (9)番 フレアリングダイヤ(大井)
    金盃2着に川崎のOP特別勝利など、充実していた中で参戦した昨年のこのレースがシンガリ負け。その後馬券圏内に入ったレースはなく、現状では厳しいと言わざるを得ない。末脚勝負に徹して、何頭か交わせれば御の字と考える。

    (10)番 オーヴェルニュ(中央)
    今年に入り、ともに中京で行われた東海Sと平安Sを制覇。ただし昨年末には右回りでリステッド格を2連勝しているように、必ずしも左回り専門ではない。むしろポイントは初めての大井コースで、それを克服すれば、相手が強くなったここでも勝ち負けに加われそうだ。

    (11)番 ノンコノユメ(大井)
    前走金盃7着は、初の長距離戦に対応できなかったの一言で十分。しかし昨秋に復帰してからの内容は、南関東移籍直後と比べて輝きを失っていたのは確かだ。この休養で輝きを取り戻せていれば侮れないが、年齢的に上積みを期待しにくいだけに・・・。

    (12)番 マルシュロレーヌ(中央)
    昨秋から統一グレード3勝を挙げて、牝馬路線における現役ナンバー1といえる存在。前走平安Sでも直線良く伸びて3着と、牡馬相手に戦えることを示したことも好感が持てる。とはいえバリバリのGⅠクラス相手となる今回は、結果を出している大井コースといえども、楽な戦いはさせてくれない気がする。

    (13)番 クリンチャー(中央)
    みやこSで初タイトルを手にするまで時間がかかったが、年明けから更に統一グレードを2勝。特に前走名古屋大賞典における2分ジャストの勝ちタイムは破格で、過去同レースで2分を切ったのは、エスポワールシチーとホッコータルマエという歴史的名馬2頭のみ。この馬もその域にあるなら、アッサリまであって驚けない。

    (詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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  • コラム 間もなくダービーシリーズ2021-各地の3歳路線の現状を探るPART2(大井ほか6月開催6場編)

    2021-06-05 21:30

    5月に行われた金沢と佐賀のダービーは、1冠目を制した馬がそのままダービー馬の称号を手にした。このあと続くダービーでもこの流れが続くのか、または待ったをかける馬が現れるのか、興味は尽きないところだ。
    ここでは6月9日に実施される東京ダービー以降、6月に開催されるダービーシリーズ6競走について、動向をお伝えします。

    おことわり・本コラムは、6月5日18時までに得た情報を基にしています。また繰り返しになりますが、開催時に予想記事は掲載いたしません。ご了承ください。

    東京ダービー(6月9日・大井2000m)

    昨年の全日本2歳優駿を逃げ切ったアランバローズが、距離を克服できるかが焦点の1つだった南関東の3歳路線。今期初戦の京浜盃はスタートで出遅れて9着に終わったが、4月29日に行われた1冠目の羽田盃では、好スタートから最後まで粘り2着と、距離にメドを立てた。更に1ハロンの距離延長は有利とはいえないが、それ故にマークが緩むようなら、逃げ切るスピードは十分ある。レースのカギを握ることは、間違いないだろう。

    その羽田盃を制したのはトランセンデンスだった。道営時代は惜しい競馬が多かったが、南関東移籍初戦のニューイヤーCを制して勝つ味を覚え、それが羽田盃で最後捉える走りにつながった。また末一手のイメージが強かったが、この時は3番手につける積極的な走りを見せたことも注目。展開と位置取りが噛み合えば、2冠達成という可能性も十分考えられるところだ。

    京浜盃を制して一躍注目を集めたチサットは、羽田盃は直線伸びあぐねて4着止まり。ただし対トランセンデンスという視点でみれば、道中の位置取りが入れ替わったことが結果につながったという内容で、力負けではないだろう。南関東移籍後、京浜盃まで無傷の3連勝を飾った勢いが失われていなければ、羽田盃の雪辱を果たしても驚くことはないはずだ。

    別路線組では、4月21日のクラウンCジョエルが直線一気の末脚を披露して差し切り勝ち。その切れ味はマイル向きの印象はあるが、この距離でも披露できるなら侮れない。そしてこの時2着だったギガキングは、5月4日の東京湾Cで2着に5馬身差をつける圧勝を収めたが、本来は混戦に強いタイプ。乱戦になるようなら、抜け出してくる力は持っていると思う。

    あと4月30日に行われたトライアルを制し、デビュー3連勝で出走権を手にしたトーセンクロードに、未知の魅力がある。雲取賞を制し羽田盃3着だったランリョウオー故障により戦線を離脱したものの、今年も有力候補目白押しの大混戦で本番を迎えることになりそうだ。

    兵庫ダービー(6月10日・園田1870m)

    2歳時に路線を牽引したツムタイザン今年に入って戦線を離脱。4月15日に行われた1冠目の菊水賞は確たる主役不在で迎えたが、勝ったのは2歳時に園田ジュニアC2着があり、また名古屋スプリングC2着と遠征競馬でも実績があるシエナキングだった。息の長い末脚を武器に、距離が延びてから安定した戦いぶりを披露しており、更に距離が延びる本番でも期待はかかる。ただし菊水賞は仕掛けどころが嵌った部分もあったし、また5月4日の統一GⅡ兵庫チャンピオンシップを回避して5月14日の一般戦を使う(1着)というローテーションは異質。これが吉となるかどうか、わからない部分はある。

    その菊水賞で1番人気だったサラコナンは5着。転入後負け知らずの勢いと兵庫ユースCで遠征勢を破った点が評価されたものだが、この日は太目の馬体とまくり合戦の中で戦い方が中途半端になったのが敗因。馬体を絞った前走兵庫チャンピオンシップでは、中央勢の争いに加われなかったとはいえ、地元再先着をがっちりキープ。強い相手にもまれた経験を武器に、巻き返しを期するはずだ。

    菊水賞で2着だったエイシンイナズマは、まくり合戦を真っ先に動いて3角先頭。結果的に早仕掛けだった分だけ粘り切れなかったが、内容は遜色なかった。こちらも転入後3着を外していない安定感が武器で、逆にいえば勝ち味に遅いところは否めない。それでも今年のメンバーなら、大舞台で勝利を掴み取る可能性は十分あるだろう。

    あと5月13日に行われた牝馬限定ののじぎく賞クレモナが制したが、馬場状態の違いはあるにせよ、菊水賞より速いタイムで走ったのは注目される。またこの時2着だったパールプレミアは、名古屋で若草賞を勝った実績の持ち主で、これら牝馬勢も今年のメンバーならチャンスがあるかもしれない。

    東北優駿(6月13日・水沢2000m)

    5月2日に行われた1冠目のダイヤモンドCは、2歳王者リュウノシンゲンが2番手追走から早目先頭に立ち、後続を寄せ付けずに快勝した。これまでダートで敗れたのは南部駒賞3着だけだが、この時勝ったギガキングをはじめ3頭が東京ダービーの優先出走権を獲得する、ハイレベルの1戦。地元馬同士であれば断然の存在で、自身に不安があるとすれば未知の距離だけ。ここを制し、さらなる飛躍を期待したいところだ。

    この時2着だったゴールデンヒーラーは、2歳時に交流重賞の知床賞とプリンセスCを制した牝馬。牝馬路線を捨ててこちらに向かったが、突き放されずに最後まで喰らいついた走りは、評価に値するものだった。この馬もリュウノシンゲン以外にはダートで負けておらず、交流重賞を勝っている経験値が未知の距離で活きれば、逆転があるかもしれない。なお主戦の山本聡哉騎手は5月25日の競走で落馬負傷しており、乗り替わりの可能性がある。

    この他ではあやめ賞でゴールデンヒーラーの2着に入り、5月16日に行われた留守杯日高賞で遠征勢に食らいついたベニスビーチや、2歳戦で重賞2着が2回あるグランフォロミー辺りか。ただし今年は、本番まで地元でマイルを超える距離が1度も行われなかった。そのため距離経験がある転入組が、その利を活かして台頭する可能性があることは、留意すべきかもしれない。

    東海ダービー(6月15日・名古屋1900m)

    笠松競馬の開催自粛は、東海地区の3歳路線にも大きな影響を与えた。1月のゴールドジュニアと4月の新緑賞という2つの3歳重賞が消え、さらに名古屋所属馬だけの争いになったために、近年以上に層の薄さが目立つ印象がある。

    そんな中で迎えた5月4日に行われた1冠目の駿蹄賞は、年明け後重賞3連勝中だったブンブンマルと、転入後4戦無敗だったトミケンシャイリの対戦に注目が集まったが、勝ったのは1番枠から逃げたトミケンシャイリ。勝負所で2番手追走のブンブンマルを突き放し、その貯金で最後まで踏ん張ったが、勝ちタイムは1800mに戻った2013年以降では、歴代2位の好時計と中身もあった。スピードタイプ故にプラス100mは課題になりそうだが、それを克服すれば2冠達成のチャンスは十分あると思う。

    その駿蹄賞で2着だったブンブンマルだが、敗因は枠順の内外と勝負所における手応えの差。そしてもう1ついえば1強ムードが出来つつあった中で、勝たなければというプレッシャーがあった点かもしれない。この敗戦によってそれから解放され、自身の力を発揮することに専念できるなら、当時の1馬身差は気にならない。その意味でも勝負所で突き放されながら最後の直線でもう1度詰め寄った走りは、本番につながるものだった。

    この2頭に迫る可能性があるなら、4月21日の東海クイーンCを含む牝馬重賞2勝を挙げているニジイロだが、前走園田に遠征したのじぎく賞で9着惨敗が示す通り、好凡走の差が激しいところがある。時計面でも同距離の駿蹄賞と比べて約3秒も差があるなら、出てきたとしても厳しい戦いになるか。そうなると余程のことがない限り、2強ムードで本番を迎えるだろう。

    北海優駿(6月17日・門別2000m 地方全国交流)

    2歳時のトップクラスがなかなか残ってくれないのが近年のホッカイドウ競馬だったが、この世代はエーデルワイス賞を制したソロユニットと、第1回JBC2歳優駿の覇者ラッキードリームが揃って残った。他にも力のある馬が多く残り、それだけ賞金面などの環境が充実してきたことを示している。

    5月13日に行われた1冠目の北斗盃は、この2頭の初対戦という意味でも注目を集めたが、先行勢を見る位置で進めたラッキードリームが、3角からスパートすると4角先頭。最後の直線で突き放すことはできなかったが、そのまま押し切り1冠目を制した。メンバーで唯一年明け初戦だったことや、内回りコースがどうかという不安点があったものの、結果としては杞憂といえる走り。あらゆる意味で条件が好転する大舞台は、更なる高みを目指すための通過点になるかもしれない。

    北斗盃で2着だったリーチも、2歳時に南関東に遠征して鎌倉記念を勝った実績馬。先に抜け出したラッキードリームに最後まで喰らいつき、レース巧者ぶりを如何なく発揮した内容は好感が持てた。ただし距離経験はマイルまでで、底力が求められる2000mへの対応力は未知数。それでも勝負付けが済んでいない点は、侮れないところである。

    逆に北斗盃で力を出せなかったと思われたのが、4着だったオタクインパクト。器用さを求められる内回りより、豪快なレースができる外回りの方が動きは良いので、巻き返しがあればこの馬だろう。なお北斗盃3着のソロユニットは北海優駿に登録がなく、今後は短距離路線を歩む予定。別路線組は中央から転入した馬が何頭か登録しているが、基本は北斗盃上位組の争いとみていいだろう。

    高知優駿(6月20日・高知1900m 地方全国交流)

    5月2日に行われた1冠目の黒潮皐月賞は、3角から動いたハルノインパクトが4角までに先行勢を捲り切り、1冠目を手にした。黒潮Jrチャンピオンシップを制した生え抜きナンバー1も、年末から勝てない競馬が続いていたが、暖かくなってから復調。5月22日に行われた1800mの準重賞も制し、これで現在4連勝。自他ともに認める地元のエースとして、遠征勢を迎え撃つ立場で大舞台を迎える。

    黒潮皐月賞で2着だったブラックマンバは、金の鞍賞でハルノインパクトを破るなど、2歳時から互角の競馬をしている馬。しかし年明け後は古馬相手の1勝だけで、同世代相手では勝ちきれない競馬が続いている。その内容をみるとハルノインパクトをマークする競馬が多いが、勝負所で置かれることがその要因か。この流れを変えるために、勝つために戦い方を変えるかどうか気になるところだ。

    黒潮皐月賞3着のナムライダテンと4着のモユノイイオンナは、ともに5月22日の準重賞で崩れており、距離延長に疑問符が付く。一方でその準重賞で2着のエゾフウジンは単騎逃げと減量騎手起用が奏功した印象で、更に上を期待するのは厳しいかも。1月に1600mの準重賞を勝ったペアナチュラルもその後状態を落としており、遠征勢に対峙できる馬は、黒潮皐月賞1-2着の生え抜き2頭に限られそうだ


  • ハイレベルの戦いがみられた「大井記念」を振り返る

    2021-05-26 00:30

    定量戦となった2018年から毎年のように好勝負が繰り広げられ、南関東競馬の今を映す舞台となった大井記念。今年も各馬のプライドがぶつかる激しい戦いとなった。現状は振り返りもツイッター上で行っていたが、今回は少し紙幅を取って掘り下げてみたいと思い、この記事を掲載することにした。

    <大井2000mのラップタイムから見えたもの>

    まずはラップタイムを分析していきたい。1つ目は前半と上りの3ハロンと5ハロンの時計をまとめたもの。2つ目は過去にこのブロマガで新たな指標として提示した、最初と最後の2ハロンを除いた中間部分のタイムを算出したものである。いずれも比較として、2019年以降の大井記念と、昨年同じ大井2000mで実施された古馬統一GⅠ3競走のタイムも紹介する。

    ★前半と上りの3ハロン・5ハロンのタイム
          前半3F-前半5F-後半5F-上り3F → 勝ちタイム
    2019年 36.2-61.4-63.6-38.7 → 2:05:0(重)
    2020年 36.7-61.7-65.7-40.1 → 2:07:4(不)
    2021年 35.7-61.6-62.7-37.6 → 2:04:3(重)
    帝王賞   37.3-63.9-61.4-36.4 → 2:05:3(重)
    JBCクラ 36.5-61.4-61.1-37.3 → 2:02:5(稍)
    東京大賞典 37.8-64.9-62.0-36.7 → 2:06:9(良)

    ★最初と最後の2ハロンを除いた中間部分のタイム
          前半2F-中間6F-上り2F → 勝ちタイム
    2019年 23.7-75.8-25.5 → 2:05:0(重)
    2020年 24.4-76.6-26.4 → 2:07:4(不)
    2021年 23.4-76.5-24.4 → 2:04:3(重)
    帝王賞   24.4-77.1-23.8 → 2:05:3(重)
    JBCクラ 24.1-73.7-24.7 → 2:02:5(稍)
    東京大賞典 24.4-78.5-24.0 → 2:06:9(良)

    このデータを並べて見えてきた傾向を紹介すると、前者のデータからは大井記念は前半淀みないペースで進むものの、それで最後まで押し切れないことが。一方で統一GⅠになると、前半のペースに関わらず、後半をしっかりまとめる力が求められていることがわかる。また後者のデータからは、レース全体のタイムが左右される中間部分について、大井記念では大きな差がみられないことがわかった。

    <統一グレード級の力を誇示した、ミューチャリーの向正面まくり>

    では今年の大井記念が、比較のために取り上げたどのレースに近かったかといわれれば、私は昨年のJBCクラシックと考える。レース直後のツイッターでも、勝ったミューチャリーはJBCクラシックとほぼ同じパフォーマンスをしたと評したが、その理由をここで示したい。

    ポイントとして挙げたいのは、3秒近い差がついた後者のデータにおける中間部分である。今回の大井記念は統一グレードで多数の好走歴がある、転入初戦のドリームキラリが序盤速い流れで引っ張ったが、向正面半ばで一杯になったため、中間部分のラップが遅くなってしまった。そこで動いたのが序盤後方にいたミューチャリーだった訳だが、裏を返せばミューチャリー自身は、JBCクラシックのレースラップに近い時計で前との差を詰めていたことになるのだ。

    ということはレース後、手綱を取った御神本訓史騎手が「自分でレースを動かした」と語っていた向正面まくりは、実際は自分で動いたわけではないのに一気に前との差を詰めたという次元だった。そこに統一GⅠで差のない競馬を繰り返してきた底力が、誇示されていたと感じている。

    一方でこの動きに対応できなかったのが、1番人気のタービランスだった。ミューチャリーに交わされた時に動こうとしたものの、ここから手応えが悪くなって、追走で手一杯に。それでもバテずに3着に食い込んだのは地力の証だが、統一グレードでこれまで勝ち負けに届かない一端を示す格好になった。更にいえば直近5戦連続して統一GⅠを使っていたミューチャリーと、今年の川崎記念が約3年ぶりの統一GⅠ出走だったタービランスが戦ってきた相手の差を突きつけられた結果でもあった。

    改めてミューチャリーの話に戻るが、JBCクラシック4着時に獲得したレーティングは107(自身最高は昨年の東京大賞典5着時の108)。それと同等のパフォーマンスと評するなら、レーティング上でも同等の評価にならないとおかしいと考える。このあと帝王賞に出走するならプレレーティングが公表され、そこでこの1戦における評価が明らかになる可能性がある。その情報を見逃さないでいただきたいと思っている。

    <フィアットルクスはまだ強くなる可能性が>

    最後にミューチャリーとタービランス以外の馬について触れたい。2着に入ったフィアットルクスは4角手前でミューチャリーに捲られながら、直線半ばまで喰らいついた姿が印象的。最後は6馬身離されたが、このメンバーに通用したことは高く評価したい。勢いだけで手にした結果ではないし、大事に使われていることからまだまだ強くなる可能性がある。帝王賞に駒を進めるなら、楽しみを抱いて良いのではないだろうか。

    最後タービランスに迫る場面があった4着アングライフェンは、これで昨年のJBCクラシック並みの走り。5着に終わったストライクイーグルも、昨年勝った時のパフォーマンスに近く、ともに自分の力を出し切った格好だ。ただアングライフェンは、現状では左回りの方がハッキリ良い印象で、左回りならこの差はもっと詰まる気がする。

    あともう1頭触れたいのがドリームキラリで、元々逃げ馬ではあるものの、1年3か月ぶりの実戦で楽にハナを奪ったスピードは衰えていなかった。今後は中央時代に主戦場だったマイル前後の距離を選んで使われると思うが、いい意味で南関東の古馬戦線に刺激を与えてくれると思っている。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)